練習中に眠たくなる…?
かく言う私も─、
かつて、そのようなことが、
なかったと言えば、ウソになる。
これまでも、幾度となく述べて来たが、
かつての私は─、
演奏とは "再生芸術" であり、
作曲家が楽譜という
メディアに "記録" した音楽を、
レコードのように再生する
取り組みであると捉えていた。
だから─、
私にとっての練習とは、
ミスなく弾けるようになるまで、
ひたすら同じことを繰り返す作業だった。
だから─、
ピアノが弾けるようになること自体は、
喜びであり、楽しみでもあったが、
その過程は、楽しみとは
対極にあるものでしかなかった。
しかし─、
レッスンに通い始めた初期の段階で、
私の師は、このことを
きっぱりと否定し、こう仰った。
「 演奏とは物作りである 」と。
世界は逆転した。
ひたすら同じことを繰り返す単調な作業では、
眠たくなるのは当然だ。
逆に言えば─、
眠たくなるということは、
単調な練習になっているということである。
しかし─、
練習が単調になること自体が、
おかしいことだったのだ。
練習とは "自分の作品" を、
作り上げる作業なのだから。
一度として、同じ練習など有り得ない。