フロントライン | ペッターの話

ペッターの話

誰も見てないと思いながら書いてる

今年の夏は光石さんに忙しい。


6月13日に公開した「フロントライン」

27日に公開する「でっちあげ」

7月4日に公開する「夏の砂の上」

と3本も映画に出ている。

というわけで公開から1週間経ってようやく

「フロントライン」を観に行った。

本編前の予告で「でっちあげ」と

「夏の砂の上」が連続で流れて

光石さんから光石さん、そして

本編始まって光石さんという

ジェットストリームアタック。

笑っちゃうよこんなん。


「フロントライン」は2020年2月の

横浜が舞台の映画だ。

新型コロナウイルス被害の幕開けとなった

ダイヤモンドプリンセス号で

治療に当たった医療従事者たちの

実話をもとに作られた。


ニュースを観ない私でも

当時ダイヤモンドプリンセス号の報道は

毎日のようにチェックしていた記憶がある。

まだコロナのことが何もわからなくて

対岸の火事ではありつつも

突然マスクが買えなくなったりして

なんとなく世間が不安に包まれ始めた頃。

そこそこ記憶に新しい。


とはいえ、私が見ていたネットニュースは

今日は船内で何人陽性者が出たとか

搬入した4,000食の弁当が消えたとか

明日から下船して隔離されるとか

そんなレベルなので

当たり前だけど現場の大変さは知らない。


個人的に1番ハッとしたのは

治療のために船の中へ入っても

船内には外国人観光客が多く

言語が通じないという点だった。

特に医療用語は伝えるのも難しい。

「持病はあるか」

という簡単な質問すら通じない。

通訳ができる船内スタッフだけじゃ

到底追いつかない。

だから余計に時間がかかり

搬送のために下船させるのもままならない

というのは、当時考えもしなかった。


主人公たち医療従事者が

必死に対応にあたる一方で

安全な場所から騒ぎ立てるのがマスコミ。

この、ワイドショーの責任者役が

光石さんだった。


おいおい敵役じゃねぇか、マジかよ。


テレビ局側は、少なくとも光石さんの役は

視聴率とテレビ映えのことしか考えてない。

この騒動を楽しんですらいる。

ニヤニヤしながら放送を眺める姿は

本当に殴りたくなった。

マジで腹が立つ、この作品で1番

嫌なキャラだった。間違いなく。


ファンとしての感想は、最高。

キャスティングしてくれた人ありがとう。

良い人イメージが強い光石さんの

こういう役が見られたのは

それだけで行って良かった。


衣装もずっとジャケットスタイルで

色んな色のジャケットやシャツを見られて

作中で誰よりもオシャレなの。

出番はそんな多くないのに

衣装が3〜4種類くらいあった気がする。

現場の人がずっと防護服で対応してるから

すごく対照的で、これも良かったな。


部下の女の子は途中で考えを改めて

報道の方向性を変えようとするけど

それもピシャリと跳ね除けた。

「お前がやらないなら別のやつを行かせる」

なんてパワハラも炸裂した。

光石さんの役は最後まで考えを変えないし

改心も反省もしない。

いっそ潔い。敵はこうじゃないと。


私はマスコミ業界のこういう考え方は嫌いだ。

面白ければなんでも良い、みたいな。

だからマスゴミって言われんだ。

とはいえ、光石さん役が言っていた

「政治も順調、世の中は平和でした

なんてニュースは誰も観ない」

というようなセリフも

それはそうだとは思う。

テレビ局も自分の仕事をしただけではある。

それが人道的かどうかは別として。


当時、ダイヤモンドプリンセス号の

ネットニュースを連日見ていたのは

中の人たちや医療従事者に対して

体調の心配とか回復への祈りとか

そういう心持ちも多少はあったけど

それだけじゃなかったはずだ。

連日増える感染者数を見ながら

なんだかスゲェことになってるなぁ

と傍観者の立場で、非日常のエンタメとして

受け取っていなかった、と

言い切れる自信は私にはちょっとない。


そういう意味でも

光石さんが演じた轟というキャラが刺さった。