90年代〝渋谷〟という不明瞭なムーヴメントが存在していて、音楽ではフリッパーズ・ギターピチカート・ファイヴなどが有名であった。
 スパイラル・ライフもー彼ら自身は否定的であったがーそんな系譜の中に存在している。
 石田小吉車谷浩司という、今でも一部でエンスーなファンを持つ二人によるユニットであり、およそ3年間の活動にて3枚のアルバムを残す短命でありながら目の眩む超新星爆発を起こした名バンドである。
 個人的に好きな曲は以下の二曲である。いずれもナイフのような斬れ味の感受性で自らを傷つけ、叙情と刹那を吐血するような迫力がある。
 …その頃、私は環境調査会社に於いて海洋生物の分析者の任についており、その特殊技能故に、キナ臭い貴重生物調査に暗躍していた。それでも新進気鋭の野心に満ちた若き私は必死に、とある海域を当てもなく、しかしながらインディアナ・ジョーンズばりに怱々と冒険の如し大立ち回りをしていた。頭の中でこの曲を渦巻かせながら…今となっては良くも悪くも人生の貴重な一コマである。

【おもしろ情報】:以下①の歌詞の中に「瞑想」を「オーム」と発音する箇所がある。時期的に地下鉄サリン事件と重なり興味深い。深読みであろうか。



①ANOTHER DAY, ANOTHER NIGHT


②MOON RIDE