オタを揺さぶる音の力。 | つっきにっき キツツキ亜科 T.Tsukishima

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音楽に生きる者が、音楽とは一切無関係なオタのパッションを迸らせる。更なる退化を目指して。

あれは確か3年ほど前。
とあるドラマCDの、とある音が気になって、
落ち着かなかったことがありました。

趣味がライター収集という設定のキャラが出てくるので、
オイルライターの、というか
もろにジッポーの開閉音だと思うのですが、
金属音のSEが時折入ります。

※オイルライター=ジッポー ではありません。
  Zippo社が造っているモノだけが“ジッポー”なので、
  例えばゲームセンターでGET出来るモノは、形が似ていても“オイルライター”ですしかも
  気密性が悪くてすぐオイルが無くなりますあと開閉音が澄んでいなくて動作が重くて以下略。


で、2枚組2枚目の冒頭、

 かきんっ(カムが鳴る音)
 しゅぼっ(フリントホイールを回す音と着火音が混ざった音)
 ぱちっ(リッドを閉める音)

これだけで、オイルライターの音を知らないリスナーにも
「苛々して煙草を吸い始めた」ことが伝わるわけです。
改めて語るまでもなく、映像の無い世界でのSEは、
衣擦れの音一つを取ってみても本当に重要であr

 かきんっ ぱちっ
 かきんっ ぱちっ
 かきんっ ぱちっ


……いえ、足音オンリーよりは苛立ちがよく伝わります、伝わりますが

ちょっと待って先生落ち着いてっ
カムがっヒンジがっ弱りますっ
チムニーがっ擦り傷だらけになりますっ
ライターを何よりも愛してるんですよねでしたら
とにかく落ち着いてっ



全てのジッポーには永久保証と無料修理がついてはいるものの、
だから傷んでも平気、ではないのです。
ジッポーマニアは多分、誰もがあの音を愛しているでしょうが、
着火しない時にはあんなに鳴らしまくりません。
傷んだら余計苛々するじゃないですか。

10回鳴ったところで止まったので、
「ああ良かった先生落ち着いたやっとストーリーに集中出来る」
と油断していたら、

 かきんっぱちっかきんっぱちっかきんっぱちっかきんっぱちっ

うわぁぁあぁぁあ

その後は、いつまたライターが鳴り出すか、
そればかりがもう気になって気になって、
肝心の科白が殆ど頭に入ってきません。
「今度は科白だけに集中しよう」ともう一度聴いてみましたが、
やはりライターの音にびくびくしているうちに終わってしまいました。

この例は、科白以上に際立ってしまった闇の力を持つ音ですが、
普通のSEやBGMは勿論、
鳴り過ぎず鳴らなさ過ぎず、プラスに働きます。
坂本ですが?などは、音の使いかたが神の領域だったと思います。
最近感動した音は、前回ちらっと書いた、
アニポケ14話のラスト近くでした。

前のカットからのBGMが次のカットに被さりながらフェードアウト。
効果音に匹敵する効果の無音。
「クーゥ?」「クゥ……」という殺人的カワイさのかないボイスに、
感動シーンに不可欠なテーマがさり気なくフェードイン。
分厚いブラスへのクレッシェンドそして次の音はサビの1拍目、

という瞬間に

「キィーーーーーーi||iヽ(゚(T)゚)ノi||iーーーーーー!!」

再び無音。
キテルグマさんの全力の愛情表現で
人体がめりめりみしみし鳴り続けるホラーなSEと
迫真過ぎる林原閣下ボイス……、

あーーー、あざとい。超あざとい。
こんな演出、ハート鷲掴みに決まってるじゃないですか。
思わずキテルグマぬいぐるみ買っちゃったじゃないですか。
でもって名前をキエー子にしちゃったじゃないですか。

今日の放映分にロケット団が登場しなかったら、
ムサシさんの全身骨折が完治していないのだと思うことにします。
それでは、アニポケが始まるまでに、
録画してあるメイドラゴンと弱ペダを観てきます。
ところで、昨日(っていうか今日未明)、
ユニゾンの通知がぎりぎりまで来なくて、
放送無いのかと一瞬焦りませんでしたかリアルタイム組の皆様。