先日のこと、電車に乗り合わせたとなりの大学生が、恋の話をしていた。
二十歳くらいのその男女は、どうやら同じ学部のクラスメイトらしい。女の子が男の子に、一生懸命、恋の相談をしている。
女の子は、その男の子の友達のことが、好きなんですって。
「ねぇねぇ、どう思う?脈あるかな?」
二人の会話を、電車中の人が聞いていた。だって、声が大きいんだもん、聞きたくなくても聞こえるさ…
「ね~、彼って、どういうタイプの子が好きなの~?」
「うーん、あいつね~。毎回変わるから、よくわかんないけど…。」
それにしても、男の子は親身に話を聞いている。
私も、男友達に恋の相談なんてしたことあったのかしら?自分の過去を回想する。
が、30代になった私にとって、その相談は無意味なことこの上なく、「その男子に相談したって、時間の無駄!」と心の中で叫んでいた。
そして、ナマ脚を惜しみなく露出して花柄のスカートをはいている彼女によっぽど言ってやりたくなった。
「本命の彼に直接思いを伝えなさいよ~。ただし、告白する前には、ちゃんとペディキュア塗ってからね!!」
私はそう思う。当たって砕けるほうがいいんじゃないの~(砕けると決まったわけではないが)。でも、キレイになる努力はお忘れなく。サンダルからのぞくペディキュアなしの爪はいただけないわ~。
とかなんとか偉そうなこと思っている私の爪先も、実はペタンコ靴のなかで、生まれたままの姿であった。
気が付けば6月も残りわずか。本格的に夏を感じる今日この頃。
ペディキュアなくしてサンダルなし、というモットーがある私は、暑苦しくてもしぶしぶ靴をはいて出勤していたけれど、もうそろそろ限界だ。
さきほど、ようやくペディキュアを塗った。今年のトップバッターは、赤。ピンクとブラウンも候補にあがったけれど、鮮やかな赤で夏を迎えることに決めました。
よ~し、これで明日からサンダル履けるぞ~
ちなみに、大学生の男女は、私と同じ駅で電車を降りた。
「あんたら、お似合いだよ!」
と、口にしたいのをグッとこらえたが、私の感はきっと正しいことだろう。
その後、一度うちに帰ってから、ハズバンドと一緒に外出したら、途中通過した公園のベンチにその男女が座っていた。電車を降りても、まだ恋の相談は続いていたんかい??
「ちょっと、あの二人だよ!!さっき電車でとなりにいた大学生!」
興奮してハズバンドのわき腹をつついた。そして我々は、二人そろって確信した。
「あぁ、あの二人がくっつくな…。」
