木の温もりが溢れるお部屋に馴染む、素敵なデザインのピアノ♪
カワイのアップライトです。
カワイのコンパクトな型ではよくあるデザインですが、この譜面台のデザインはちょっと珍しいタイプですね~♪
丁寧にお手入れされていて保存状態もいい。
持ち主は管楽器の演奏活動もされているお客様。
最初にお話を伺った時に何か気になっている症状があるかお聞きすると、
●ピアノのピッチが低く下がっていて、他の楽器と合わせると違和感がある。
●鍵盤が重たく、弾き心地も違和感がある。
●何を弾いても同じ感じの音しか出ない。
ざっくりまとめるとこんな感じ。
なるほどなるほど…お任せください!
~作業その①~
まずは内部のお掃除。
ホコリを取り除き、鍵盤が動く時に擦れて摩擦が強くなっている箇所の金属部品を磨き上げてから鍵盤を取り付け。
これだけで鍵盤の摩擦がかなり減り、軽やかなタッチになります。
というかこれが不充分な状態で他の調整をしても、スムーズで均一な弾き心地にはなりません。
まずは部品ひとつひとつが本来の理想的な状態で運動できるように整えてあげること。
長年調整されていないピアノの場合、この作業に時間を費やすことも多いです。
~作業その②~
さてさてお次は『整調』。タッチ(弾き心地)の調整です。
鍵盤を支えるための細い金属の支柱がささっている穴が少しきつくなっていたので、緩めてあげる調整を。
それから鍵盤の高さや沈む深さを揃えたり、たくさんの部品が連動しているアクションの動きを揃えていきます。
ひとつひとつの部品の動きを確認しながら、1mm以下の細かい調整の連続です。
~作業その③~
そして『調律』。
今回は管楽器と合わせて弾くことを目的とされているお客様。
ピッチも「442Hzで調律してほしい」とのこと。
全体的に弦がやや緩んで音が低くなっていた状態だったので、ひとまず高めに引き上げ443Hzに。
それが自然と442まで緩んできて微調整して完了。
前回の調律から年数が空いていたり、なんらかの影響で弦が大幅に緩んでしまっている場合は、弦を一度引き上げてもゆるもうとする力が強いので、すぐには適正な高さまで引き上げることはできません。
何度か弦を引き上げる作業を繰り返し、やっと適正な音の高さでキープできるようになります。
ピッチのご指定がない場合は、440~442Hzあたりで安定できるピッチを見極めて揃えますので、特にご指定いただかなくても大丈夫です♪
~作業その④~
最後に『整音』。音色の調整です。
今回の場合、コンパクトな型のピアノのわりにしっかり音が鳴っていてこれはこれで良い音だったのですが、音の立ち上がりがはっきりしすぎていて、弱い音を出したい時にかなり気を遣わないといけない感じ。
さらにところどころ金属的な音が混ざっていて、音色、音量にバラつきがありコントロールがしにくい。
これらを均一に整えるために、弦を打っているハンマーというフェルトのかたまりの角度を調整したり、硬くなりすぎているところに針を刺してフェルトをほぐしてあげたりします。
針を刺す回数や深さや角度によって、仕上がりの音色も変わってきますので慎重に、慎重に。
で、4時間程で全ての作業が完了~!わーい♪笑
早速お客様に試弾していただくと
「全然違う~!ずっと触っていたい…こんなに変わるものなんですね…!」
と何度も何度も鍵盤を愛おしそうにすりすり
ピアノもご主人様に可愛がってもらえて喜んでいるように見えました♪
生まれ変わった音色のピアノに合わせて、気持ち良く楽器を吹いていただけると私も嬉しいです( ´﹀` )
長時間の作業になりましたがありがとうございました
必要な作業内容や作業時間、手順等は、ピアノによって、お客様のご要望、目的によって異なります。
初めてお伺いさせていただく方の場合は、まずピアノ内部を詳しく診断させていただき、必要な調整や料金についてご提案させていただきます。
そこからお客様が必要と思われるものを選択していただくこともできますので、わからないこと、不安なことはとことん納得いくまで聞いてくださいね♪
長くなりましたが最後まで読んでいただき、ありがとうございました( ´﹀` )
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