7月27日 東京フィルハーモニー交響楽団7月定期演奏会 19:00 東京オペラシティコンサートホール

 

 

 

【プログラム】

 

ヴェルティ : オペラ『オテロ』(演奏会形式)

        第1幕 城砦の外側

        第2幕 城内の1階の広間

        (休憩)

        第3幕 城の大広間

        第4幕 デズデーモナの部屋

 

全4幕・日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
原作:ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』
台本:アッリーゴ・ボーイト

 

 

オテロ(ヴェネツィア艦隊の将軍):グレゴリー・クンデ(テノール)
デズデーモナ(オテロの妻):小林厚子(ソプラノ)
イアーゴ(オテロの旗手):ダリボール・イェニス(バリトン)

カッシオ(若い貴族):フランチェスコ・マルシーリア(テノール)
ロドヴィーコ(ヴェネツィア共和国の使節):相沢 創(バス)
エミーリア(イアーゴの妻。デスデーモナの侍女)):中島郁子(メゾ・ソプラノ)
ロデリーゴ(ヴェネツィアの紳士):村上敏明(テノール)
モンターノ(キプロス島政庁のオテロの前任者):青山 貴(バリトン)
伝令:タン・ジュンボ(バス)
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)

 

指揮:チョン・ミョンフン

東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

 

悲劇すぎるーーーえーんえーんえーん

 

 

分ってはいたけど…

去年10月のミョンフンさんによる『ファルスタッフ』がめちゃ面白かったのもあってか、悲劇すぎて悲しすぎ~えーん(いや、そもそも作品違うし、比べる事じゃないけど)

 

 

 

『オセロ』…シェイクスピア4大悲劇の1つ。

原作を読んだ事がないので、ここまでとは知らなかった。

いちおう簡単にあらすじは予習してはいったんだけど。

 

(↓無料パンフと一緒に配られたあらすじ用紙)

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でもでも~

オテロ役のクンデさん、

イアーゴ役のイェニスさん、

そしてデズデーモナ役の小林厚子さん、

もうもう素晴しすぎて、心が震えましたよ笑い泣き

 

 

とにかくずる賢さ満載のイアーゴ(イェニスさん)は滑らかで張りのある声、

最後までオテロへの愛を口にして無実を訴えつつ死に至るデズデーモナ(小林さん)はほんと儚く、時には愛を貫く力強さの美声、

そして何よりイアーゴに騙され嫉妬に狂い、罪のない新妻を疑い殺害するオテロ(クンデさん)はこの役としては世界的功労者であり、歌声も華やかで張りがあり哀しみの場面での繊細さは胸が痛かったえーん

 

 

みなさん、素晴しかったです!!拍手拍手拍手

 

 

 

幕開けはいきなり荒れ狂う音楽、そして合唱から始り、P席中央からオテロ(グンデさん)の『勝利だ!』の素晴しい声がホールに響き渡る。

ミョンフンさんは全幕暗譜。

凄いな~約3時間の変化に富んだ楽譜を全部あたまにたたき込んでる。

 

 

特に第2幕の最後、オテロとイアーゴがデズデーモナへの復讐心を誓うところでの2人のユニゾンは恐ろしいほどで、聞いててアドレナリンがゾワゾワびっくりもやもや

嫉妬と復讐心に支配され、自分を裏切った(と思ってる)デズデーモナへの悪魔に支配されたかのような憎しみに満ちたオテロの歌声は恐ろしかったガーン魂

 

 

一方で、第4幕、愛する夫からから罵声を浴びせられて哀しみ&不安、そんな気持で寝室で歌う「アベ・マリア」はほんとに繊細で哀しみに満ちていて、ヴァイオリンの高音とともにデズデーモナの歌声も儚げショボーン

侍女のエミーリアとの別れの場面とか、思わずウルウルしてしまった。

 

そんな彼女を絞め殺し、でもそれがイアーゴの嘘だったと知った時の絶望に満ち、自害するオテロの最後の場面も見てて切ない、悲しすぎる~えーんえーんえーん

 

 

でもでも、圧巻、圧巻、圧巻!!爆  笑爆  笑爆  笑

 

 

オケはミョンフンさんの軽快な指揮にけっこう鳴らしてたと思います。

でも歌手の歌声をかき消す事はなく、そこら辺の調節が上手い。

金管のバンダあり。

合唱は約60人弱ぐらいでしたけど、歌うだけでなく、劇中で居酒屋の客みたいな演技もあり。

 

ステージ上は第1幕、第2幕は下手側にベンチが1つ。

第3幕になり、ベンチは上手に移動。

そして第4幕はベンチがなくなり下手側にベッドが1つ。

後はライトによる演出あり。

けっこうシンプルではあったけど、それで充分。

本当のオペラにはとうてい適わないと思うけど、初心者の私にとっては歌手のみなさんの気持のこもった歌声と軽い演技で充分泣きました。

 

 

20分の休憩をはさみ、鳴り止まない拍手でしたが終演は21:50ごろ。

あっという間に時間がたってしまってました。

 

 

でもやっぱり楽しいオペラの方がいいなぁ~と個人的には思ったのでした。。。

 

 

 

(以下、23日のオーチャード公演の写真より)

 

オテロ:グレゴリー・クンデ

 

 

イアーゴ:ダリボール・イェニス

 

 

デズデーモナ:小林厚子

 

 

 

そうそう、演者のみなさんが拍手喝采で出たり入ったりしてる時に、1stヴァイオリンの女性奏者の方が、ヴァイオリンを床に落としてしまったみたいでした。

膝の上においていたのか、演者に拍手を送って手元が緩んだのかは分りませんが、

ガツン!てすごい音がしてビックリした。

ご本人もけっこう慌ててましたけど、どうやら部品が何か外れて飛び散ったみたいで、周りの団員さんも心配そうにそれらを拾ってました。

繊細な楽器だと思います。

31日の最終公演までに、修理できてるといいな、と思います。