7月23日 反田恭平 ピアノ・リサイタル2023 14:00 サントリーホール
【プログラム】
スクリャービン : 幻想曲 ロ短調Op.28
ラフマニノフ : 前奏曲 ニ長調 Op23-4
前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2「鐘」
ラフマニノフ : ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op36
Ⅰ.Allegro agitato-Meno mosso
Ⅱ.Non allegro-Lento-Piu mosso
Ⅲ.Allegro molto-Poco meno mosso-Prest
ショパン : バラード第2番 ヘ長調Op.38
バラード第3番 変イ長調Op.47
バラード第1番 ト短調Op.23
バラード第4番 ヘ短調Op.52
今回のリサイタルツアー2023の最終公演。
前プロのラフマニノフにプログラム変更がありました。
ニ長調もちょっと聞いてみたかったので残念でしたけど、『鐘』も好きなので
スクリャービンのピアノ曲をアンコール以外で聞くのは多分、ほぼ初めて。
ロシア人という事で壮大な感じを期待しつつ、でももしショスタコーヴィチみたいなちょっと苦手系な曲だったらどうしようと思ってたけど、柔らかくてちょっと淋しげな感じもする綺麗な曲でした。
弱音がめちゃ良かった。
続くラフマニノフ2曲。
大胆で力強く、反田くんらしいダイナミックな演奏。
コンツェルトでなくリサイタルでの反田くんを聞くのは1年ぶりぐらいなんだけど、何となく演奏スタイルが大人っぽくなってました。
なんと言うか、すこし澄ました感じ?
顔の表情は見れなかったけど(LDエリア前方席)、何となくそう感じました。
いや、もう年齢的には十分な大人ですけど、演出的な動作がなくけっこうシンプル。
それは後半のショパンにも感じた事で、だからこそ余計な情報がなく演奏を素直に楽しめた気がします。
サラッと弾いてるけどすごい重みのある強い音だったり、弱音ペダルを上手く使っての繊細な弱音が表情豊かで楽しかった。
ピアノソナタの第3楽章はやっぱり見事。反田ワールド全開での圧巻の演奏。
後半のバラード4曲はあっという間。
個人的に大好きな第2番と第3番は、瞬きしてる間に終わってしまったーみたいな感覚でした。
特に第2番は、春の午後、お昼寝タイムのまどろみのような出だしが大好き
途中、嵐も来ますけどね。
4曲ともとても丁寧に弾いてる感じがして、そして日だまりのような弱音がなんかウルッと
反田くんの弱音てこんな優しかったっけ?って。
4曲通しで弾ききりましたけど、第1番終了後には拍手も起りました。
第4番後は割れんばかりの拍手
アンコールは3曲。
ショパン : ラルゴ
ショパン : 英雄ポロネーズ
シューマン=リスト : 献呈
『ラルゴ』はショパコンで反田くんが弾いたのを初めて聞いて以来とても好きな曲。
反田くん以外では聞いたコトがないので、めちゃ嬉しかった。
『英雄ポロネーズ』もとても良かったけど、最後の『献呈』、最初の1音が鳴った瞬間、ドバッと涙
私はアンコールでかなり高い確率でうるうる状態になる曲が2つあって、1曲がこの『献呈』、そしてもう1曲がエルガー:エニグマ変奏曲の『ニムロッド』。
どちらもメインプロではなくアンコールで不意をついて演奏されると弱いです。
反田くんの『献呈』も他会場のあのコール情報で期待はしてましたけど、やっぱり涙が~~。めちゃ良かったです
前半はダイナミックで熱い演奏、後半は弱音の優しさが目立った演奏、そしてアンコールは泣きのツボを抑えた演目で大満足
昼公演でめちゃ暑かったけどね(笑)
めずらしく(?)、立派なプログラムが無料配布されました。
曲に関する紹介記事の記載はなかったけど、ちょっとデザインがされていた。
丸い小窓から反田くんが覗いてる。
この日はサイン会もあったようで、『献呈』終了後、拍手が鳴り響く中、サイン会場所へ急いで席を立つ方、多数
私は参加しなかったのでそのまま帰りましたけど、1階ホワイエまですごい行列になてました
コロナ禍前の風景が戻ってきてるなぁ~と嬉しさ半分、それでも感染者は増えてるのよね~と残り半分。
指揮のお勉強のために本格的にウィーンに拠点を移した反田くん。
今後の活動に、期待。
指揮者としてもピアニストとしてもね