オバマを完璧に見くびっていた。
彼はもの凄く頭が良い。

民主党代表争いではヒラリーを応援していた。彼女は切れる。ニューヨークという自分が世界一嫌われている州の上院議員選で、ジュリアーニを負かせた女性である。どんな魔法を使った訳でも無く、変わらぬポジティブなポスチャーに、ジュリアーニの1つ1つの失敗を完璧に自分の支持率上昇に繋げるしたたかさ、そして自分にとって苦手な支持者層への度胸あるアプローチ。政治家として選挙に勝つ為に必要な全てを持っているかのような印象を受けた。そして、威風堂々とディベートで振る舞う彼女はチャーミングである。

オバマは、熱い印象しか最初受けなかった。確かにスピーチは非常に上手い。但し、政治的パンチラインが鏤められたスピーチ原稿は華やかだが、この混沌とした時期に改革を訴えるのは分かり易い戦略である。さほど光る物は無い。

しかし、民主党代表となって彼の動きには全く卒がない。
まず、リベラルから中央へ、大統領選挙戦にて必要な移行を、非常にスムーズにやってのける。逆にこの時期中央から保守に動いたマケインの動きの悪さが目立った事もプラスであったかも知れない。ディベートで、マケインの仕掛けたありとあらゆるジャブを完璧にガードしたその冷静さも特筆すべき。普通に考えれば、あの時点でオバマは負けないディベートに徹しさえすれば勝てた。そうは分かっていても、いざあのディベートで守りに徹するのは難しい。そして、高らかに勝利宣言を唱える彼には、直前の選挙攻防など全く無かったかのように、変化を唱える指導者として、支持者の前に寸分違わぬ姿を見せた。

そう、彼は殆どミスをしない。彼は熱いが、中身はかなりクールだ。まるで冷凍コロッケのように、熱い表面とは違い、中身は別人のように冷静である。閣僚人事にもそれが伺える。そしてここでも、閣僚名簿を埋めるのに手間取り支持率を落とすという、クリントンが犯した失敗は回避しつつある。


彼は非常に頭が良い。


はし