5月30日 アリス=紗良・オット Echoes Of Life 19:00 サントリーホール
【プログラム】
IN THE BEGINNING WAS はじめにあったのは
・フランチェスコ・トリスターノ(1981-):イン・ザ・ビギニング・ワズ
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第1番 ニ長調
第2番 イ短調
第3番 ト長調
第4番 ホ短調
INFANT REBELLIO 幼い反乱
・ジェルジュ・リゲティ(1923-2006) : ムジカ・リチェルカータ第1曲
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第5番 ニ長調
第6番 ロ短調
第7番 イ長調
第8番 嬰ヘ短調
第9番 ホ長調
WHEN THE GRASS WAS GREENER 草原がどこまでも青かった頃
・ニーノ・ロータ(1911-1979) : ワルツ
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第10番 嬰ハ短調
第11番 ロ長調
第12番 嬰ト短調
第13番 嬰ヘ長調
第14番 変ホ短調
第15番 変ニ長調
NO ROADMAP TO ADULTHOOD 道しるべのない大人への旅
・チリー・ゴンザレス(1972-) : 前奏曲 嬰ハ長調
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第16番 変ロ短調
第17番 変イ長調
第18番 ヘ短調
IDENTITY アイデンティティ
・武満徹(1930-1996) : リタニ 第1曲
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第19番 変ホ長調
第20番 ハ短調
A PATH TO WHERE 道の果ては
・アルヴォ・ペルト(1935-) : アリーナのために
・フレデリック・ショパン : 24の前奏曲 作品28より
第21番 変ロ長調
第22番 ト短調
第23番 ヘ長調
第24番 ニ短調
LULLABY TO ETERNITY 永遠(とわ)への子守歌
・アリス=紗良・オット(1988-) : ララバイ・トゥ・エターニティ
ピアノ:アリス=紗良・オット
映像:ハカン・デミレル
ピアノ演奏と映像コラボによるリサイタルでした。
この『ECHO OF LIFE』は、《私(アリス)の人生に影響を与えている考えや個人的な瞬間を反映しているだけでなく、今日のクラシックの音楽家としての自分の役割や、どのように芸術的な視野を広げていきたいかを描いた音楽と映像による旅です》と記されています。(無料パンスからの抜粋)
フレデリック・ショパン(1810-1849)の「24の前奏曲」の合間に、アリスが選んだ現代曲を挟んで、途中は数秒間の空白があるのみで、ほぼ全曲約65分の通しでの演奏でした。
ステージ中央にスタンウェイのピアノが1台、P席上部から大きなスクリーン。
そして開演前にもかかわらず、客席がなんだかちょっと薄暗い。
P席、LA席、RA席はクローズで照明が消されているせいだと思われ、煌々と客席ライトがついてるいつものコンサートはちょっと違う雰囲気。
ステージに登場したアリスはいつものように裸足
黒のパンツスーツに綺麗なブルーのカーデガンのような上着を羽織ってました。
すぐに演奏に入るのかと思いきや、マイクをもってピアノ椅子にすわり少しトークタイム。
約2年半ぶりの来日な事、このコンサートへ至るまでのいきさつなど、話してました。
そして演奏スタート
スクリーンには、星や惑星がたくさんある宇宙空間のような映像が映し出され、それに吸い込まれていくような感覚。
オープニング曲@「イン・ザ・ビギニング・ワズ」の静かで広がりのある曲調ととてもマッチしていて、続々しました。
実は、私はこのような映像とピアノ演奏でのコンサートを、以前、違う男性ピアニストで見たことがあったんですけど、その時はあまり良いなとは思わなかったんです。
けっきょく彼のピアノを聞きたかったし、映像か?ピアノか?どっちやねん!って感じになってしまい、途中から映像はまったくスルーする…と言う事態に。
ちょっと席が前方すぎたのがいけなかったのかもで(映画館の最前列に座った感じ)、今回はあえて少し後ろ@9列目、しかも上手側の席をとりました。
鍵盤は見えませんが、アリスの表情と鍵盤から少し上を行き来する彼女の手元もよく見え、何よりピアノの蓋に反響して響いてくる音のなんと美しいこと
びっくりしました
研ぎ澄まされてて、繊細で、可憐で、時には優しくて悲しくて、そして怒りに満ちて…などなど、アリスの実力はもちろんですけど、休憩なし~と聞いていたので途中体調とか心配してたんですけど、もうね、あっという間に最後の曲になってました。
と言うのも、やはり映像は少し後ろへ下がった席の方がピアニストと映像を両方何の苦労もなく見えると言うのがいいと思いました。
ハカン・デミレルさんの映像は、階段状の不思議な建物だったり、たくさんの本がある図書室みたいだったり、時には水が満ちあふれている映像だったり。
それらが現代曲、そしてショパンの曲となんとも不思議とうまく融合してたと思いました。
3年前に彼女を襲った病魔のころを反映した曲「アリーナのために」に入る時の映像は渦を巻く水に吸い込まれて落ちて行くような映像でとても印象的。
その瞬間、客席も真っ暗になり、その中で悲しく不安そうな彼女のピアノの音だけが聞えてきました。
息をするのを忘れそうでした。
でもフッとピアノに再びスポットライトが当たり、それに続くショパンの第21番~以降はホッとしながら、あっという間にラストの第24番。
もう圧巻
↑にも書きましたが、再びマイクを手にトークタイム。
このツアーのスタッフさんたちへの感謝の言葉も。
そしてなんとなんと、この日のコンサートが終わったら、その日のうちにドイツへ帰るんだとも言ってました
終演は20:20予定でしたから、きっと羽田発0時過ぎのフランクフルト行きかな
そしてアンコールはサティ:グノシエンヌ第1番
美しかった。。。
一時はもう彼女のピアノは聞けないのかなと心配もしてたけど、こうやって来日公演で元気な姿、そして素晴らしい演奏を聴かせてくれて、ほんとにありがとうと感謝感謝、そして感動でした
だんだんと世界中の往来が可能になってきてるし、以前は1年に2度来日してた~って言ってたので、早くそう言う行き来ができるようになるといいなと思いました。
トークで、今回の来日でまだ食べ切れてないものがある~と言ってたので、ぜひぜひ食べに来てね
ジャパン・アーツ(Japan Arts Corporation)@japan_artsアリス=紗良・オット@AliceSaraOtt サントリーホールでの最終公演のアンコールは、 サティ: グノシエンヌ第1番 でした。全国各地で #EchoesOfLife の旅にご参加くださった皆さま、ありがとうございました… https://t.co/Ri3XfdjsmC
2022年05月30日 21:47