常識とは | ペッターの話

ペッターの話

誰も見てないと思いながら書いてる

職場の同僚が異動になった。

 

私が現在の職場に異動したのが2月。

3月中頃から、4階で働いていた彼女が

2階で一緒に働くようになり

机を向かい合わせにして

2人っきりで毎日一緒に働いた。

 

彼女は私の1個下で

入社したのが私の1~2年あとなので

どっちの意味でも後輩である。

派手な髪色と

ガッツリしたメイクと

胸元の開いた洋服を着ているような

いわゆるギャル系の子なので

寝癖で髪の毛が跳ねて

化粧もせず

Yシャツのボタンを1番上まで閉めている

私とは完全に真逆の子だ。

 

こんな子とやっていけるんだろうか。

正直最初は不安しかなかった。

しかしギャル、というか陽キャは

コミュ力に長けているので

こっちが話をしなくても勝手に話してくる。

 

私はコミュ障だが

2人きりでこれから働かなければ

ならないのだから

少しでも関係が良好なほうが

お互いにとって良いだろうと考え

背伸びして交流を心がけた。

 

そんな努力に疑問を持ち始めたのが

一緒に働き始めて1ヶ月が経った頃。

ゴールデンウィークに入る前

あたりだっただろうか。

 

この子は、なんだかおかしいぞ

と思い始めた。

 

彼女は現在の上司である

Bさん(仮)と仲が悪い。

働いているフロアが違うので

基本的に顔を合わせることはないが

業務上、関わる必要が出てきた際に

異常な程おびえる様子を見せ

1度ややキツく言われた際には

今にも泣き出しそうな様子だった。

さすがに見かねた私は

以前の事務所の元上司である

Aさん(仮)に事情を話した。

 

というのも、Aさんから内密に

彼女を私の前の事務所に

異動させたいという話を聞いていた。

Bさんと働くのが嫌そうなので

もしかしたら異動したほうが

彼女にとって良いのでは、と思い

Aさんに事の顛末を話した。

Aさんは私からの情報は伏せたまま

翌日早速、彼女に異動の打診をした。

 

それに対して彼女は

「通勤時間が伸びるので嫌だ。

異動するのであれば

通勤時間が伸びる分

給料を上げて欲しい」

と言い放った。

伸びるといっても30分程度で

通える場所だ。

なにも2時間かかるわけじゃない。

 

異動を断るのは個人の自由だ。

(いや、普通断らないけど)

しかし、そんな理由で断って良いなら

私だって異動したくなかった。

嫌々異動してきたばかりの私を目の前に

よくそんなことが言えるなぁ。

 

自分もおせっかいだった、と反省したが

この頃から違和感がずっとあった。

 

その違和感は、日を重ねるうちに

段々と増していった。

 

出社して、始業時間が過ぎても

平気で朝ごはんを食べている。

1時間に1回くらいのペースで

スマホを持って6階へ行く。

(6階にはトイレ以外何も無い)

6階に行って暫く戻ってこない。

戻ってきてもずっとスマホをいじる。

酷い日は午前中にほとんど

パソコンを操作する音が鳴らない。

昼休みは音を出してアニメを観る。

私が仕事していようが

客先からの電話を受けていようが

おかまいなしに音を出す。

納豆やカレー、にんにくラーメンなどを

平気で食べる。

1時間きっかり休んでから

トイレに行ったり弁当箱を洗う。

外部の人からの電話に平気でキレる。

最悪、相手が喋っていても電話を切る。

フォルダに分類されたメール以外見ない。

2日前に自分で受信した電話の内容を

覚えていない。

片耳イヤホンで音楽を聴きながら

仕事をしていて

身体を揺らしたり、たまに歌いだす。

自分の引っ越しの手続きの電話や

友達からの電話に、自席で出る。

しかもスピーカーフォンで出る。

定時になると他のフロアで

働いている人へ挨拶せずに帰る。

昼に食べたカップ麺のゴミや

飲み残したペットボトルを

そのまま置いて帰る。

 

毎日、毎日、我慢の連続だった。

私の方が先輩ではあるが

この事務所では私は新入り。

これがここでのルールなのか、と

ひたすら耐えた。

 

それに、今までの事務所で

私は日中ほとんど1人で働いていた。

社会人になってずっとそうだったので

社会の常識というものが

よくわからなかった。

いや、常識的に考えて

これはおかしいだろうと思っていたが

彼女だって新人ではない。

今までこれが許されていたのなら

これがここの常識なんだろう、と思った。

 

それはそうと、毎日朝から晩まで

この状態ではストレスが凄まじく

段々彼女と話すのが嫌になった。

一時期は視線を合わせるのも嫌になった。

受け答えのテンションが

とても低くなった。

それを察してか、彼女もあんまり

話しかけてこなくなった。

 

帰宅して何もできない日が増えた。

かろうじてご飯だけは食べて

そのまま布団へ倒れこんだ。

そのくせ日曜日の夜は

明け方まで眠れなかった。

 

本来であれば上司である

Bさんに相談するべき内容だが

前述のとおりBさんは彼女と仲が悪い。

話をしたら余計こじれることが

目に見えていた。

もう1人、年上の営業さんがいるが

相談できるほど親しくない。

経理のおばちゃんは

入社してまだ半年だから

話しても仕方が無い。

社長に直接話すようなことでもない。

となると、元上司のAさんか・・・。

と、最後の手段でAさんに

「お話したいことがあります」

とお願いをしたが、結局

別の事務所の人に話をしてどうする

と思い、断ってしまった。

 

誰にも話す事ができないまま

半年が過ぎた。

ワクチンの副反応に備えて

久しぶりに取った有給休暇のあと

出社をしたら事態が大きく動いていた。

Bさんと彼女がゴミの件で揉めて

彼女がAさんへ異動希望を

申し出たようだ。

たまたま別件で社長と面談があり

彼女の業務の話になったので

愚痴にならない範囲で

私も溜めていたことをお話した。

翌日には辞令が出され

一昨日、彼女は私が前にいた事務所へ

荷物と一緒に運ばれていった。

 

色々なことが明るみに出たあと

経理のおばちゃんとも話をした。

「よく耐えたね、可哀想に」

と同情された。

自分の常識が間違っていたわけでは

なかったようだ。少しホッとした。

 

今後彼女の上司になるAさんは

私が最も信頼している大人の1人だ。

Aさんが業務を監督すれば

さすがに彼女も好き勝手はできないだろう。

しかし、そう簡単に業務態度を

変えることができるとも思えない。

何故なら彼女に悪意はなく

それがさも当たり前のように

振舞っているからだ。

Aさんは基本的に温厚で面倒見が良いが

彼女が異動したあと

2人きりで話をした際に

「どうしてもダメだと思ったら

辞めてもらっても良いと思っている」

と仰っていた。

行動を改めなければ彼女には後が無い。

そのような危機的状況だと

果たして彼女は理解しているのだろうか。

 

そして、もしその時がきたら

彼女はこう言うだろう。

「だったら最初からそうやって

言ってくれれば良かったのに」と。

 

言ってもらえるうちが華。

今回の一件で、深く肝に銘じた。