🏴 追悼 🏴
🇮🇹Vittorio
 De Scalzi🇮🇹
リレビュー
 「このカメレオンが!」 
「この風見鶏が!」 
はたまた
「このパクリ野郎が!」
と言われようとも歌心 
ああ悶絶、鬼子の絶唱に絶頂 
 ニュー・トロルスについてヘッダーの如く人の言ふ。しかしながら、彼らほどの長いキャリアの中で表面的な音楽性に関する移ろいは確率論的に相当だし、内面的に全く変わらない事はコアなファンの直覚には明らかだろう。
 要するに、彼らの輝くヘッドクォーター:心臓部は〝イタリアの歌心〟であり、謳わない鬼子は〝死に体〟死んでしまえホトトギスなのである。これは60年代末〝即位礼正殿の儀〟以来何ら変わりない事実である。寧ろ、図らずも唯一の有名作となってしまった所詮サントラ「コンチェルト・グロッソ」にディスターブされていただけではなかろうか。
 宮沢りえではないが、スッタモンダありました挙句、メンバーこぞってシレ〜っと仲直りで元の鞘。以降、青天井に歌いまくり尻まくるバンドとして居直り絶頂期を迎えるのである。
 78年「アルデバラン(心の星)」〜83年「アメリカO.K.(魂の天使)」、そして暫しの間を置き健在ぶりを見せつけた目下スタジオ最新作となる96年「Il Sale Dei New Trolls(ニュー・トロルス販売中)」までの5作品はどれもトロルスならではのコーラスワークが絶妙の歌モノである。
 ニュー・トロルスの最大のヒット曲は①に収録されシングルカットもされた “あの素晴らしき夜” である。繰り返すが “コンチェルト・グロッソ” ではないのである。
 これは本国でポップスの名曲として、今でも老若男女が口ずさむエヴァーグリーンである。

 ところで面白い話題をひとつ…。ファンの諸貴兄姉はご存知だろうが、トロルスには所謂〝パクリ疑惑〟と称される曲が少なからず存在する。コーラスワークがクイーンであるともよく言われるが、モザイク型コーラスは何もクイーンの専売特許ではあるまいし、無罪であろう。しかし、一ファンとしてどう贔屓目に聞いても、こりゃマズいだろう、パクリどころか完全盗作だよ^^;なる曲を紹介したい。
 ②の大トリ曲でもある “魂の天使” と、かのジャーニーの名バラード “Open Arms” を聴き比べて頂きたい。

 完コピに加えて複雑なコード進行と演奏力で堂々の原曲?超えである。その筋の間ではだいぶディスられている様だが、実際よく裁判沙汰にならなかったと思う程である。
…しかしながら、ジャケット画には到底許可を得ているとは思えないアホみたいな顔をしたディ◯ニーの某キャラクターを使用していたり、実はパロディにて痛烈なアメリカ批判を捨て身で行っていた、と言うのが筆者のいい加減な説である(笑)。
 さて、最後に③から耳直しに一曲貼って終わろうと思う。ジジイになった彼らのー時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げまするー爽快極まる名曲 “奇跡の奇跡” を御賞味あれ!トロルス節でぶっ飛ばす歌モノ総決算だ!

 そして、今世紀、コンチェルト・グロッソを引っ提げ、更にパワーアップしたジジイ達は世界に討って出てゆくことになるのである。
つづく

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