3歳も、4ヶ月となり、
途端に息子は反抗期に入った。
毎日一度は、必ず私にかみついては泣く。

今日は妻が帰宅した際、
外に三輪車(彼的には自転車)を乗りに行こうとしたが、当然拒否られて号泣。ご機嫌取りに『スーツケースの渡り鳥』を見せた。彼には『ベンガ見る?どっち?』と聞くと、『新しいほう』と泣きながら答えた。

『スーツケースの渡り鳥』は黒田硫黄さんという方の漫画「茄子」(講談社、アフタヌーンKC)の一篇をアニメーション化した第2弾。主人公の声を大泉くんが担当しており、それが理由で見てみたのだがこれが面白い。ロードレースという、あまり認知度も無く面白さを伝えるのが難しいスポーツを、かなり分かり易く描写している。私も中高生の頃ツールドフランスはずっと見ていた。1シーズンだけだったか、フジテレビが放映権を買って企画化していたが、数字が撮れなかったのかすぐ無くなった。やはり面白さが伝わり難かったんだろう。

私はキアプッチが好きだった。
『山岳のスペシャリスト』と言われたクラウディオ・キアプッチは、イタリアのアマチュアチャンピオン出身。彗星のごとく、とはいかなかったが、確実に評価を上げつつチームのエースに君臨していた。特に印象に残っているのが1990年のツールドフランス。実はあまり興味が無かった。イタリアワールドカップに夢中だったのである。中学校でもワールドカップにハマる同級生が増え、ちゃんと夜見て行かないと翌朝学校で結果だけ知ることになる。なので毎晩必至に見ていた。後半戦は特にヨーロッパのゴールデンタイムが放送時間になるので、始まるのは夜中の1時とか2時とか。結構辛かったものである。

ある日、ワールドカップのキックオフを待っている間、NHKを眠たい顔をして見てい時、初めてツールドフランスを目にした。そこに繰り広げられていたのは、連覇を狙うが出だしで遅れたグレッグ・レモンと、彼に追われながらも必至に逃げるキアプッチの一騎打ちだった。山岳にめっぽう強い彼の走りがいたく気に入った。結局負けてしまったが、残念だった。ちなみに彼は数年後もインデュラインと一騎打ちを繰り広げ、この時も2位に終わった。有力選手であはありながら、総合優勝というタイトルは撮れずに終わった選手である。一方ジャパンカップでは3連覇を達成しているので、日本のファンには馴染みが深いかも知れない。

話を戻そう。
息子に三輪車を買ったのはもう半年以上前。結構気に入っていたようだが、なかなか漕ごうとしない。脚力的には充分漕げるはずなんだが、そしてメカニズムも充分理解しているようだが、いつまでたっても跨いだまま足で蹴って進んでいた。よい運動になると思い、是非とも漕がしてやりたいと、茄子シリーズを見せた。2作目では藤村さんも声優出演しているので、多少は喜んでいたが、またぱったり見なくなっていた。

最近である、事ある毎に茄子シリーズを見たがるようになったのは。
映画に出てくる「Venga(さぁ!とか行け!といった意味)」の合い言葉で、彼を緩やかな坂に連れて行くと、直ぐに漕げるようになった。それ以降楽しくなったらしく、三輪車に乗っては「ベンガ見たい」と言うようになった。電車見るだけよりかは、だいぶ健康的である。

見事なのは、大泉くん効果である。
『マッスルボディは傷つかない』見せれば、筋トレするんだろうか?


はし