モディカの街を一望出来る場所から。
大きすぎて全景がおさまりきらないのでパノラマで撮影しました。
ここはまだ街の外でして、いまからこの箱庭のような迷路に入っていくわけです。
見るからに入り組んだ様相に、ホテルから指示された駐車場まですんなりたどり着けるのか
不安しかありません。初めての街っていつもこう。
予想通り行き止まりと袋小路、進入禁止に私道のオンパレードとUターン祭り。
途中、郵便配達のバイクにすれ違ったのでこれ以上先に進めるのかと聞いてみたら
「ここで車を降りて歩いてけば?」とアドバイスを受けました。
「ここ」って言われたけどめっちゃ狭い道で民家のど真ん前でっせ。もし我々がここで車を乗り捨てたら他の車両は絶対に通れないし、何より通報されたら一発アウトな場所だったので郵便屋さんにお礼だけ言ってジリジリとバックで元来た道へ戻りました。
何度も通行人に聞きながら苦戦すること約30分。
ようやくホテルの人と約束した駐車場らしき場所に辿りつきました。
本当にここで合ってるんだろうか?思いっきり自治体の敷地っぽいんですけど
あとで罰金やら駐禁やらとられたらイヤだなあ。すごーく心配。
1人見張りを立て、もう1人が宿を探す作戦を試みましたが埒が明かないので宿に電話すると
サラさんとおっしゃる素敵な方がワンちゃんを連れてすぐに来てくれました
さっさと電話すればよかった
サラさんの先導で、細い道を歩いてホテルに辿りつきました。
お部屋に入ったところ。雰囲気のあるインテリアだったのでモノクロにしてみました。
左手の階段をあがるとお風呂、右手にベッドルームが2つありました。各部屋にテラスがついていてモディカの街を一望できます。ということはやはり朝、夜、明け方と窓からの眺めを撮影せねば。
せっかくなので1人1部屋で過ごしましたヨ
今回は「眺めが良い部屋」を重視し、お値段と相談しながら宿を選びましたが総じて都会より
コスパはかなり良いので5月にも関わらずお得に宿泊できたと思います。
オーナーご一家は昔の貴族の家を改修してご自宅兼、B&Bとして生活を営まれているそうです。
夕方に小学生のお嬢さんとサラさんが明日の朝食用のパンを焼いていた姿がなんとも微笑ましく
可愛かったです。「明日の朝、食べてもらうからね〜」って。ムフフたのしみ
部屋のテラスからの眺め。サラさんから街の見所のレクチャーを受け、いまから歩いて観光します。サラさんいわく「ココ」と記した高台まで全然歩けるよだそうです。
えー!どう甘めに見積もっても相当な距離感と急勾配。
モディカの街は断然「歩き」がオススメとも言われました。迷路にどっぷりはまって狭い路地や階段をぜひ楽しんでほしいとのこと。ではいざ。
追記:あとで分かった「ココ」の名前はPizzo Belvedere(Pizzo展望台)でした。
まずは宿から一番近いサン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂内部。
何世紀ものあいだ幾度となく地震に見舞われ、その都度再建されましたが教会内部は一部崩壊を免れている箇所があるそうです。室内のどのあたりが地震で崩壊しなかったかという説明は見つけられませんでしたが、それはさておき荘厳です。
教会の左側にあるジュゼッペ・ガリバルディ通りを道なりに進んで、もうひとつのドゥオモであるサン・ジョルジョ大聖堂へ向かいます。
着きました、サン・ジョルジョ大聖堂濃いブルーにファサードの輪郭がくっきり。
この大聖堂も地震の被害に遭っていますが、そのもっと前にアラブ人によって破壊された歴史があるそうです。その後地震による崩壊と再建を繰り返すうち、だんだんと形を変えながら19世紀後半から20世紀初頭にかけて現在の形になったとか。
1895年に数学者アルマンド・ペリーニによって設計された床の日時計。星座の名前が書かれており、先端にある碑板は教会の位置を示す経度と緯度を指し示しているそうです。
私は双子座なので、"GEMELLI"を探して写真を撮りました
教会の人が熱心に塔に登りませんか?とすすめるので、うっかり登りました。
散策を始める前に宿から見た目的地Pizzo展望台(上にあるモノクロの写真の「ココ」と→で記した場所です)がずいぶん近くに見えるようになってきたものの目測ではまだ半分といったところ。げー。登るんじゃなかった。まだまだ先が長いのにこんなところで体力をかなり消費してしまいました。
塔に登った直後、再び散策開始。更に上へ上へと登っていきます。
階段か坂しかないので、バールへ飲み物を配達するお兄さんも手押し車がほとんど意味をなしていません。ガッタンゴットンいわしながら階段をひたすら下っていかれました。
サンジョルジョ大聖堂から歩くこと15分。さらに高みへ登ってきました。ピッツォの丘に到着し、そこにそびえ立つサン・ジョバンニ・エヴァンジェリスタ教会です
創建は7世紀で修道院とともに建てられたモディカで一番古い宗教的な建築物だそうです。
その後改修と増築を経て、もれなく地震被害に遭い、現在の様式になったのは19世紀とのこと。そして中央の十字架がちょうど地上から449メートルの位置を示し、モディカの街で一番高い場所になるそうです....ということは。出発前にサラさんに教わったPizzo展望台はこの教会よりも低い位置にあるのか!ちょっとびっくり
サン・ジョバンニ・エヴァンジェリスタ教会内部。彫刻、絵画などいろいろありましたが、あまりじっくりと見ていないので割愛します
さて。いよいよ目的地に近いところまで登ってきたので教会を出ていざ。
矢印に沿って進みますと...
どーんと広がるモディカの街
箱庭みたいにちっちゃい家々と高さにクラっとします。我々の宿からココが見えていたんですけれど、逆にこっちから宿は見つけられませんでした。自分の足で登ってきたと思うと我ながら、よくやった!きっと夜のワインは美味しいだろうな〜
今からふたたび歩いて下らなければならない事はいったん忘れよう。
ほぼ宿まで帰ってきたので、その前にお土産のチョコレートを買いにボナイユートに立ち寄りました。モディカでお土産といえばここなんでしょうね。店内は混雑していて、日本のようにちゃんと並んでないのでシレッと順番飛ばされたりしながらようやく買えました。右側真ん中の写真は、カカオをすりつぶす古い道具だそうです。カウンター前に勝手に試食出来るコーナーがあったので、何種類か食べてみて一番気に入ったMASCOBADO(黒砂糖)フレーバーの板チョコを20個ほど買い込んで宿へ。ついでに自分用に買った赤い包み紙の板チョコ。
厚さ1cmくらいあって硬いのでかぶりつくのは歯が心配だし、包丁で割れるのかも微妙。
カッチコチの新幹線のアイスクリームくらい挑む気が失せるけど買っちゃうんだなあ。
日本の板チョコのように滑らかな口どけとは程遠く、ジャリジャリとした食感の正体は砂糖の粒です。温度が高くなると砂糖が溶けてジャリ感がなくなってしまうので(あった方がいいんだね)わざわざ温度を上げないような昔ながらの製法を守っているとか。
歩きすぎてヨレヨレでしたが最後の力を振り絞って夕食
お店の名前を失念してしまいましたがドゥオモの向かい側のトラットリアで
サクッと頂きました。
前菜の盛り合わせ、ピスタチオのラビオリ、カラスミのパスタ、ワイン1本そしてエスプレッソで終了。あんなに歩いてお酒を飲んだので食事の途中でものすごい睡魔に襲われ、早々に退散しました。
明けて翌朝
「アーモンドミルクとシチリア産のピスタチオクリームをたっぷり塗ったパンをぜひ〜」
とオススメされました。いただきますとも。ぜひぜひ
朝食後、サラさんとご主人が見送ってくれました。お二人とも日本に行ってみたいとおっしゃってましたので、いつか来てほしいなあ。
さあ旅も終盤。これからカターニアに戻り、1泊したのち帰国です。
その前に。またやっちゃいます。同じ景色の時間差攻撃。
部屋のテラスから見た昼、夕方、夜、そして明け方のモディカ。小さい画像でコンパクトに
まとめようかと思ったのですが、やっぱクドいサイズ感でいきます
昼
夕方
夜
明け方
カターニアの街に続く