楽器を弾かない人にとって、

バンドの中で鳴るベースの音はとても聞き取りにくい。

 

 

「ベースって必要?なんの為にあるの?」

 

 

なんて質問を受けるほどとても地味で、

認知度もほかの楽器に比べると若干低めなようだ。

 

 

 

今月ライブをしたが、

その1週間前にスタジオ練習があった。

ベースのAさんが仕事で来れず、

残りのメンバーで最後の調整をすることになった。

 

 

 

ベース無しで演奏が始まる。

あー、やっぱり音が薄い。

ベースって必要だねーなんて思っていると、

 

あれ、

分からない。

どこで入ったらいいかも、

今何小節目なのかも、

いつ終わるのかも。

 

みんな不安そうな表情で目くばせしながらなんとか演奏する。

しかし2番終わりの間奏でとうとう迷子になり、

どうしようもないのでテキトーな所で切り上げて大サビに入ってしまった。

 

 

演奏・・・強制終了。

 

 

その不格好な演奏に、

思わず楽器隊と顔を見合わせ笑い合った。

 

 

そうか、こんなにみんながベースを頼っていたんだ。

ベースの音だけじゃない、

ベーシストのAさんその人を。

 

 

 

いつもこうやって影ならがら支えてくれたAさん。

私が楽屋で一人ギターの練習をしていると、

そっと合わせて弾いてくれた。

そういえば、

自信が持てない私を一番褒めてくれたのもAさんだった。

こうやっていつもみんなのことをそっとフォローしてたんだね。

 

 

ベースがAさんで本当に良かったと思う。

だからここまでこのバンドが存続したんじゃないかな。

今までありがとう!!

バンドがやりたくなったらいつでも声かけてね!

それまでに上手くなっておくよー!