スタジオの入口は多分、本番中は
開け閉めできないのではないかと思い
始まる前からスタジオへ行くことにした。
方向音痴の私も流石に道を覚えて
皆さんをご案内する。
方向が分からないだけで記憶力は大丈夫なので。
階段あがる、出たらすぐ左…みたいに
言葉で覚えてしまえば平気。
スタジオへ行くと出演者やスタッフさんが
ごちゃごちゃと入り混じっていた。
スタッフさんたちは生放送の準備。
出演者は色んなところで立ち話して
親交を深めている中を坂崎さんが
カメラを持って撮ってまわっていた。
珈琲のケータリングがスタジオに来ていて
藤巻さんが一杯もらって飲んでいると
坂「ほい、藤巻さん撮りますよー」
と写真を撮りにきた。
ねえ、その写真頂けないかしら。
坂「あれ、バッジもらってないですか？」
坂崎さんが胸につけているフォーク村のバッジを
藤巻さんがつけてないことに気付いて
スタッフさんに声かけてくれた。
用意される間に坂崎さんはまた
別の方のところへ行ってしまった。
用意されたバッジは今回のフォーク村の
告知画像があしらわれたものだった。
静「欲しいんでしょw」
私「欲しいです…藤巻さん、終わったら
バッジ頂けませんか」
巻「あ、いいよいいよ」
やった！
藤岡さんの分も用意してもらい
スタッフさんから受け取って藤岡さんに渡す。
私「皆さんつけて本番出るそうです」
と伝えてつけてもらう。
そういえば私も、藤岡藤巻のグッズの
缶バッジとピックを持ってきたんだった。
あわよくば坂崎さんに渡せないかと思って。
藤巻さんにそれを伝えると
巻「良いんじゃない？渡しに行こう」
と一緒に行ってくれた。
玉井さんと話してるところを失礼して
巻「すんません、うちのスタッフが
坂崎君にどうしてももらって欲しいというので」
と声をかけてくれた。
私「もしよかったらどうぞ…！」
缶バッジとピックを両手で持って差し出すと
坂崎さんが受け取ってくれた時に
一瞬、手が触れた。
ほんとに一瞬だけど、手が冷たくて驚いた。
坂「ありがとうございます。
お！これが例の！限定何枚でしたっけ？」
私「あっそうです、今回の新作で
40枚限定です！」
「例の」と言うのは前日の生配信で
ピックの発表をしたばかりだったので
それを指したのだとすぐに分かった。
ところでピックの告知をする前まで
私は藤岡藤巻の間に入って
散々、坂崎さんとの共演履歴について
語り倒していたわけ。
その部分を観てたから、私が
個人の感想札を出していることを
分かっていたのか…
変なこと言ってなかったよな…？と
急に汗をかいた。
本番2分前くらいまでそんな感じで
生放送なのに椅子に座ってスタンバイとか
しないんだなぁと思った。
徐々に皆さんが席について
チーフみたいな人が指でカウントを出しながら
「30秒前！……20秒前！……」
と大きな声をあげている。
私と静 炉巌さんはカメラの後ろで観ていた。
他の人たちは多分後ろにある
モニターの方で観てたんだと思う。
19時、放送スタート。
ここからの話はまぁオンエア観れば済むので
詳細には残さないけれど
私はとにかくずっと坂崎さんだけを見ていた。
前半、女の子とかが歌っている時も坂崎さんは
ジッと真剣に最初から最後まで見ながら
たまにアコギの音が出ないようにコッソリと
一緒にコードを抑えたりしていた。
こういう若い人の、言い方悪いけど
めちゃくちゃメジャーってわけでもない人の
曲でも、ちゃんと聞く坂崎さんすごいな。
今回、藤巻さんを通して連絡やり取りしてても
思ったんだけど、この人やっぱり
すっげぇ良い人。
1時間経って、いよいよ藤岡藤巻の出番。
2人揃って立っているところに
コソコソ近付いて行って
両手で拳を作って「頑張って」のポーズをした。
巻「間違えないでできるかなぁ」
私「大丈夫です、大丈夫。
多少間違えても、楽しくやれれば」
と小声で声をかける。
リハの後スタジオから楽屋へ戻る時も
そういえばこんなやりとりがあった。
静「藤巻さん、牛乳の頭で入れなさそうだから
オレが手で合図しましょうか？」
坂「僕が背中をポンって叩きましょうか？w
いや、でも間違えちゃっても全然大丈夫ですよ。
他の人でも結構あります。
僕もカポつけないで始めちゃって
最初からやり直すとかあったので」
藤岡藤巻が出て行った。
紹介されて登場するんじゃないんだなぁ。
この辺の流れは説明されてなかったので
藤巻さんもマイク前に立ったあとに
モタモタとカバンから
ポニョを出している。
坂「大丈夫ですか？？？w」
と聞いていたのはそのため。
子供の発表会を観る親って
こういう気持ちなんだろうな、と思った。
とにかくハラハラしながら
手に汗かきながら観た。
でも藤岡さんも藤巻さんも
本番に強いと言うか、バッチリだった。
坂崎さんが藤岡藤巻の楽曲を
一緒に演奏してるの、ホントやばい。
今回、皆さんが見てる譜面は恐らく
番組側が用意した譜面だと思うが
(私のとこにも事前に共有があった)
元となる歌詞カードやコード譜を
作ったのは実は私。
プロンプターで表示されている歌詞を
用意したのは私です、やば。
藤岡藤巻は歌うのに必死で
坂崎さんの方を見てなかったけど
坂崎さんはずっと笑ってた。
牛乳でもラシドでもゲラゲラ笑いながら
玉井さんたちの方を見たりしてたので
本当に藤岡藤巻の曲が好きなんだなぁ。
ブスもやってあげたかったなぁ。
私は一応、藤巻さんには
「この曲、マジで坂崎さんが大好きなんです」
と頼み込んだけどダメだった。
スタジオ内は電波が悪くて
Twitterの反響を確認できなかったけど
私のフォロワーさんにいる
藤岡藤巻ファンかつアルフィーファンの
何人かのことをずっと思い出していた。
藤岡藤巻、坂崎さんと話してるよ！
一緒に演奏もしてるし
坂崎さんが藤岡藤巻の曲歌ってるよ！
私たちの悲願が叶ったよ！！