風が強く吹いて金木犀の花が散っていました。
「いい香りをありがとう、また来年お願いね」
と金木犀さんに感謝を告げました。
日本人は桜の花が大好きですよね。
私もやはり桜は格別なのですが、
子供の頃から金木犀が大好きで、
桜の花と同じくらい、特別に大好きです。
比較なんてできませんけどね。
桜は散ると、新緑の季節になり、
日もどんどん長くなって、気持ちも明るく
なっていきますが、
金木犀が散ると、木々の葉が落ちはじめ
日もどんどん短くなっていくので
ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになります。
でも、そのセンチメンタルな気持ちが、
心を静かに落ち着かせてくれる
金木犀さんからの贈り物のようにも思えて。
そして、また一年後の金木犀の香りを、
心待ちにするのです。
そうしながら、来年の今頃は何をしているかな、
と考えるのも、とても好きです。
こうでありたい、ああでありたい、と思わず、
ただ、来年の今頃は、と、大好きな花を見る
のを楽しみにしながら待つ心の状態が、
何より幸せで、好きです。