音楽教育のニーズがどんなところにあるのか、
教室を動かしていると、そんなところを気にしたりしてしまいます。

特に今どきのような新学年に移行する季節というのは、
習う側も教室探しをしだす時期なので、
習い事の類は「新入生募集」の広告を打ちまくりです。
 
私もこの春は、お問い合わせを何件かいただいています。
 
ただ、困ったことに私があまり得意としない幼児が多い。
教室選びをし出す年齢が、ずいぶん下がってきた兆候なのかと感じていますが、
その年齢層を教えるスキルが低いのが悩みです。
 
そこで図書館へ行き、幼児期の指導について少し本を読んでみたりするわけですが、
おそらく私にはこのあたりの時期の教育について、「自由に学ぶ」みたいなことが
テーマになっているのだろうと、自分なりに思うわけです。
考え方はわかっても、その方法みたいなものは結局自分で作り出していかないといけない。
 
そして、幼児を自由にさせても、親から見るとただ遊んでいるだけに見えてしまうかもしれない。
ましてや、親が子供のころに厳しく学んできた人だったりするとなおのこと。
そうすると「この教室はだめだわ」となってしまう・・・
 
一方で元保育士さんの生徒さんからは
「先生の子供との接し方は素晴らしい」などとも言われる。
 
んーなんじゃこりゃ。
 
様々な考え方を持った家庭があり、そのどこにも当てはまるようなやり方ってありません。
自分が得意とする分野にできるだけ力を注いで、それ以外のところでは
「力不足でごめんなさい」と思いつつ、一生懸命に向かい合うしかない。
 
そう思いながらやってはいますが、
でも、ニーズとのズレというのはやはり悩んでしまう。
 
教育に全身全霊を注ぐという覚悟を決めれば、
自分の不得手な分野にもアンテナを張る時間が生まれるのだけど、
勝手なことにまだ演奏の方も勉強したいし、人前で演奏することも本気でやってしまっている。
(その演奏を通じて素敵な生徒さんとの出会いもあります)
 
二足の草鞋、このままでは草鞋がボロボロになるかもしれない。
と思いながらこの5年は教室のやり方を少しずつ変えて、
やっとこ少し効率的に回せるようになりました。
が、やっぱり新しい生徒さんを受け入れられる力というものは
そう簡単には得られないものですねぇ・・・
 
自分が学ぶことも、教室を動かしていくことも
広くあまねく行うのは大変難しいことです。
昨日はややお固めな理想みたいなことを言ってみました。
今回は生々しいことを書いてみます。
前回書いたようなことを大切にして、毎日を生きています。
 
が、
 
音楽家という道を選んだ以上、それで食べていかなくてはならないことは、
現実的に意識しなくてはなりません。
百人いれば百通りの音楽家の歩みがありますが、その中で私は「弾く、教える」という、
まぁピアノ科出身者の多くが考える道を選んだわけです。
 
自分の力量なり特技なりが、演奏家や指導者としてどんな程度のものなのかは、それぞれが歩みながらに感じるところで、私も10年以上になった今日も未だに探り探り進んでいます。
そして、それが世の中でどのような役割を担うことができるのだろうかと考えながら、
楽器に向かい、生徒に向かっています。
 
・・・ここがフリーランサーに必要な「マーケティング」なんでしょうね。ちょっと違和感ありますけど。
 
かくかくしかじか(省きますが)そうしてやっと11年生きてきました。
 
で、音楽教室を主宰(経営)して、自分自身が指導者として立つということの中から、
今回はちょっと現実的なお金の話に触れてみようかと。。。(確定申告の季節ですしね)
 
一説では「ひとつの事業に対して家賃としての支出は売上の20%未満が適正」と言われたりします。
まぁこれは業種によっても、やり方によっても大きく考え方が異なりますから、
これに当てはまらなくては成立しないということでもありません。
 
しかも、自宅の一室を使って行うケースが多い私のような音楽教室は、
家賃というものをどう考えたらよいのやら、あいまいに考えている方も多いのではないかと。
 
私の場合、実家の一部を使わせてもらっています。
家にはまだローンが残っていますから、それは私が払いきるという条件で。
おおよそ家全体の3分の1が教室関係で生徒が出入りしている部分です。
たった一部屋のレッスン室なのに、いかに小さな家かがわかりますね。
 
部屋の広さや駅からの距離から考えると、10~15万くらいのテナント相場でしょうか。
防音設備完備ですしね。
これを先ほどの20%にあてはめると、月商で50万以上の事業であればギリギリ適正となる。。。
 
うーん・・・足りないな。
 
防音室(または音を出して問題ない環境)で、
かつ事業として使っていい空間を、10~15万円で借りられたとしても、
家賃だけで20%を超えてしまいやすいのが、私の音楽教室の実態です。
 
しかもこれはいわゆる「建物にかかる管理費」を除いたケースです。
テナントとして借りれば、ここに管理費が発生します。
 
個人の家でも実際にはかかっていて、数年に一度の外壁の塗り替えで100万円前後、
トイレや空調、照明などのメンテナンス・交換に数年に一度20万円前後、
建具まわりのメンテナンス等々、建物を維持していくために必要なお金は、
年間で20万円前後を見ておかなくてはならない。
 
うーん、ますます足りていないな。
 
ここからは細かいお話を省いてもご想像されると思います。
 
で、結局何が言いたいかといえば「普通にレッスンをしていてもさほど儲からないかもしれない」です。
 
例えば子供のレッスンに絞って考えたとき、レッスンとして稼働できる時間数は、満杯にして
平日で4~5時間、休日で8時間程度ではないかと思います。
平日に一日休みをとったとして、
平日×4日=20時間 / 休日×2日=16時間
 
満杯でも週36時間くらい。もし1時間を2000円で働いちゃったりしたら週72000円、月商たったの288,000円!
 
だから相場が下がらないのは仕方がないのです。
だって、ここにさらに楽器の購入費や管理費、教材費などもかかって・・・
 
ピアノのレッスンはそれなりにお金がかかる。
 
でも現実には「お月謝は1万円以内」という考え方の方もいます。
これに応えるために30分レッスンにしてみたり、月の回数を調整してみたり。
 
もちろん条件に即して教える内容を構築して、スケジュールを効率的に組んで、
そうやっていけば儲けることもできます。
 
ただ、こういう制限によって「本当は教えたいこと」「本当は伝えたいこと」が
どのように変わる可能性があるのか、そこをよく考えておきたいです。
制限によって教えたいことが薄まるくらいならまだしも、方向を変えてしまうようなことにならないように、
そこが難しいところだと感じています。
 
また、効率的な稼働には、それ相応の手間がかかります。
レッスンの内容とはおよそ違う、事務的で煩雑な業務です。
それを逐一こなしながら、質の良いレッスンを保つ。これって私にとっては地獄です。
 
だから貧乏なんですね。。。
他の経費をアウトソーシングしないことで、なんとかやりくりはできていますけど。

自分の「事務能力」と「レッスンに対するモチベーション」のバランスは、
この先もずっと変化していきそうです。。。
このブログをどんなことから書き始めたらよいか数日悩んでいました。
自分の体験を書くにしても、どんなことから?
音楽教室業界の現状を書くにしても、必ずしも的確に書き記すのは難しい。
 
ということで、11年くらい生徒と向き合ってきて、
『あーやっぱりこういうことだったんだろうな』と感じたことから。
 
少子高齢化。
 
どこでも騒がれていることですが、音楽教室業界ももれなくそれに当てはまっているのだと思います。
大手の教室が「大人向け」のクラスを盛んに宣伝したり、
様々な楽器のビギナークラスが続々立ち上がっています。
 
一方で、音楽家という職業の実態がすこーし一般にも知れてきたからでしょうか、
それとも世の中の空気が変わってきたせいでしょうか、
音楽を専門に学ぼうとする人の指導者の選び方も変わってきているように感じます。
 
ただ、子供が音楽教室に通う割合が著しく減っているのかというと、そうでもなさそうです。
少なくとも私の教室では年間を通してちょこちょことお問い合わせがありますし、
生徒に聞いても、小学校のクラスでピアノを習っている子はそれなりにいるそうです。
というあたり、ここからは「ある一定の割合で音楽教室に通う子供はいる」という前提で。
(書き出しが長い)
 
音楽家を目指そうと考えて門をたたく生徒は、その目的や学びたいことがわかりやすいです。
指導者側にその子を育てるだけの技量や知識、経験などがあれば、レッスンもある段階まで順調に進みます。
 
一方で、音楽家を目指すわけではないけれど、音楽教室に通わせようと思う方々。
 
その動機は「音楽を楽しめるように」「ピアノを弾けるように」などなど。
こういった想いにも、指導者はそれに応えようと思うはずです。
 
ここで少し問題になるのが、「音楽を楽しめるように」ということが
いつ楽しいのかということかもしれません。
習っている「今」が楽しいのか、「将来にわたって」楽しめるのか。
 
もしこう尋ねたら、おおよその場合は後者を答えるでしょうし、
教える側も一時の楽しみだけで終わるようなことを学んできているわけでもありませんよね。
 
だったら、どうすれば音楽を将来にわたって楽しめるようになるのでしょうか。
 
これこそが、それぞれの先生が思い伝えるものではないでしょうか。
指導者自身が、長く音楽を学び、関わり続けた理由こそが、この答えになるものだと思います。
音楽が、演奏芸術が自分にとってどんな価値をもっているのかを感じ、
音楽がもたらしてくれた楽しさを、豊かさを実感しているのは、指導者自身のはずです。
 
仕事柄、ほかの音楽教室の宣伝や、大手の教室の話を耳にする機会も多いですが、
残念ながらそういったことから離れ、イベント的な楽しさに偏っていたり、
試験や競い合いの世界で勝ち抜くことを売りにしていたり、
はたまた技術を磨くことばかりに偏る教室が増えているように思います。
 
また、受講者側もそういった目先の「結果」に左右され、
即席の結果を求める傾向が強くなっています。
コンクールの現場にはまさにそんなような空気がムンムンと漂い、
何か音楽の本質からかけ離れたような演奏が
ものすごく巧みなお化粧によって奏でられているケースも多々見受けられます。
 
音楽家自身が長い年月をかけて受け継いできた芸術を、中身をどこかへ放り投げて
商品化することは、受け継いできた大切なものを時に捻じ曲げてしまいかねません。
指導者はその自覚をもち、正しく、大切に指導をしてほしいと、
自分自身への戒めの意味も込めてここに書きました。

・・・はてさて、こんなお堅い文章、このブログは今後どうなるのだろうか。
 
※ここに記したことはあくまでもひとつの見解であって、何かを批判する目的はありません。

ブログを立ち上げてみました。ピアノスケです。

 

ピアノを弾いたり教えたりしていますけれど、

ただの個人事業主で、職業欄は「自由業」または「自営業」とマルをつけるしかない人です。

 

ピアノ教室のある程度の「教育産業化」は致し方がないことだと思っています。

でも、教室や講師の利益のために、本来伝えなければならない音楽が

ゆがめられてしまっているように感じるケースもあります。

 

そんなことをムムムと思いながら、自分の教室を11年ほどやってきたので、

このあたりで何か適当に書いてみようかな。という程度のブログです。

 

これから講師になろうとしている人、教室を開こうと思っている人、

すでに運営されている方などなど・・・

ちょっとした交流ができればなお嬉しく。