アントネッラの居ない
マティア・バザールなんて
クリープのないコーヒーの
ようなもの(古!)…
と人の言ふ
果たしてそうであろうか?
前の記事にて、マティア・バザールは前期と後期に分けられ、ファンたちは概ね全てアントネッラという歌姫の在籍した前期しか容認していない、とした。
アントネッラ脱退後、グループは新たなヴォーカルを必死で探し、ラウラ・ヴァレンテを据える。彼ら自身も満足のゆく決着ではなかったようだ。それだけアントネッラは不世出の逸材だったのだ。しかしバッサリ言おう。私は後期マティア・バザールの方が好きである。
私は捻くれ者ではない。合理的で客観的に事物を判断しようと心掛けて居る。
新ヴォーカル:ラウラも十二分な歌い手であり、アントネッラにはない技巧や息遣いもある。
新ヴォーカル:ラウラも十二分な歌い手であり、アントネッラにはない技巧や息遣いもある。
そして何より、カルロ・マッラーレを中心とした作曲陣の純熟とブラッシュアップされた曲々。これらと鑑みた場合、純音楽的に後期の方が円熟味を帯びるどころか、新鮮で枯れることのない泉源を新たに掘り当てたが如く魅力的なのである。
そんなこんなの新体制で91年に発表した「怠惰な魂たち」は捨て曲の見当たらぬ名盤と言える。特に前半を中心とした佳曲目白押しを聴いていただきたい。
“ひとりじゃ迷ってしまう”〜“ポー川に沿って”〜“ドゥ・ドゥ・ドゥ”〜“オペラ座の亡霊たち” 4曲のコンボで御機嫌だ。
ハイライト:“オペラ座の〜” は肯定的に吹っ切れてゆく展開がイタリアならではの煌びやかさ・艶やかさで〝ベネチアンマスクに黒と金〟男女歌い手二人が見詰め合い楽しげに歌い上げながら、ドレスアップして羽目を外す、これまでにも増してアーバンな大人の夜を演出してゆくのである。
“ひとりじゃ迷ってしまう”〜“ポー川に沿って”〜“ドゥ・ドゥ・ドゥ”〜“オペラ座の亡霊たち” 4曲のコンボで御機嫌だ。
ハイライト:“オペラ座の〜” は肯定的に吹っ切れてゆく展開がイタリアならではの煌びやかさ・艶やかさで〝ベネチアンマスクに黒と金〟男女歌い手二人が見詰め合い楽しげに歌い上げながら、ドレスアップして羽目を外す、これまでにも増してアーバンな大人の夜を演出してゆくのである。
つづく
STEP.2魔法の言葉
〝自由・博愛・親愛…
…それは魔法の言葉〟
後期マティア・バザール
の知られざる
攻撃的MFチューン!
後期マティア・バザールとしてひっそりと佇む第三作目「サウサリートへようこそ」からのシングルカット曲 “魔法の言葉” は戯けた出だしから始まるアップテンポなナンバー。
北イタリアの主要都市を潤しポー川は、ロンバルディア平原を傍流しながら、生まれ故郷ジェノバのガリバルディ通りに涼気をもたらしつつ、ついにリグリア海へと潅ぐ。
後期マティア・バザール第二作目「歌が叶う地平まで」のトップチューン “あなたへ捧ぐ” は彼らの全身全霊を持って昇華した至高の一曲となった。
さりげなく聞き流してしまいそうになるが、聴くほどに味わいが出てくるアタリメ的佳曲と云えよう。
新歌姫として気負う事なく、自らもギター片手にヴォーカリズムに工夫を凝らすラウラ・ヴァレンテの姿勢は好感度急上昇。評価されるべきものである。
特に、節々で〝ジャーン!〟とかき鳴らされるギターが妙味のあるアクセントでクセになる。是非お試しあれ。
つづく
STEP.3あなたへ捧ぐ
〜さらば
Matia Bazar
すみませーん
歌っているのは
決して岸田今日子
ではありませんから!
北イタリアの主要都市を潤しポー川は、ロンバルディア平原を傍流しながら、生まれ故郷ジェノバのガリバルディ通りに涼気をもたらしつつ、ついにリグリア海へと潅ぐ。
後期マティア・バザール第二作目「歌が叶う地平まで」のトップチューン “あなたへ捧ぐ” は彼らの全身全霊を持って昇華した至高の一曲となった。
天啓を得たかのような絶妙のメランコリックかつアップなメロディを謳うラウラ・ヴァレンテとカルロ・マッラーレの力強いデュエットは、しかしながら侘び寂びにも似た知足天な間[ma]を持って曲自体を俯瞰する。
★Bellissimo e Perfetto !!★
ほぼ恒例となったサンレモ音楽祭の93年出品作でもあり、本国ではいまだに愛される曲である。