漱石先生んとこ | ペッターの話

ペッターの話

延々と1人でブツブツやってる

早稲田にある漱石山房記念館については

前にも書いたことがあったと思う。

多分内容が重複してると思う。


夏目漱石が明治40年から亡くなるまで

9年間住んだ家の跡地に建てられた記念館。

教科書で有名な「こころ」は

この家で書かれた。


1階に書斎の再現展示がある。

床に積み上げられた本や

本棚にギッシリ詰まってる本は

実際の本の背表紙を再現して

作られたそうだ。

文机の上には「漱石山房」とデザインされた

特注の原稿用紙が置かれている。

漱石先生は新聞で連載していたので

新聞のレイアウトに合わせて原稿用紙も

1行19文字で作られているらしい。


1階には漱石先生の人形も座っている。



顔が良い…………。

私は毎回ここで写真を撮りながら

漱石先生にご挨拶するのが

お約束になっている。


漱石先生の像や写真を見るたびに

本当に顔がカッコいいと思うと同時に

厳しさというか怖さも感じるので

もし目の前に漱石先生がいたとしても

話しかけられないと思う。

推しには話をしてみたい推しと

遠くから眺めていたい推しの

2種類が存在するが

漱石先生は後者になる。話すの無理。怖い。


2階にあがると著作や原稿の展示があり

その奥が特別展のスペースになっている。

3ヶ月に1回くらいのペースで

内容が変わるので

新しくなる度に足を運ぶ。

多分、初めて記念館へ行ってから

ほぼ欠かさずに行けていると思う。

実家から行っていた時はバスに乗って

電車も乗り換えて

1時間以上かかったが全く苦ではなかった。

漱石先生の門下生である寺田寅彦は

漱石先生の家に行くのを

「恋人に会いに行くような心持ち」

と表現したらしいが、わかる。

漱石山房記念館へ行くのは

それくらいウキウキする。


今の展示は「ああ漱石山房」というテーマで

この早稲田の家に住む前から

亡くなった後までに関わる物や写真が

たくさん展示されている。

漱石先生のデスマスクの展示や

漱石先生の奥さんや息子さんが

ご存命の時の映像が観られるので是非。


興味が無い人が見たら1分で見終わるような

小さな展示室を

私はいつも30分〜1時間かけて見る。

私より時間をかけて見てる人は

あんまりいないと思う。

みんな私を追い越して先へ行く。

今日もじっくり堪能してきた。

漱石先生が数ヶ月住んだだけの家の瓦が

展示されていたのには少し笑った。


漱石先生は散歩が好きな人なので

この早稲田の家の周りも

きっと歩いたのだと思う。

実際に漱石先生が生活した地、というのが

ここの特別なところだ。

だから私はよく漱石山房記念館へ行くのを

「漱石先生んとこへ行く」

と言う。

記念館の周りを歩くだけでも楽しくなる。

普段は常にイヤホンで音楽を聴いてる私も

早稲田を歩く時は耳を解放して

存分に空気を感じながら歩く。


ついでに、早稲田は

漱石先生終焉の地であると同時に

生誕の地でもある。

漱石先生は生まれてすぐ養子に出されたので

幼少期を過ごした家、というと

ちょっとまた違うのだけど

とにかく漱石先生ファンにとっては

聖地みたいな場所だ。


1月5日は旧暦での漱石先生の誕生日。

ここで生まれたんだなぁ、と

やよい軒の入口の横にひっそりと佇む

生誕の地の石碑を今日も眺めた。