何年も前の話になりますが、尼崎のラジオ番組に呼ばれてお芝居の話をさせていただいたことがあります。話の流れからふと「お芝居をやっていて良かったこととは何ですか」という質問になり、熟考する時間もなかったのでとっさに「お芝居をしていなかったら会えるはずもなかった方々に会えることですね」と、その時は答えました。

 

今考えてみると、とっさに思い付いた答えであるものの、なかなか的を射た回答であったかなぁと思います。かつての劇団代表である秋浜悟史さん、別役実さんをはじめ、現代表の岩松さん、共演した役者の方々、演出家、作家、スタッフの方々、お客さん…。これまで、普通に考えたら会えるはずもなかった方々に会うことが出来ました。今回の作・演出をしてくださる土田英生さんも、まさか一緒に仕事が出来るとは思いもしていなかった方の一人です。

 

僕が初めて土田さんにお会いした(というより遠くから眺めた)のは、6年前くらいに京都で行われた桃園会の故・深津篤史さんを偲ぶ会でのことでした。僕はピッコロ劇団公演「螢の光」で深津さんに大変お世話になったので出席させて頂いたのですが、土田さんは壇上で、会場を笑いの渦に巻き込みながら深津さんとの思い出を話されていました。

ただただ「良く喋る人だなぁ」と思ったのを覚えています。

 

あれから6年経ち、縁あって一緒に芝居作りをさせていただくことになりました。今も変わらず土田さんはよく喋ります。膨大な量のギャグにまぶしながらも、話の核は至極真っ当なことだったりするので、受け流さないよう集中して聞いています。

 

お芝居は宇宙を舞台にした、ロミオとジュリエットがベースのお話になりそうです。今は前半部分を稽古しながら、後半の台本の完成を待っている状態です。

全貌が明らかになる日が待ち遠しい今日この頃です。

 


 

というわけで、今日は月や星を眺めて宇宙に思いを馳せながら、お世話になった人のことを思い出してみようかなぁと思います。

ちなみに中秋の名月は今月21日です!