大学を卒業してから
数年間フリーターだった。
夜にゲーム屋のバイトをしていたが
お金を貯める目標があったので
昼間も働いて掛け持ちをしようと考えた。
(結局、お金は貯まらなかった)
そんな話を母にしたら
ちょうど手元にあった
無料の求人情報誌をめくりながら
「事務のバイトとかしてみたら?」
と言ってくれた。
その頃私はアルバイトで
接客業しかやったことがなく
事務職は絶対無理だ、と思っていた。
しかも情報誌に掲載されていたのは
貿易会社の経理事務アシスタント。
経営学部卒なので簿記の授業は受けたが
経理の「け」の字も知らなかった。
私「未経験で雇ってもらえるのかな」
母「とりあえず面接を
受けるだけ受けてみたらいいじゃん」
まぁ、仰る通り。
母は商業高校出身で
珠算や簿記の資格を持っている。
経理志望だったらしいが
配属に恵まれず経験を積めないまま
この年齢になってしまったのだと
話をしてくれた。
で、経理は専門職だから若いうちから
やっておいて損は無いと。
そんな後押しもあって
ダメ元で面接を受けに行った。
初めて「会社」という場所に
足を踏み入れて
スーツの男性と面接をする。
そのあとに簡単なテストとして
パソコンの前に座らされて
文字入力やエクセルの操作を
指示された通りに行った。
文字入力の速さには自信があるので
多分そこが評価されたのだろう。
すんなり採用が決まった。
週2回、木曜と金曜で
勤務時間は9時~15時だった。
ずっと夜働いて朝寝る生活だったので
朝起きなければいけないのが
とにかくつらかった。
もちろん、前日夜もバイトだし。
毎回、会社の下の自販機で
ブラックコーヒーを買って
あまりの不味さに顔をしかめながら
眠気覚ましに飲み干すも
業務中にウトウトしてしまうことが
結構あった。
で、15時に終業して
家に帰ったらまたすぐ今度は
夜のバイト。割としんどかった。
とはいえ眠気に耐えながらも
一生懸命仕事はしていたし
怒られることは無かった気がする。
ていうか、職場の人が
本当に良い人たちだった。
面接をしてくれたスーツの男性は
経理部長?のお偉いさんだけど
面倒見が良くて落ち着いた人だった。
眼鏡をかけた女性は
寡黙で物言いはしっかりしてるが
ちゃんと褒めてくれる人だった。
私の教育係として
1番関りがあったおばちゃんは
ユーモアセンスがあって
フレンドリーに接してくれた。
職場環境が良かったのもあって
あれだけ苦手意識があった事務職も
案外やりがいがあって楽しいな?
と思えるようになり
1年後、フリーターを辞めて
就職を決意するきっかけになった。
その際も経理部長は
「うちも社員募集してるから
興味があったらおいでよ。
ただ、経理じゃなくて貿易事務だけど」
と声をかけてくださった。
他の部署に行って万が一環境が合わず
経理部長に迷惑をかけたら嫌なので
この話は丁重にお断りした。
私は今回転職活動で
経理の道を進むことを選んだが
そのきっかけも
この経理事務のバイトが影響してる。
私の人生を変えた職場だった。
教育係のおばちゃんには
最終日に連絡先を聞いて
辞めてから半月後に
ご飯へ連れてって頂いた。
それ以来6年間お会いしてなかったが
転職に伴い職場が遠くなるので
その前にまたお会いできないか
と連絡してみた。
二つ返事でOKをもらえて
今夜6年振りにお会いする。
たかが1年半しか働いてないバイトなのに
いまだに付き合ってもらえて凄く嬉しい。
楽しみだなぁ。