大人の生徒さんと新しく取り組む曲を選びました。今まではショパンのノクターンop.9-2をメインに取り組んでいました。
「次にやるのは、映画「戦場のピアニスト」のあの曲が良いです」とのことで、一般的にノクターン第20番と呼ばれている嬰ハ短調(遺作)を始めることにしました
私も大好きなノクターンです個人的にはop.9-2より弾きやすいです。
「戦場のピアニスト」は公開当時映画館で見ました。哀しい名作でした。。。戦場のピアニストと言えば、バラード1番も印象に残っています。
ただちょっと一言言いたいのは……「戦場のピアニスト」は本当に素晴らしい作品なのだけれど、仕方ないことだけれど、あの作品を観た多くの人がバラード1番やノクターン20番を聴くと「戦争」とか「死」とか「悲しさ哀しさ」と結びつけてしまうようで…。
生徒さんも「このノクターンを聴くと、どうしても戦場の風景が浮かんで来てしまいますよね」とのこと。
短調だし、哀愁帯びた切ないメロディーだし、仕方ないのですけどね
でもショパン自身は、ノクターン20番に関しては「死」を意識して作ったんじゃ無いんじゃないかなぁ…と思います。まだ二十歳前後の頃の作品で、若さに満ち溢れていた時期です。献呈はされていませんが、お姉さんのルドヴィカに、ピアノ協奏曲第2番を弾くための練習用に送ったとか。20歳前後と言えば、ピアノ協奏曲第1番、第2番、あとは練習曲op.10が作曲された時期。どの曲も瑞々しくキラキラしているこの若い時期にこれだけ傑作を作っていることも驚きですが
なので、ノクターン20番もあまり深刻になりすぎず、若さから来るメランコリックさ??みたいなのをプラスして演奏してみても良いのではないかと思います。