フランスには、すんばらしい建造物がたくさんあった。
巨大なステンドグラスがはめ込まれた大聖堂もそのひとつ。
そりゃあもう荘厳で、おおーーーっと感動したが、大聖堂もいろいろ見すぎると、最終的にどれも同じに見えてしまった。凡人だから、しょうがない。
それでも、シャルトルのノートルダム大聖堂は印象深い。一番はじめに見た大聖堂ということもあって、これだけはしっかり記憶に残っている。
晴れ渡る空のしたから、薄暗い大聖堂の中に踏み込むと、目がほとんど見えなくなった。そのとき、大聖堂の中で鳴り響いていたパイプオルガンの音色が、いかにも厳粛な気持ちを演出する。
目もそのうち暗がりに慣れてきて、つくづく思う。
人間がこんなものを造れるのか。
昔々の人間が、命がけで、突き抜けるほど高い天井にステンドグラスをはめ込んだのか。
ステンドグラスだけじゃなく、そこいらじゅうに施されている芸術的な彫刻だって目を見張るものがある。
ひんやりした石の柱を触ってみては、思わず願う、世界平和。
そりゃ、地球に住む誰もが願うことだろうが、視野の狭い私は恥ずかしながら、通勤ラッシュで世界平和を祈ったことは一度もない。日々、「通勤電車に乗らない生活が早くできるようになりますように。」とか、「今日は早く帰れますように。」などという完全に自分のことか、近しい家族や友人の長寿・健康を祈るくらい。
スケールの大きなところにくると、祈りのスケールも大きくなる。
やはり、たまには海外へいって、いろんなものを見なくてはだめですな~。グローバルな視野をもたなきゃね。




