私は一応『音楽家』という職業を名乗っています。名乗るだけならタダなので。汗

でも、日々のほとんどの時間はレッスンをしていて、
その他はピアノの練習をしたり、音楽を聴いたり本を読んだり、
歩いたり走ったり、ストレッチしたりしています。
毎週のように演奏会で弾いているわけではありません。
演奏は年に数回からせいぜい15回です。

だから、お金を稼ぐ大半は『音楽教室の先生』です。

比率で考えれば、職業は『ピアノの先生』だと思います。自分でもそう思うときがあります。
でも確定申告の職業欄は『音楽家』です。

書いてて笑えてきました。
すごいプライドの塊みたい。
そんなことどうでもよくって、まあ言葉の遊びですよ。

で、本題は私が『指導者として学ぶべきこと』とは?なのです。

先ほど書いた通り、私の仕事のほとんどはレッスンをすることです。なので、指導をするために学ぶことが何かありますね。

その代表的なものが『指導方法』
一言に指導方法と言っても、レッスン手段としての方法だったり、ある目的を達成させるためのプロセスの分析だったり、教育心理学みたいなものだって、指導方法です。

正直に言います。私、いずれもそんなに勉強していません。
自分自身がテクニックに悩んで、これまでに複数の奏法を勉強したので、これを元に生徒の状態を把握して、やや分析めいたことを考えて、必要なことを教えています。
だから『こういう方法で教えたら良いのです』みたいなのは習ったことがない。

教育心理学みたいなことは、図書館で児童心理みたいな本を多少参考にしている程度。

よく『生徒をやる気にさせる○○法』みたいな講座をみかけますから、
生徒との関わり方みたいなことを分析して、実践方法を研究している人もいるのだと思いますが、
幸い私の生徒さんたちはそこまで分析しなくても、私が普通にしていても話を聞いてくれますし、やる気です。

ということは、私は『指導方法』を学ぶ必要がないのか?

.....うん、それも違うと思う。
また次回。
「塾の予定が変わっちゃったので~」
「プールの曜日が変わりました~」
「新しく通い始めた英語塾の~」
「部活が~」
 
( ゚Д゚)
なんでこうもピアノの予定は後回しなの!?
ましてや一対一のレッスンなんだから、
レッスンできる時間に限りがあることくらいわかるでしょ。
分身できましぇん、とでも言えというのか!
 
数年前の私の脳みそからのメッセージです。
もちろん、今でもこう思ってしまう時もあるのです。
急に「来月から変えてください」みたいなお申し出をいただくこともあるので。
そうすると生徒さんが帰った後で、部屋でぶつぶつと独り言がはじまります。
何十回も舌打ちしながら。
 
でも、それもずいぶん少なくなりました。
まずは、このスケジュール問題に対して、私がやらなくなったこと。
 
①生徒の希望をこちらから積極的に尋ねない
昔は2月前後に「希望票」を提出してもらっていました。

でも必ず『ココシカダメデス派』『ココ以外ナラ派』が出るんですよ。
ココ以外ナラ派に融通してもらって成立するスケジュール。
ココシカダメデス派にイラっとする。
 
・・・でもよく考えたら、どんな状態であれ、
融通してもらえる生徒さんがいなければ、スケジュールが成立しない。
だったら、融通してくれる人もそうでない人も、なにもそれを表沙汰にしなくたって良いじゃないか。
 
まず融通してくれる人に希望をうかがって、それに近いところにいれますよ~ってお伝えすれば済む。
そうしたら、少なくとも不満はもたないだろうし、そういう方は都合があまりよくなければ
実に丁寧な配慮をしてこちらに状況を尋ねてくれる。とても、とっっってもありがたい。
 
で、ココシカダメデス派の人は、尋ねなくても希望を言ってくるわけです。
こちらから皆さんに状況を伺っていない状況があれば、
「あ、そこはレッスンが入っているところなので、ご協力いただけるか聞いてみますね。
でも他の方のご都合もあるので、他にどのあたりなら何とかなりますか?」
みたいに会話をしています。
そうするとね、なんか出てくるんですよ。「他の方」とか「ご協力」という言葉がいいのかも。
そして『自分の方から変えてほしいと頼んでいる』という状態が、お互いの配慮を意識させているのだとおもいます。
 
②生徒さんの不公平感を意識しない
何派の生徒でも、生徒は生徒。
「この生徒さんは今伸び盛りだから」とか、
「こんなにも長く通ってくれてありがとう」とか、
「この生徒さんは少しこちらが融通してあげないと来られる日がなくなってしまう」とか、
 
まぁそんなことで、スケジュールを少し優先的に確保する人を数名決めます。
この数名がスケジュールを組む軸になるわけです。
見方によっては【優遇】ですね。
いいんです、優遇して。公平になんていうのは、人が違えば感覚も違うのですから。
 
③「ダメ」と「無理」はできるだけ言わない
ダメとか無理という言葉は、とても否定的にとらわれやすく、誤解が生じます。
『ん~~難しいかもしれないです』あたりの言葉を、田村正和風に言うくらいがちょうど良い。
 

なんでこんなことを書いたかといえば、
スケジュール調整でイライラするのは無駄だからです。特に若い先生方。
ダメなもんはダメだし、無理なもんは無理。
でも私がなんとか背負えばどうにかなる。
 
こう思ってストレスを感じているのは、きっと指導者側。
生徒側はもう少し気楽に言っているのです。生徒さんとしては『うちの子の予定がかわっちゃったから何とかなる?』くらいのノリかもしれません。大抵の場合はスケジュールの優劣があるわけでもないんだと思う。

だったらこちらも気楽に考えましょうよ。そうしているうちに、わかってくれる人も増えてきますから。
前回まで2回連続書いた、音楽教室に必要な経費ですが、
もちろんこれには賛否両論ありますよね。
 
これらがすべて賄えなければ、教室が運営できないわけではありません。
書いての通り、修繕や更新を見越した積み立ても含めて「経費」としていますから、
人によって考え方が違います。
 
私も教室を始めて5年はこんなことは考えませんでした。
いま自分の手元にあるものを活用すれば、生徒さんに指導ができる。
そう考えて、実際それでまわっていました。
 
でも、今は書いたような考え方で経費を算出して、レッスン料をいただいています。
正直、自分の未熟な指導に、こんなお金のことを考えてレッスンをするのは嫌です。
儲け主義みたいでなんだか感覚に合わないし、なにより自分が「教室経営」をしているなんて
そんな風に今でも考えていません。
 
でも、教室はその場所に根付くものです。
許されるうちは、その場所で継続していくことが、生徒さんに対するある種の責任でもあるかもしれません。
もちろん様々な理由から移転したり、閉鎖したりということはありえます。
それでも、長く続けられるようなベースの考えをもっていないと、
結果として生徒さんに十分なレッスンをしてあげられない。
今と同じ状況で自分の一生が進むわけではないのです。
 
また、私が考えているような経費を想定したとしても、
それを100%指導者として得ようとするかどうかは、それぞれの判断です。
私もこれを100%レッスン料だけで得ていません。
100%ではない残りの部分は、
指導することからではなく、他の音楽活動で補填しています。
 
教室経費に自分の生活費や将来への備えを考えたら
これくらい稼がなきゃ。
でも教室がこうだから、別の活動でこうやって・・・
 
いや、なんだかお金に追われて生きているような響きですが、
実際はそうでもなくて、結構楽しめています。
 
ただピアノ弾きの宿命、いわゆる「ピアノを専攻する音楽家」という職業は
大学講師にでもならない限り、正社員的安定感は得られません。
ですから、どうしたって自前でやる教室みたいなものに、活動の比重が大きくなる。
それは、今も昔も仕方がないことかもしれませんね。
前回の書き込みでは、教室の場所(設備)を維持するためのおかねを
ざっくりと考えてみました。
場所がなくてはできないことですからね。
 
で、それだけが教室にかかる経費かというと、実際はそうではないかもしれません。
教室を動かしていく中でかかるその他の経費とは?
 
◎教材費
教える対象によって微妙に異なってくるところですが、
教材費というものはある程度の見込みを立てておくものかもしれません。
「自分も使うし、それは教室の経費なんだろうか」と悩むのは、確定申告のときのはなし。
(それだって、指導者という立場とは別の軸を持っていれば良いわけで)

ここでは実際必要になりそうなおかねを考えています。
 
楽譜というのは、指導者がこれまで使ってきたものが基本になると思いますが、
それでも指導をするとなると新たに集める必要が出てきます。
たとえば、子供の指導をするときに、自分はバイエルを使っていたけれど、
生徒には合わなかったから他の物を用意する。とか
アンサンブル系の楽譜がもっと必要になった。とか
 
私の場合、予算と考えて月1万円を見込んでいます。
もちろんそれ以上になる月もありますし、ちょっと安定しているときだとゼロのときも。
これを超えた分は個人の支出だと割り切っています。
 
あとは筆記用具やらなにやらと、いわゆる消耗品の類ですね。
これもざっくり予算を立てます。

私はここに生徒用の記録ノートの代金なども含めて考えているので、
楽譜と同額を見込んでいます。
これで、年間24万円。
 
 
◎掃除にかかる費用
なにいってんだ?と思うかもしれませんが、これが結構大きい問題です。

複数の人が出入りする部屋は汚れます。
そして「清潔」の基準をどこに設けるかでこの手間が変わります。
 
私のところは、兄弟のレッスンの付き添いで乳幼児が時々部屋に来ます。
ですから、そこら辺の物をちょっとなめてしまったりすることも考えて、
毎日掃除機~ウェットシートでの水拭きまでを行います。
学生のころ食品を取り扱う接客業なんかもしていたこともあって、
もしかしたら「清潔」の基準がちょっと高めかも。
それなりに清掃の消耗品代がかかりますね。
 
◎非常時の対応に必要なもの
2011年の東日本大震災を経験してから、これはとても考えました。
あの時は、生徒の安全を確保するために相当気を張って、
でも安心してもらえるようにずーっと笑顔で接して。
本当に大変だったことを覚えています。
 
個人の教室だからと言って何も備えなくて良いのか・・・
色々対策しましたが、そこから常備することにしたものは、
 
・生徒一人、保護者一人分の、約一日分の食糧・水
・非常灯を3か所
・緊急地震速報器
 
おおよそこの3つです。
実はどれも一定のサイクルで入れ替えなければなりません。
まぁ3年ごとに10,000円くらいですかね。
 
◎楽器の更新
15年使い込んだピアノではじめた教室ですが、途中で楽器を増やしました。
もちろん自分の練習にも使う楽器ですから、すべてが教室のためではないとも言えるかもしれない。
でも、ひとつの楽器を複数人で使用するのと、一人のユーザーで使うのとでは、楽器の状態は全然変わります。

教室をやっているからこそ、楽器の更新時期が早まってしまうことも事実なので、
私は、目標として10年で100万円と考えています。

もちろん100万円で買える楽器を想定しているわけではありませんが、
生徒さんに良い状態で使ってもらえる楽器を提供することも、
教室を長く維持していくためのお金です。
 
◎見こしておくべきメンテナンス費用
私が教室を維持する上で「人を招き入れても恥ずかしくない部屋」にすることを心がけています。

先生によっては、ピアノさえあれば生徒さんが待機する場所なんて関係ないとか、
綺麗だろうが汚かろうが、そんなことはレッスンとは関係ございませんと考えるかもしれません。
でも私は、せっかくいらしていただくのに、あまり心地よくない空間なのは気がひけます。
また、心地よければ演奏も気分が乗るかもしれない。
 
部屋や生徒さんが出入りする空間を綺麗に保つためには、
ある程度の年数で壁紙の張替えだったり、照明機器の入れ替えだったり、
空調の入れ替えだったりという、普通の生活スペース以上のメンテナンス費用がかかることを
見こす必要があるかもしれません。
たとえば5年で50万円だとしたら1年で10万円。月にして1万円に満たないですが、
これも必要な経費に入れておくように考えています。
(管理費というところと若干被る項目もあるので
それぞれに最低限のものなのか、プラスアルファのことなのかを分類して考えています)

考えれば他にも色々思いつくかもしれませんが、これくらいにしておきましょう。
 
さぁ月額で考えてみます。
 
教材費20,000円+清掃費1,000円+非常対応860円+楽器更新8,333円+メンテナンス8,333円
おおっ38,526円!たかっ!
前回あげた設備面での費用180,833円と合わせると・・・
219,359円 大体22万
たった一つの部屋を音楽教室にするには、ずいぶんと高い経費に感じます。

つづく・・・
前回の書き込みを読み返してみると、
結局なんだかよくわからないことになっている…
ごめんなさい、やっぱり文章を書くっていうのは難しいものです。

で、前回は様々な層の一例を書いてみたわけですが、
指導者側の背景というものも実際はあるわけですね。
指導者という立場にも、そこにどんな活動が伴うか。
演奏家として生きている(歩み続けている)指導者もいれば、
指導一本に情熱を注ぐ指導者、教室を大きく経営する指導者、
弟子をネットワーク化している指導者などなど。
 
それぞれの立場や背景によって考えることは変わりますが、
今日はピアノ教室を、個人が開く際の「経費」の考え方の一例を。
前に書いたことともかぶります。

<場所を維持していくのに必要な費用>
まずピアノ教室を開くには場所が必要です。
自宅の一室なのか、テナントを借りるのか。

テナントを借りた場合は明確で、初期費用とテナント家賃、光熱費が場所にかかる経費。
一方自宅の一室の場合、地域のテナント相場と比較してみると良いかもしれません。
同じくらいの立地で、同じくらいの広さのところの相場(例えば賃貸マンションの賃料とか)を
比較してみましょう。
 
でも実はここに落とし穴があります。
まぁ教室を営業して良い物件とそうでない物件では賃料に差があることもそうなのですが、
それよりも大きな問題は、一般テナントとは設備が異なるわけですね。

音楽教室を開くということは、音の問題がクリアされているという条件が必要です。
そのために、防音室になっているとか、空調設備が整っているとか、
何かしらの設備面の特殊性があります。
ですから、近所の賃貸マンションを借りることと、本当は同額ではありません。
 
でも、そこはざっくりと。だって自宅の一室ならば、自分も練習に使うわけですし。
例えば防音室を作ってあったとして、
その施工金額を10年くらいで割って、家賃に上乗せする金額にするとか。
(400万円の防音室を10年でと考えると、月額33000円くらいでしょうか)
支払いも済んでいて、その価値を含めずに考えてもよいと思うならば、
こんな計算はしなくても良いと思います。
 
そんな風に考えて、例えばテナント料を15万円と考えてみます。
 
次に楽器代を考えてみましょう。ピアノは生徒さんが持ち込むことはできませんからね。
楽器に使用料をとるかどうか、それは各々のご判断ですが、
少なくともメンテナンスの費用は計上しましょう。

ご自分の楽器でも、複数の生徒さんが使えばそれだけ不安定になります。
年に3回、一回20,000円と仮定して、年間60,000円。
ピアノのお掃除道具やら、突発的な事態に備えた予備費用も考慮して
ざっくり10万円/年くらいまで見積もってしまいましょうかね。
(生徒さんのためだけに新しい楽器を導入するならば、
購入金額を何年で回収するかの目標から計算してみるとよろしいかと)
 
それ以外に、トイレを使ったり手を洗ったり、電気をつけたり、冷暖房を使ったりと
水道光熱費はかかります。
ご家庭の平均の何割くらいが教えるために使われているか。
そこからざっくりと金額を算出してみましょう。
ちなみに私の場合は、光熱費は月額15000円と考えています。
 
先ほど仮定したテナント料が月額150,000円。そこに、
楽器メンテナンス料が月割りで8,333円、光熱費が15,000円と考えると、
合計;173,333円
 
いや、あくまでも部屋代を15万で考えるとですからね。
こんなにいらんわ!という人もいるかも。
私の場合はこれくらいは最低必要だと考えました。だって借金御殿ですもの。
 
というわけで、ここまででおおよその場所にかかる費用が考えられました。
ん?抜けてる部分もある?
 
 
・・・あっ、その場所を維持する費用ですね。
テナントならば管理料といわれるところです。
 
例えば戸建ての場合は、5~10年に一度外壁や屋根の塗り替えがあります。
教室として使っていない空間も含めた建物全体のことですが、
それをしなければ建物自体が維持されないわけですし、必要なお金です。
私の近隣の業者さんだと、120万円前後の相場。

まぁ全額計上しないにしても、教室として使用している割合によって考えると良いと思います。
全体の4分の1くらいを使っているのならば、5年で30万円と考えましょうか。
10年で60万ですか。
 
さらに植栽やら門やら、トイレのメンテナンスやらなにやらかにやら。
私は10年くらいの時点で、細かいメンテナンスの合計が30万円くらいはかかりましたね。
みんなトイレをよく使うものですから、10年で5回も修理。
10年目でウォシュレットだけは交換しました(DIYで)
 
というわけで、10年で90万円くらいの管理料と考えたら・・・ポチポチ
月額7500円くらい?
先ほどの合計、173,333円と管理料7,500円をたすと、
180,833円。
 
おー結構な金額です。
 
☆☆次回はそれ以外にちょろちょろとかかる費用を考えます☆☆