飲食業や小売業では、若いうちから高い経験を積ませ、将来の会社の発展に寄与させることを目的に、早い段階でチーフやサブチーフなどの役職を与えることが珍しくありません。
昔から「職位が人を育てる」とも言います。
事実、役職を得て成長する方も多いので、完全否定をする気はありません。
一方、在籍年数だけで役職を与えている向きがあるようにも感じます。
多くの新卒社員は22歳ぐらいの方でしょう。
社会に出て2~3年、24~25歳ぐらいの年齢で一部門のサブチーフに任命されます。
それまでは、まるで馬車馬のようにひたすら体を酷使していた業務から、人を使う業務を覚えることになります。
そこで一部の方たちは、まるで自分が偉くなったと勘違いしてしまいます。
人に指示をする=人よりも偉くなったと勘違いしてしまう人が少なからずいるようです。
言い方は良くありませんが、所詮社会人経験2~3年程度です。ビジネスにおいて修羅場を経験したことも多くはないでしょうし、家庭を持って守るべきものを得ている人も少ないでしょう。
サブチーフ=チーフになるための勉強期間であることを理解できていないのでは?と思ってしまいます。
では何故そうなのか。
一段昇格させる基準があまりにも緩すぎることが原因ではないと思っています。
作業スキルを多少身に付けた程度で人を使う立場を勉強させる、と言う基準が少々誤っているように思えます。
人を動かすことにおいて人間性の高さこそが大切なのではないでしょうか。
残念ですが、まともに挨拶すらできない、そんな人に指示する役割を担っている話をしばしば耳にします。
偉い人は挨拶が出来なくてもいいのでしょうか?
いえ、現場レベルの責任者こそ、しっかり頭を下げて挨拶をするべきなのです。
それすら出来ない、あるいは教えてもらっていないような若物が、人の上に立つなどありえないことです。
高齢化社会に入った今、労働力の確保はどの企業でも喫緊の課題でしょう。
そして、退職されて他社にせっかく育てた労働力を奪われないために、多少の役職を与えるのもわからなくはないです。
しかし、飲食業や小売業において、いらっしゃいませの一つも言えないような人間が、40代50代、またはそれ以上の人たちに上から目線で指示を出す現状には、首をかしげざるを得ません。
「そういう時代でしょ?」
もしそうなら、本当にそれでいいのでしょうかね?