お盆という日本独特なノスタルジーな雰囲気を纏った時期のせいか、急遽帰省しようと思い立ったある朝。

実家に連絡を一本入れ準備をし外に出ると、毎日続く猛暑の影響か、蝉もいつも以上の大声で合唱していた。
木漏れ日の中をくぐる瞬間に小さな幸せを感じるのは自分だけだろうか。
帰省し、実家のラーメン屋は変わらず賑わっていた。当然ながら息子である自分は何でも食べ放題だ。
昼営業の後に母親の少しヤンチャな運転で、祖母へ会いに行くドライブが始まった。
祖母が旅立ち丸6年が経った。
生涯1度だけ本気で怒られた事を昨日の事のように覚えているし、入院する直前までコーラとケンタッキーが大好きな祖母だった。
上京し、何をしているかも分からない自分を心配していた祖母に、唯一ステージで歌う姿を見て貰えたのは兄の結婚式だった。
こういう事をしてたのか〜なんて言われたのを覚えている。何気ない会話の中で、紅白に出るから!と話したが、紅白どころかメジャーデビューさえ見せる事が出来なかった事が非常に残念でならない。
毎年元旦には祖母の家に従兄弟も集合し、皆んなで朝から夜遅くまで騒ぎ、自分は幼いながらにお年玉を勘定していた。
車窓から見える流れる景色と、幼少期の思い出を走馬灯のように廻らせ、母親とのドライブは続いている。
流石に月日も経つと新しい路も出来、通い慣れた道とは少し違っていた。
祖母の元へ到着すると、夕餉時という事もあってか朝聞いた大合唱に引けを取らないひぐらしの大合唱が盛大に迎えてくれた。
祖母、祖父の墓石は竹林の麓にある。
作りが古いせいか、墓石の形が唯一無二なので遠くからでもそれと分かる。
ぬるま湯のシャワーを浴びせ線香に火を灯しつつ、母親と優しく語りかけた。
あれだけ普段気にしている時間という概念が何処かへ行ってしまったような気がした。
手を合わせ今度は一人で祖母と語り合う。
何を語り合ったかは勿論秘密だ。
今までも、そしてこれからも温かく見守ってくれるだろう。
また怒られるのはゴメンだから良い子にするよ。
手を下ろした時、自然と微笑んでいたのかもしれない。母親が自分を見てニヤついていた。
帰ろう。の言葉で車へ向かう。
まだ肌にジリジリと感じる日差しと、ひぐらしの大合唱を背に、またヤンチャな運転が始まる。
 
 
コメントありがとうございます!
美羽さん
その何でもない日々の大切さにいつか気づきますよ♪
地元には日帰りでした(^^;
 
くろちんさん
ありがとうございます♪
そう言って頂けると続きが描けます(^^)/
 
ゆうさん
大掃除などもそうですが目に見えて綺麗になると嬉しいですよね♪
日焼け止めを忘れずに(^^ゞ
 
chlp2677anさん
関東は相変わらず蒸し暑く不快指数高いです・・・
運転気を付けて下さいね(^O^)
 
sayukiさん
蝉の声が大きすぎて警報とニュース?!笑
サザエさん一家みたい、日本で一番幸せな家族像だと思うし羨ましいです(*^-^*)
 

http://isshin-official.com/

 

8月17日(土)

イオンマリンピア

13:00~

15:00~

 

8月18日(日)

アクアユーカリ

16:00~

 

8月25日(日)

勝田台お祭り

15:30~

 

茂原アスモ駐車場内特設ステージ

18:25~

 

8月31日(土)

イオン西新井

12:00~

15:00~