哲学者のアランはこう言っています。
王様の面前では、家来は不機嫌な心を隠しているのではない。不機嫌な心は、気に入れられたいという激しい欲求によって解消されている。一つの動きが他の動きを排除する。(アラン「幸福論」p. 120)
ここに声掛けの極意が詰まっています。
駅前で知らない女性に声をかける。それも周りに人がいる状況で、もしかしたら車からも見られているかもしれません。売店の店員さんからもです。そんな状況の中、どうやって自分を鼓舞して声をかけるのかと言えば、声をかける恥ずかしさを打ち消すだけの激しい欲求しかありません。
どれだけみっともないと思われても、カッコ悪い姿を晒すことになっても、それでも自分はあちら側の世界へ行きたい!という激しい欲望を持つことです。まあ実際には周りの人はそんなにあなたを意識していない場合がほとんどですが。とはいうものの、何だろう?という感じで一瞬こっちを見るのは間違いありません。
また、ストナンがある程度できるようになって、いきなり声かけができなくなる現象が生じることも多々あります。なぜか分からないけどモチベーションが上がらなかったり、いつもみたいに声をかけようとしても身体が動いてくれなかったり。
それはすでにかつてのゴールを達成してしまったのです。ある程度結果を出すと、かつて抱いていた激しい欲求を解消してしまうのです。それ故に、声をかける心理的な抵抗を排除することができなくなったのです。
逆に言えば、そのレベルまで到達できたということは、晴れて非モテからモテの側へと系を移動したという何よりのフィードバックです。素直に自分を褒めましょう。