左から3番目のハンマーを打弦すると

動画では少し分かりづらいですが

微妙に左右に揺れます。

音もおかしなパチって音が混ざっているような

2番目、4番目の音も打弦時のアタック音は有るのですが

それとは種類の違う

全打弦のパワーが弦に伝わっていない感じが

お分かり頂けますでしょうか


原因はハンマーの根本の支点部が

緩んでいるのですが

それはフェルトの弱りというか

縮んでしまう原因と擦り減りの原因に因るものです


修理は心棒のピンをやや太い物に抜き変える方法が一般的

フェルトと両方交換する技術者は余り居ません

そこまでやるなら手間がかかり費用がかかりますので


しかも、この3番目のハンマーだけでなく

約10箇所ほど問題のある動きをしていました。

更に言えば、また来年も10箇所ほど更に発生しそうな予備軍が有るように見えました


このピアノは国産品ですが

ヤマハでも河合でもありません

作られてから50年程経過しています。

ハンマー交換や弦交換の時期ではあるのですが

ユーザーさん全てが応じて頂ける訳ではありませんので

今の状態の中でのベストを目指して調整します


音も作業に取り掛かった時は

もっと音量にバラ付きがあり

出の悪い音とキーンと金属的な音にバラけていました


余りソフト系な音にシフトすると

音量が出ず、元々このピアノの目指す音とも乖離します。(乖離って難しい字だなぁ)


もっとも中央部はもう少しソフトに仕上げましたが、、、

メロディーを奏でる、中高音域はこの音質でまとめました。


更に鍵盤の左右ガタを小さくしてやるのも(主に白鍵)

こういうタイプのメーカーのピアノを整える際の重要なポイントです。高級感が復活してくれます。


ハンマーのブレは

まぁ少しずつでも修正して行くしか有りません。


調律作業って、音合わせだけでなく

色々やっているのですよ。