1年前の今日は元上司Aさんと2人で
飲みに付き合って頂いた。
Aさんについて今更説明する必要もないけど
簡単に書いておくと
前の会社で大変お世話になった元上司。
小学生のお子さんが2人いるお父さん。
社長から理不尽な嫌がらせを受けて
今年の2月に仕事を辞めた。
私がAさんの退職の意思を知ったのが
11月の後半の方で
辞める前に一度飲みに行って欲しい
とダメ元でお願いをしたら
2つ返事で了承してくれて
実現したのが去年の今日だった。
そもそも何故そんなお願いをしたかというと
私自身が入社した時からAさんのことが
(推しのおじさんという意味で)好きで
もっと話を聞いてみたいなぁと
ずっと思っていたから。
Aさんとは同じ事務所で5年ほど働いたが
仕事中は隣同士でも殆ど喋らなかった。
飲み会でも、他の人がいるので
Aさんの話だけを聞くわけにもいかない。
そもそも会社の飲み会自体がコロナ前でも
年に1回あるかないか程度だったので
機会もなかった。
今まで会社を辞めた人とは
それっきり縁が切れてしまっていたので
Aさんとももう二度と会えないのかと思うと
どうしても一度ゆっくり話を聞いてみたい
という思いが強くなりお願いをした。
その頃Aさんは社長の嫌がらせで
突然社用車での帰宅を禁止されて
私が勤務していた本社の駐車場に置いて帰り
朝は本社から車を取って事務所へ向かう
という面倒くさいことをさせられていた。
なのでAさんは、夕方には車を置きにきて
本社で事務処理をしていることが多く
帰る時に挨拶を交わすくらいの交流はできた。
だから飲みに行くお願いもできたし
Aさんも車通勤じゃなくなったので
スケジュールに自由が効いた。
やっぱり私はこの日のことが忘れられない。
まずなんと言ったって
憧れのAさんとサシである。
今思い出しても顔が緩む。
そりゃ確かに一緒に飲んでくれと誘ったが
本当に2人きりとは思わなかった。
当日ギリギリまで
課長あたりも誘ってるかもしれない、と
疑っていたくらいだ。
Aさんは一応、妻帯者でもあるし。
お互いそういう気がなくたって
年下の女性部下と2人きりというのは
疑われる可能性だってあるし。
一応、Aさんは私よりも一足早く
会社を出た。
その後すぐ私も他のフロアへ挨拶をして
言われたとおり近くの交差点へ行くと
Aさんが待ってた。
そういえばあの日はとても寒かった。
私は冬用の厚手のジャケットの中に
パーカーも着た上で震えながら
Aさんの後をついていったっけ。
夜には大雨の予報も出ていた。
2人してお店を知らないので
15分ほど駅の周辺を歩き回って
結局チェーン店に落ち着いた。
私はお酒が飲めないし
一応若い女の子という配慮から
赤提灯のお店を避けてくれたけど
Aさんと飲めたらどこだって良かった。
私の目的はAさんの話を聞くことなので。
話をした内容は、1年経った今でも
よく覚えている。
っていうか忘れないように帰りの電車で
全部メモに残しておいて
事あるごとに読み返していた。
特別な話はしていない。
Aさんが会社に対して、社長に対して
当時思っていた事(つまり愚痴)とか
仕事に対する考え方とかをひたすら聞いた。
酒が飲めない上に
自分からあまり話もしない私と
2人っきりの状況は
さぞかし気を遣わせただろうな。
社長からAさんへの嫌がらせに
私が巻き込まれた一件について
「自分の保身のために
ペッターちゃんを踏み台にするのは
許せねぇよな。
オレ、嘘吐きなヤツ大っ嫌いなんだよ」
と声を荒げて怒ってくれた。
それとか
「若い人たちが気持ちよく働ける環境を
作るのがオレら年寄りの役目だから。
それでオレ、ここ入社してすぐに
常務(この時の私の上司)と
やりあったことがある。
常務にそう言ったら
『本気でそう思ってるんですか?』
って言われてさ。コイツダメだなって」
とか。会社じゃ絶対聞けない話だ。
他の人からこんな話を聞いたら
「口ではいくらでも言えるけど」
と冷めた目で見てしまうが
Aさんの場合、それまで私にしてくれた態度が
この発言をしっかり裏付けていて
言われなくてもそういう人だと思ってたので
とても説得力があった。
一般的に言ってしまうと
酔った上司の面倒な説教のようだけど
憧れの上司の言葉となると
受取方が全く変わるから面白い。
Aさんのこういう話を聞けて
本当に良かったと思っているし
Aさんがずっと
好物の唐揚げとビールだけで
2時間過ごしているのを
目の前で眺めているのも幸せだった。
こっちが気を遣って
野菜とかを取り皿によそうと
「ペッターちゃん食べな?
オレは余ったら食うから」
と言った。残飯処理班のお父さん・・・。
お会計の時になって
「今日は私が払います!」
と意気揚々と財布を取り出すと
「いや、いい、いい」
と案の定さえぎられた。
「今日は私がお誘いしたんで
出させて下さい」
と懇願するも
「そういうのオレだめなんだよ。
そういうのやられると・・・
もう絶対、次はねぇよ」
と言われたので流石に
「じゃぁ・・・・・・・
そう言われてしまうと・・・・
払えないですけど・・・・・・」
とションボリ引き下がる。
Aさんは楽しそうに
「あははははww」
と笑って奢ってくれた。
この時の私は
引き下がったって多分次はないのに
と内心思っていたけれど
未だにAさんと付き合いがあるのは
本当に有難い話だ。
お誘いした時は吐きそうなほど
緊張したけれど
機会を作ってもらって良かった。
勇気を出してなかったら絶対今でも
後悔してたと思うし。