こう毎日、雨で次第に寒くなってくると、夏のプーリアが恋しくなります。

 

海、太陽、そして美味しいお魚料理。

 

休暇以来、ずっと書こうと思っていた話題です。

 

北vs南。

 

イギリスにいた時期に、学校の授業で、やはりイングランドの南北問題を取り上げていたことを思い出します。

 

経済、言語、文化が違い、それぞれが、自分たちの土地に、誇り、価値を置き、主張します。

 

イタリアも同じです。

 

ざっくり言うと。

 

経済的に、南は貧しく、北は豊か。

食の質は、南は豊かで、北は貧しいとは言わないが、南には勝てません。

言葉は、それぞれの地域に特徴があるように、南北ともに違います。

南は品がなく、北は品があると思っているミラネーゼ。

 

ミラネーゼは、南の人々を、“テッローネ”と馬鹿にした呼び方で呼びます。(もちろん、南の人直接には言わず、北の人々の間だけで使う言葉です)

 

南の人々は、せっかちという印象もあるからか、よく、車で信号待ちをしていると、まだ赤なのに、後ろからクラクションを鳴らされ、主人は、“テッローネ、落ち着けー!”と車内で叫びます。

 

さて、前回のプーリア休暇。一緒に行った、主人の上司にあたるセルジオ一家。(休暇については、こちら から)

セルジオは、厳密にいえば、ナポリより少し南のサレルノ出身。

 

一軒のヴィッラを借りて、共同生活。

 

それはそれは、いろいろありました。

 

特に、食文化の違い。

 

代表的なのは、にんにくと玉ねぎについて。

 

ミラネーゼの主人は、にんにくをあまり好みません。

でも、にんにくの風味がないと美味しくない料理の際は、もちろんにんにくを使いますが、香りづけのみ。

調理法としては、にんにく1片を潰さずに、そのままオリーブオイルで熱し、香りがでたら、素早くにんにくを取り除きます。

もちろん、我が家では、にんにくのみじん切りや、にんにくを潰すのは厳禁。

義弟の家に以前行ったときに、奥様が、定番のタコとジャガイモのサラダを作った際に、”微妙“に、にんにくの香りが主張しすぎていたことで、主人以上ににんにくに敏感な義弟が、奥様と喧嘩していました。

周りの北の友人たちは、やはり、にんにくを好まず。

 

休暇の話にもどり。

セルジオ一家と共同生活では、お手伝いさんが料理するほかに、私が料理したり、あとは、セルジオが料理でした。

 

プーリア人のお手伝いさん、そしてセルジオは、にんにくをたくさん使い、生のにんにくも野菜のオイル漬けに入れたりと。

 

テーブルで、毎回始まる、にんにく論争。

 

一応、自分の上司ともあり、細かなことでは何も言わずに目をつぶっていた主人ですが、特ににんにく、そして玉ねぎに関しては、黙っていられませんでした。

 

ニンニクだけでなく、玉ねぎも生でまるごと食べるセルジオ。

 

玉ねぎは、よく炒めて、しかも形が見えないようにみじん切りにしないと食べれない、主人。

 

バジリコのソース、ペストを作るときも、当たり前のように、我が家ではにんにくは入れません。ちなみに、スーパーでは、にんにく入りと、にんにくなしのバジリコのソースが市販されています。それだけ、にんにく嫌いが少なくないということかと思います。

 

あと、ペペロンチーノ。つまり、唐辛子。

 

南出身のセルジオは、毎回食卓の自分の席の前に、ペペロンチーノの枝の束になっているのを、いつも置き、食べるときに、ハサミで細かくきり、そのままパスタのソースに絡めたり。

ペペロンチーノに関しては、主人もセルジオの真似をするようになっていましたが。(もちろん休暇中の共同生活の間のみ)

 

もちろん、傾向について書いているので、にんにくが大好きな北の人々もいるかもしれませんが。

 

とにかく、まるで、映画のBenvenuti al Sud( 南イタリアへようこそ)の世界でした。ちなみに、この映画、おススメです。

 

そんな中、差別問題があるのも事実です。

北で、南出身者へは、アパートの賃貸契約を拒否なんて問題もよく聞きます。

 

まだまだ、南北については尽きないのですが、今回はこの辺で。

 

さて、南北の境界線は。

 

厳密にはわかりませんが、以前、主人は、フィレンツェが境だと言っていました。

 

というと、主人の父は、ウンブリア出身なので、100%ミラネーゼではないんですが。

 

南の人々、つまり、テッローネを馬鹿にする北の人々ですが、何だかんだ言って、南の土地の素晴らしさ、食の豊かさには、憧れを持ち、そんな美しい南を認めていることは確か。

 

ミラノ発、ナポリピザやナポリコーヒーのお店があり、人気があることからも、明らかかと思います。


そして、食やファッションなど含め、ナポリ人の創造力、クリエイティビティには、感心、圧倒されるミラネーゼでもあります。


とはいえ、基本、ミラネーゼとしては、南を馬鹿にしていますが。(私の周りだけかもしれませんが)


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