出荷が相次ぎスペースの空いた白金台ショールーム。
チェコ製ピアノの展示数が少し寂しかったのですが…
 
久しぶりにペトロフ中型アップライトピアノP125F1マホガニー艶出モデルが入荷しました!
 
チェコ特産のボヘミアン・ガーネットを想わせる赤茶色✨
気品溢れるマホガニーは代表的な銘木、センダン科マホガニー属の広葉樹で主な産地は中南米。昔から高級家具によく用いられ、現在では乱伐防止のためにワシントン条約で取引が制限されています。
 
数日寝かせてから作業を開始、長い旅を経て輸入した新品ピアノは手間と時間をかけて丁寧に整備(プレップアップ)しなくてはなりません。
 
最後にテスト動画も掲載していますので調整風景とあわせてご覧ください♪
 
チューニングピンを1本ずつ綺麗にクリーニング。
 
アクションを外して弦もクリーニングします✨
 
駒と弦が密着して振動が良く伝わるように真鍮棒で「駒打ち」
 
鍵盤を全て外して棚板&鍵盤筬の清掃を。
 
キーピン176本を磨いて動作を滑らかに。
 
後に入る調律師が作業し易いようにパンチング紙を選別。
 
フロントキーピンの角度も細かく修正します。
 
キーホールを掃除後、フロントキーブッシングの遊びを調整。
 
鍵盤とアクションを装着後ハンマーの調整、入荷時は間隔、角度にムラが...。
 
ハンマーと弦の合わせ、ひとつずつドライバーで調整します。
 
ハンマーの間隔、角度が揃っているのが分かりますか??
 
続いて鍵盤へ、まずはバランスキーピン前後位置を調整。
 
鍵盤の高さを定規でチェック...
 
様々な厚さのパンチング紙で高さ調整。
 
鍵盤のレベルでみるとご覧の通り✨
白鍵同士の境界線に段差がなく一枚板のよう。
 
黒鍵の高さも定規でチェック&均一に。
 
突き上げ気味だったパイロット(キャプスタン)を正位置に。
 
ワイヤーベンダーで前後位置も調整、弾き心地を均しく。
 
そして鍵盤の深さ、定規とパンチング紙を用いて調整。
白鍵も黒鍵も10mmで深さを揃えていきます。
 
0.5mm単位でハンマー接近調整を実施。
繊細なピアニッシモ、トリル、連打などの音楽表現に関わります。
 
バックチェック、ブライドルワイヤーを正しい位置に調整。
 
打弦後のハンマーストップ位置を13~15mmに揃えます。
 
ダンパーをチェックしてから調律作業。
新品のためA=443Hzとちょっと高めに音程をセット。
 
そして最後に整音、ハンマーに針を入れて弾力を調整。
硬すぎる音に対して慎重にフェルトを和らげます。
 
3弦合わせ、弦とハンマー先端が同時に接するように微調整。
繊細なピアニッシモを奏でるときにも輪郭が宿ります。
 
ハンマーフェルトを綺麗に整形して作業完了!
 
整調→調律→整音の流れでプレップアップ完了です♪


Franz Schubert  Impromptu Op.90-2
9歳の頃の朧げな記憶を頼りに即興曲でチェック...
朗らかな音色&軽快なタッチに仕上がりました👍
 
ちなみにシューベルトの父親はチェコ東部のモラヴィア出身、皆さんも楽器や楽曲を通じて様々なルーツを探ってみませんか??それもまた文化的なピアノの楽しみ方です😊
 
PETROF P125F1 Mahogany High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.105
音響&タッチ感ともに充実しているスタンダードモデル。
音楽性と実用性を兼ねたバランスの優れた逸品、お子様から大人のユーザーまで永くお楽しみ頂ける一台です😌
 
心込めて整備したチェコの名器をぜひお試しください♪
 

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