3月7日 辻井伸行 日本ツアー2022/23 14:00 サントリーホール
【プログラム】
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.32-2《テンペスト》
Ⅰ.Largo-Allegro
Ⅱ.Adagio
Ⅲ.Allegretto
リスト : 巡礼の年 第2年への追加《ヴェネツィアとナポリ》 S.162/R.10 A197
第1曲 ゴンドラを漕ぐ女/第2曲 カンツォーネ/第3曲 タランテラ
ラヴェル : ハイドンの名によるメヌエット
亡き王女のためのパヴァーヌ
水の戯れ
カプースチン : 8つの演奏会用エチュード Op.40
第1曲 プレリュード/第2曲 夢/第3曲 トッカティーナ/第4曲 思い出/
第5曲 冗談/第6曲 パストラール/第7曲 間奏曲/第8曲 フィナーレ
辻井くんのリサイタルは去年の2月以来で、なのでほんとに久し振りに辻井くんのピアノを思いっきり堪能した時間となりました。
ベートーヴェン。
ラルゴ~アダージョ…とちょっと大人し目からの~第3楽章の激しい演奏。
そして表情豊かなリスト:巡礼の年。
ゴンドラの独特な揺れのリズムが心地良かったし、タランテラは押し迫ってくるような荒々しさ。
ラヴェルのパヴァーヌは辻井くんのお得意ですよね
そして何と言っても、この日のメインディッシュはカプースチン
2018年のデビュー10周年の時に初めて聞いたんですけど、ジャズ好きな辻井くんがとても楽しそうに弾いていたのが印象的でした。
でも、ジャズのリズムなど独特で予想外の展開にちょっと私自身が置いてきぼりになりそうなところもあり楽しむ余裕があまりなかったんですけど、今回は予備知識もバッチリでほんと楽しかった
しかも何となくですけど、その当時よりも弾きこんでる感じがあって、辻井くん本人も5年前より余裕が感じられ、なので聞いている私も楽しむ余裕がありました。
「トッカティーナ」「冗談」は、リズムのりのり
ほんとに楽しかった。
そしてクラシックでは珍しく、楽章間で拍手も
辻井くんが大きく両手を挙げて曲を終了したときには、“その合図”です
辻井くんも、客席に向かってニコって笑顔。
「フィナーレ」はもう圧巻で、終了とともに拍手の渦・渦・渦。
アンコールは4曲。(3曲と思ってたら4曲だった!)
バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
リスト:コンソレーション(慰め)第2番
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日『抒情小曲集』より
リスト:ラ・カンパネラ
バッハの主よ、人の…は先月、東フィル定期でイム・ユンチャンも弾いてましたが、辻井くんのはより音が深く聞えました。(個人的に、この曲を聞くと『ここが私のアナザースカイ!』って言いたくなります。←私だけかな?)
3曲目で終わりかな~と思ったら、椅子に座った途端に弾き始めたラ・カンパネラ。
最初の音がなった瞬間に、会場から拍手も。
辻井くんの代名詞そして代表曲でもある曲ですけど、辻井くんの演奏で聞くのは実は久し振り。お見事でした!
最後はいつものようにパタンのピアノの蓋をしめて、お開きに。
今回のリサイタル、辻井くんが始終とても楽しそうでハツラツとしてたのが印象的。
ご本人がノリノリだと、こちらもすごくより愉しめますね。
そして今回感じた事は、弱音の表現すごく良かった。
キラキラした音は変わらず健在でしたが、ぬくぬくしたり、ドロドロしたり、フワフワしたり…となんか色んな弱音の表現がいっぱいあった。
少し大人びた感じもしたし日々進化してる辻井くん。
益々これからも楽しみだな~って思いました。
5月にはロイヤル・フィルハーモニー管とのコンツェルトもあります。
忙しいスケジュール、身体に気をつけて素敵な音を届けてほしいな。
前日のレ・ヴァン・フランセの余韻が冷めてない中での辻井くんのリサイタルでしたけど、アンサンブルにピアノリサイタル、違った雰囲気だったのでどちらも楽しかったです。