インターホン破壊事件 | ペッターの話

ペッターの話

誰も見てないと思いながら書いてる

他人の家のインターホンを

壊した経験があるだろうか。


私はある。


小学校5年生で東京に引っ越してきてから

よく遊んでいた友達は

いわゆるオタクな、日陰者な子たちだった。

引っ越す前、私はクラスで1番やかましく

目立ちたがりの子供だったが

転校してからはそのノリを続けられず

あっという間に引っ込み思案になって

同じく教室の隅にいた彼女たちと

遊ぶようになった、というわけだ。


そのうち1人、Eは身体が弱かった。

学校を休むことがよくあったし

保健室登校の時もあった。

中学に入ると保健室にも来なくなり

すっかり不登校になってしまった。


毎朝、もう1人の友人と一緒に

Eの家の前で待ち合わせて登校していた。

毎日Eが来ないので、そのうち

わざわざ10分ほど早く家を出て

Eの家のインターホンを鳴らして

迎えに行くようになった。

今考えると、本当に迷惑な話だ。

朝の忙しい時間帯に毎日ピンポン押して

家にお邪魔して

寝ているEを起こしたり

喋ったりしてから

Eと別れて、友人と2人で登校する。

自分がEの親だったら絶対に嫌だ。


だが、Eのお母さんはいつも

にこやかに迎え入れて下さった。

Eの家は、言い方が悪いが

まるでゴミ屋敷というか

とにかく足の踏み場はないし

虫もいるし、良い環境ではなかったが

お構いなしにお邪魔した。


そのうち、一緒に登校していた

もう1人の友人も不登校になった。

それでも私は1人で

毎朝Eの家へ寄ってから学校へ行った。


毎日ではないが、学校帰りにも寄った。

その時間帯はお母さんはいないので

Eが玄関を開ける。


本当に今思うと申し訳なさ過ぎて

顔から火がでる勢いなのだが

連日、ふざけてインターホンを連打した。

Eの家のインターホンは短く

「ピンポン」

と1回鳴るだけだったので

押せば押しただけ

「ピンポンピンポンピンポンピンポン」

と連続で鳴った。

Eは寝てることが多かったから

1回じゃ起きてもらえなかったのもあるが

それにしたってふざけ過ぎた。

借金取りだってあんなに押さない。


で、ある日インターホンが壊れた。


全く鳴らなくなってしまったらしい。

業者を呼んで修理したそうだが

その間は宅急便がきても気付けず

不便だったなどと聞いた。


さすがの私も反省をして

それ以降、連打することはやめた。


Eの家へ迎えに行くのは1年間続いた。

中学2年生になると

Eと、不登校になったもう1人と、私が

全員同じクラスになっていた。

これは先生の策略だ、と思った。

つまり、2人の世話を私に任せよう

という魂胆だ。

別に2人と同じクラスになることが

嫌だったわけでは決してないが

私は他の子たちとも仲良くしたかったし

大人のズルさが嫌になって、三者面談で

「来年はクラスを別にしてください」

と直訴した。

それでも、先生の策略通りというか

2年生になるとEは少しだけ

保健室登校が出来るようになり

もう1人も学校へ復帰できたので

毎朝のお迎えはなくなった。