上野・東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」

公式サイト

 

 

会期後半でようやく行けました。

悪天候・金曜夜間開館の日で少しは空いてるかと思ったけど甘かったびっくり

学生さんの無料期間中だったこともあり、館内ロッカーは行けども行けども空いていないしあせる

学芸員さんの特別解説は長蛇の列あせる

 

あきらめて稲垣吾郎さんの音声ガイド(550円)/を聞きつつ、閉館までじっくり観ることに。

 

ラジオで聞き慣れた吾郎さんのあの声が美術館で聞こえてくるって、不思議な感じ!

音声ガイドとしては声質が聞き取りやすいし、なんといっても人選に確固たる理由があるのがいいですよね。

 

今はたいていの大きな展覧会で有名俳優や声優さんを起用した音声ガイドを作成していて、割とよく活用する方ですが、何でこの方?というのもなくはないので。そして個人的には男性の声の方が聞きやすい。なのでファンでなくとも稲垣吾郎さん起用は納得でございました(ファンだけど)。さすがの美声で聞きほれてしまいました照れ

 

ベートーヴェンの役をやったときのことや、ウィーンを訪れたときの話がスペシャルトラックにまでなっていて、吾郎さんこんなに前面に出てきていいんですか(笑)ってなもんですがもちろんうれしいチューラブラブ エピソード紹介などを主に吾郎さんが、その他具体的な解説は女性のナレーター(藤村紀子氏)が、と交互に役割分担しつつのガイドは定番ですがわかりやすかったです。

 

特設ページまでできるほどの公式の力の入れようをご覧ください!

クリムト展スペシャルサポーター 稲垣吾郎さん特設ページ

 

吾郎さんのナレは終始穏やかで落ち着いていて耳に心地よいものの、少しだけ気になったのは文節終わりに力が入ったり語尾が少し上がる箇所がたまにあって、いかにも紙の文章を読んでます、って感じになってしまっているところ。収録の時間なかったんだろうなあ。もっと上手くできるはずなのに~!(何様)

←ケチつけてるみたいでごめんなさいあせる毎週自然に話してくれるラジオとの違和感もあり。大好きなだけに細かいところが気になるんです~ショボーン

 

展示については国立新美術館の「ウィーン・モダン展」を先に見ていたので今回の理解の助けになりました。ライバルの読売新聞社主催なのでチラシなどを置いていないのはもったいないキョロキョロ

 

余談ですがこちらの「ウィーン・モダン~クリムト、シーレ 世紀末への道」はお堅くマジメな文化祭の発表みたいで正直そんなに面白くな......ゲホゲホ、ものたりなかったのですが、ハプスブルク家やウィーン会議に象徴される当時の王室・政治や都市開発事情をたっぷり解説してくれる展覧会なので、今回のクリムト展と合わせて観ると分離派のことなど知識が補完されて、なかなか有意義でした。

あとハプスブルク家から続くいかにもな宮廷絵画群からエゴン・シーレまでたどりつくと、シーレの前衛的な作風がよくわかりますね。

 

公式サイト

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道

こちらの展覧会の目玉は

クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》

 

 

クリムトって好きな画風ではあるんだけど、その生涯については実はよく知らなかったりして。こんなひとりユルイ服着たおじさんだったのねーとか、同級生や弟と一緒に20代半ばですでに成功してたんだ、とか、未婚のはずが少なくとも(!)14人も子どもがいるとか(それってアトリエにいる大勢のモデルさん達と片っ端から......ゴニョゴニョってことですよねアセアセ)、そのわりに純愛を捧げた女性がいたとか、人となりを知ると絵の見方もちょっと変わったり。

まああれだけ官能的な絵を描く人なので、言われてみればさもありなんて感じでしょうか。今回の展覧会で知れておもしろかったことの一つ。

 

母や姉がうつ病だったとか、父と弟を若くして亡くすとか庶民の出から這い上がったとか、わりと暗めエピソードもあるのにゴッホみたいな悲壮感はないのがクリムトさんですね。根が明るいのかな。

 

ユルイ人のように見えて、描く線もすごくきっちりしてます。

どの絵も破綻なく完結しているあの感じは几帳面な自分には気持ちがいいです。

 

特徴とされる「黄金様式」、あのキンキラリンも今回生で鑑賞することができました。下品と評するひともいますが私はそうは思いませんでした。青金・赤金さまざまに使い分けていて、金だけでなく全体的に色使いのセンスがずば抜けている印象。

テーマは暗いのに奇妙に明るい印象なのは、そのせいもあるかも。美術のことはよくわかりませんが。

 

今回の目玉のひとつ、《ユディトI 》の将軍の生首持って恍惚とした表情はあれだ、「セーラー服と機関銃」で薬師丸ひろ子が機関銃ぶっぱなして「快・感......」ってつぶやくのと同じだ!とか吾郎さんの心地よい解説を聞きつつどうでもいい感想。

 

額装もどれも素敵。この時代のウィーンすごい。

ジャポニズムの影響もでかした日本、って毎回(印象派やボストン美術館やいろんな展覧会を見るたびに)思います。

※重ね重ね陳腐な感想で恐縮ですあせる

 

そしてそして、《ベートーヴェン・フリーズ》!

これ↓を見て楽しみにしていました。

ここはうっすらベートーヴェンの第九が流れていましたが、ぜひぜひ音声ガイドを借りてしっかりとした音量で「歓喜の歌」を聴きながら鑑賞したいエリア。

複製とはいえ、文字通り圧巻でした。

混んでいたけれどしばし立ち尽くしてしまった。

 

絵画を鑑賞しつつ、舞台「No.9」で歌われる<歓喜の歌>が、本当に"苦悩の果て"にたどりついた歓びだったのが思い出されて。指揮を取る吾郎さんのベートーヴェンがダブって見えるみたいでした。

※超個人的な感想です

 

《女の三世代》はもう老婆に感情移入する年になってしまったので(爆)いたたまれない(´・ω・`) 

現実はキビシイ。

でもとても好きな絵です。

生命の円環というテーマはちょっと東洋思想ぽい。

 

フォトスポットより(部分)

 

今回は出展ありませんが《接吻》みたいにシアワセな恋人同士もいいけれど、《ベートーヴェン・フリーズ》の魔物や、この《女の三世代》のように暗い面を描き出した絵も(同じこと何度も言ってますが)暗いのに絶望的って感じではなく、淡々と描いてるところが好きです。作者の恨みつらみはこもってなくて、あくまで対象としての女性を客観的に見つめて描いている感じが。そして徹頭徹尾女性しか描かないその潔さ、嫌いじゃない(笑)

 

あこがれのウィーン。

今回は東京にいながらにして観れたのでラッキーでした。

ヴェルヴェデーレ宮殿にいつか行ってみたいなあ照れラブラブ

 

クリムト展、混雑必至ですが一見の価値がある展覧会でした。まだの方にはぜひおすすめします。

 

 

 

【参考記事】美術手帖

https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/19706

https://bijutsutecho.com/magazine/insight/19934

 

オススメブログ「青い日記帳―クリムト展」

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5459