マルチプレイヤー | ペッターの話

ペッターの話

誰も見てないと思いながら書いてる

前にもこの話題で

書いたような記憶がある。

 

マルチプレイヤーに憧れている。

つまり、複数の楽器を

巧みに操る人に憧れている。

 

マルチプレイヤーという存在を

知ったのは高校生の頃だった。

馬のお面を被って

1人で多重録音してバンドをする

動画をあげている人がいた。

そんなことが可能なのか、と

衝撃を覚えたと同時に

その人が私と殆ど年齢差が

無かったことにも衝撃だった。

 

ああいうのを天才というのだろう。

彼は今、プロの音楽家になっている。

 

私は小学生の頃

5年間ピアノを習っていた。

小学校高学年には

トランペットに出会い

中学・高校でも部活で吹いた。

そういう意味では私も

複数楽器を経験していたが

彼のような

マルチプレイヤーになりたい

と強く思った。

 

同じころ、藤岡藤巻にハマって

ギターを始めた。

大学生になりアルバイトをして

弟とお金をあわせて

電子ドラムを買った。

環境だけは整っていた。

しかし、重大な欠点があった。

 

私は練習が嫌いだ。

 

加えて、自分で言うのもなんだが

ちょっとやるとある程度

それっぽいことができてしまった。

 

ギターは藤岡藤巻の楽曲を

それなりに弾き語りできるようになり

満足してしまった。

ドラムは、小学生の頃から

ボールペンで積み上げた漫画を叩いて

遊んでいたおかげか

曲に合わせて適当に叩く程度はできた。

 

誰かとバンドを組んだ経験もないので

自分がやりたいことをやるには

これで十分だった。

 

その結果、1つもしっかりと

練習することなく

今日まで来てしまった。

 

全部が中途半端。

ピアノは習っていたけれど

遥か昔なので難しいことはできない。

ギターはコードのジャカ弾きはできても

ソロギターや単音弾きはできない。

ドラムは安定しないし手数も少ない。

ベースは自分で持っていないのもあって

単音を追うのが精いっぱい。

トランペットは部活を引退したあと

吹けなくなった。

 

憧れていたマルチプレイヤー像とは

ずいぶんかけ離れたものに

なってしまった。

 

だから、先日の配信のときのように

藤岡さんから

「ペッターちゃんはマルチプレイヤーで

楽器なんでもできる」

と言われると、全力で反論したくなる。

むしろそれが

コンプレックスでもあるからだ。

 

家族が全員音楽をやっているので

親の知人に会うと

「娘さんは楽器何をやってるんですか?」

と聞かれることがよくある。

そうすると、何も答えることができず

説明するのも面倒なので

「私だけ何もできないんですよ」

と答えて会話を終わらせている。

素直に

「何でもやります」

と言ったらお世辞でも

「すごいですね!」

と返ってくるし

自慢しているように聞こえてしまうが

実際はすごくもなんともない。

ただの根気がない人間の末路だ。

 

という悩みを、誰にも理解してもらえず

ずっと抱えて生きていた。

 

先日、元上司Aさんと飲みに行ったとき

せっかくの機会なので

「好きな音楽はなんですか?」

と仕事以外の話を振ってみた。

するとAさんは学生時代に

BOOWYにハマって

ギターをやっていたそうだ。

(表記違いは許してほしい)

しかし、後から始めた同級生に

あっという間に抜かされたので

ベースへ転向した。

その後組んだバンドでは

ベースも自分より上手い人がいたので

ドラムをやっていたそうだ。

 

思わず私も

「なんでもできて凄いですね!」

と言ってしまった。

するとAさんは全力で否定した。

「違うんだよ、全部中途半端なだけ!」

 

Aさんが普段決して自分から

楽器の話をしないのは

私と同じようにコンプレックスを

抱えていたからだったのか。

「できるなんて程のものじゃないから

ほんと恥ずかしいんだけどさ・・・」

とAさんは目を逸らした。

私もBOOWYが好きだし

もっと突っ込んで質問したかったが

その恥ずかしさはよく分かるので

それ以上は聞けなかった。