5月22日 辻井伸行、ヴァシリー・ペトレント✕ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 19:00 サントリーホール
【プログラム】
グリエール : スラヴの主題による序曲
ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第3番 *
Ⅰ.Allegro ma non tanto
Ⅱ.Intermezzo. Adagio
Ⅲ.Finale. Alla breve
チャイコフスキー : 交響曲第6番《悲愴》
Ⅰ.Adagio-Allegro non troppo
Ⅱ.Allegro con gracia
Ⅲ.Allegro molto vivace
Ⅳ.Finale: Adagio lamentoso
*ピアノ:辻井伸行
指揮:ヴァシリー・ペトレンコ
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
感動的だった!
ホールに入ってステージを見た瞬間に、16型用の椅子がズラリと並んでいてワクワク
メンバーはバラバラとステージに登場しw、コンマス、そしてペトレンコさん登場。
スラッと足が長くてイケメンさんですね~
指揮者のヴァシリー・ペトレンコさんは、2018年にロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団と共に来日し、その時も辻井くんと共演してます。
グリーグのピアノ協奏曲でした。(同日に三浦文章くんも出演(@ヴォーン・ウィリアムスのあげひばり)と言う贅沢なプログラムだったなぁ)
2021/22シーズンからロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を経て、現在は桂冠指揮者となりました。
彼は2006年から15年間このオケで首席指揮者として在任していたので、古巣復帰?
もうこのオケの事はよく知ってるぞ~~って感じでしょうかね。
1曲目は初めて聞く曲。
上昇していくトランペットの音にちょっぴり高揚感、そしてその後は楽しげな三拍子。
特に弦がとっても暖かい音でした。
約10分ぐらいの短い曲でしたけど、弦、管がバランスの取れたオケだな~と思いました。
ピアノがセッティングされて、ペトレンコさんと共に辻井くん登場。
すでにニコニコ笑顔満開でした
オケは14型に。
冒頭のメランコリックな辻井くんのピアノ、ちょっと大人っぽい。
そして何と言っても第1楽章の壮大なカデンツァは圧巻
すごい!
まさにピアノ協奏曲、ピアノが主役辻井伸行主演って感じ。
全体を通して思ったのは、辻井くんのピアノに更に力強さと余裕が感じられ、若い頃の一生懸命、頑張ってます!みたいな、こちらもちょっと緊張してしまう感じではなく、中堅ピアニストとしての余裕と力量、テクニックを充分に手中にしてるなぁと。
しかもめちゃくちゃ難儀な演奏!すごい
もちろんキラキラは健在です
第1楽章のカデンツァの時なんて、フルート女性奏者や弦楽器奏者の数名が首を伸ばして、辻井くんの演奏を凝視してました
オケとのバランスも絶妙で、その中でピカイチ存在感はもちろん辻井くんですが、個人的にはファゴット、フルートが良かったです。
第3楽章、これまた辻井くんのピアノが凄かった。
指が何本あるんだろう~と思うぐらいに、鍵盤の上を駆け回る。
細かい音符が波のようにホールに押し寄せてきた。
そして最後の壮大なクライマックスは、それまであまり大きく煽るような指揮ではなかったペトレンコさんがここぞとばかりに追い上げムード
辻井くんも全身で!
そして力強いフィニッシュで、間髪入れずの拍手喝采
何度ものカーテンコール。
アンコールはカプースチン:プレリュード(8つの演奏会用エチュードより)
これも圧巻
オケのみなさんもジャズチックなリズムに楽しそうに身体を揺らしてましたよ。
そして再びのカーテンコールでピアノ席へ。
辻井くんのまさかの2曲目に(?)、エスコートしてきたペテレンコさんが慌てて指揮台へ座りました
今度はしっとりと、ショパン :ノクターン 第20番 嬰ハ短調“遺作”
それでも止らぬ拍手でしたが、すでに20:15となっていてホール内も点灯し、前半終了。
後半、再びオケは16型。チャイコ第6番『悲愴』。
この曲は、2020年にゲルギー(どうしてるかなぁ)とウィーンフィルで聞いたのがとても印象に残ってるんです。。。
コロナ禍で色々あったから、と言う理由もあるかもだけど。
ラフコン3番の時も思いましたけど、ペトレンコさんはあまり鳴らしすぎるという事はなく全体的に抑えて、そして盛り上がりの時に一気に!という強弱、緩急をつける感じなのかな、とこの曲でも思いました。
第1楽章はほんとに重苦しく静寂。
第2楽章も思ったよりも抑え気味。
でもこの5拍子はとても楽しく、指揮台で踊ってる姿は見てて楽しかった
第3楽章はそれまで抑え気味だった分、力強く一気に爆発した感じ。
金管が咆えてましたね
楽章終わりの少し前、一瞬、スーっと音を弱く落とし、そこから再度力強い行進としたのは興味深かったです。
アタッカでの第4楽章へは心配していた第3楽章後の拍手もなく、と言うか拍手する間もないほどにすぐに第4楽章へはいりました。
この章はもう…弦の悲痛な音がジワジワと。
1音1音、気持ちが入ってるのを感じました。
個人的には終盤で1回だけ鳴らされる銅鑼がもうちょっと大きかったら良かったなと。
ゴォォ~~~~ン…と言うなんとも言えない音とともに、それ以降の世界がまさに「悲愴」だなといつも思う。
それでも涙がジワジワと出てきて、なんだか色んな世界情勢の事などが浮かんできた
最後はコントラバスの弱い鼓動が消え入るように…静寂。
7~8秒ぐらいだったと思いますが、みなさん微動だにせず。
ぶらぼ~~~
…と叫んでた人がいたかどうかは分らないけど(辻井くんの時は誰か叫んでた)、心の中で私は何度も叫んでました
オケアンコールは、サティ(ドビュッシー編):ジムノペディ 第1番
初めて聞いたドビュッシー編のジムノペディ。
独特のリズムがサティっぽいな~とは思ったけど、これもなかなか良かったです。
たくさんの拍手が鳴り止まず、気がつけば21:30。
ホールも明るくなって終演となりました。
ペトレンコさんの指揮は全体的に思っていたよりも大人しめなオケだと思ったけど、でもその分、鳴らすところは鳴らし、だからグワっと感動がやってきて、けっこうドラマチックな演奏でした。
そうそう、オケアンコールの時に近くの席の人のスマホだかなんだかの音声がいきなりなりました。
本編終わってスイッチ入れたのかもしれませんが「この操作はうんぬんかんぬん…」と言うアナウンスが見事に聞えてきました。
2階席後方エリアだったのでステージまでは聞えてなかったと思いますが、ほんと終わってからスイッチいれろよ!と。
それと1曲目が終わってピアノがセッティングされてた時だっと思うけど、遅れてきた人が自席に誰か座っている、と係員に。
すでに座っていた人が御自分のチケットを確認したら、席番号は合ってたけど、なんとこの日ではなく、同じサントリーホール公演ですけど26日のチケットでした。
入り口のチケットもぎのところで日付は確認してないんですかね?
どちらにも辻井くんは出演しますけど、演目は違います。
ご本人の勘違いって事もあるかもだけど、入り口でのチェックもけっこういい加減だなぁと思いました。
電子チケットが多くなってる世の中で、今だに紙チケットが主流ですけど、せめてバーコードなどでピッとやる方法にすれば間違いもなくなるのにな、と思ったり。
まぁ、チケット発売先も色々あるから大変なのかもですけどね。
オケはまだまだ日本ツアーが続いていて、1日の休みのみで東京近郊で3公演。
その後愛知、そして再び所沢。
移動が大変そう。
みなさん最後までお元気でツアーできますように!