198X年-------
バブル、なんて言われていた時代俺は遊びに遊んでいた。
テレビに出れば高視聴率をたたき出し、毎晩酒を浴びに六本木へ繰り出していた。
その頃の六本木は今の姿とは全く違っていた。何が違うかって?大袈裟ではなく全員芸能人。全員だ。その頃の六本木には一般の人なんて珍しくて、一般人が居ようものならこちらから写真をお願いしていたぐらいだ。それぐらい活気があったしおよそ100以上のディスコが存在していた。
各ディスコには黒服と呼ばれるセキュリティーのような男が居る。
その一人、どこから現れる訳でもなくその男はそこに居たんだ。
梅という男。
どこのディスコに行っても『梅ちゃん居る?』の一言で『こちらへどうぞ』という具合にVIP席に通してくれた。
どんなディスコに行こうが『梅ちゃん居る?』『〇〇さんも来てます、どうぞ』・・・。
梅ちゃんは数十店舗のディスコを牛耳っていた。
梅ちゃんの友達という事がステータスになっていたんだ。
暫くするとマハラジャというディスコが出来て、マハラジャにはドレスコードが敷かれていた。
梅ちゃん曰く、ディスコってあぁいうもんじゃないんだよな・・・
カッコつけていくんじゃなく、酒があって喧嘩があって恋があって・・・
六本木も変わっちゃうのかな・・・
なんてぼやいていたのを最後に、梅ちゃんは忽然と六本木から姿を消した。
梅という一人の男が居なくなったと同時に、六本木も落ち着いていってしまったようなそんな雰囲気だった。
相変わらず遊びまわっていた俺は六本木にも飽き、ベガスのMARSという有名なクラブへ遊びに行こうと渡米した。
酒を飲みに渡米、良い時代だ。
いざそのクラブへ到着すると、どのクラブも同じようにセキュリティーが立っていた。
その頃はまだ人種差別があって、日本人なんてダサくて入れられるか!帰れ!とこんな調子。
こっちも散々遊んできたプライドもあり押し問答に。
何を思ったのか日本語が全く通じない相手に俺から出た言葉はこうだった。
『梅ちゃん居る?』
すると・・・
セキュリティーの男が入れ。と言う。
訳も分からず入り口を通り、階段を登っていく。
4階建てのフロアは各フロア毎に違うジャンルの音楽が流れていた。
2階・・・
3階・・・
4階・・・
と登っていき、遂には社長室のような部屋に案内され、その扉を開けた先の席には梅が座っていた。
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コメントありがとうございます!
美羽さん
本当に、一日中寒かったですね。
くろちんさん
少しづつ良くなってきました。
体調には気を付けましょう(^^)/
susuTakuさん
万全で挑みますよ。
未だ半袖?!さすがです(^^)/