シチリア南東部の旅1 〜ラグーザ〜 | イタリア料理レシピと旅記録 un piatto pieno di ricordi

イタリア料理レシピと旅記録 un piatto pieno di ricordi

2007年から4年半のイタリア生活を終え2011年に帰国。30ヶ国以上の国とイタリア20州全てを旅して各地で食べた思い出の料理や
気になったレシピを元に家庭で手軽に作れるようアレンジして日々お料理を楽しんでいます。

 

ゴールデンウィーク明けに出発し、1週間ちょっとの慌ただしい行程でシチリア南西部に行ってきました。滞在時間が短い分、効率的に移動したいのでイタリアでの足はもっぱらレンタカー。カターニアの空港で車を借り、いざ出発。

カターニア→ラグーザ→ピアッツァ・アルメリーナ→ニシェーミ→カルタジローネ→モディカ→の順でぐるっと周ってきました。今回の旅の目的はピアッツァ・アルメリーナ近郊にある古代ローマの別荘"Villa romana del Casale"、ニシェーミにあるワイナリー"Feudi del Pisciotto"に宿泊することでしたが、行く先々どこもかしこもハイライトと言える素敵な場所ばかりで、どの街も鮮明に記憶に残っています。

5月のまぶしい太陽の下、色鮮やかな景色をしっかり堪能出来ました。

 

すでにイタリア20州すべて制覇しているので、行くところ行くところ2回目、3回目といった具合ですがシチリアは今回で6回目。職業柄、イタリア人のお客様と最初の挨拶を交わしたあと「イタリアのどちらからお越しですか?」と会話をつなげますが「行った事ありますよ〜」と、全てレシーブできるのが大変ありがたいところ。趣味と実益を兼ねているとはまさにこの事ですな。そこに関してはもうどっからでもかかって来やがれウインクあとのことはたよりないけどてへぺろ

 

 

カターニア空港からラグーザまで約100キロ、時間にして1時間半ほど車を走らせると、ほどなくラグーザに到着。

 

 

町の近くまでさほど苦もなく行けますが中心部になればなるほど道が狭いとか、袋小路とか、そもそも一般車両の進入禁止とか、古い街はほぼそういう感じなので、あらかじめどこの駐車場に止めれば良いかホテルに聞いておくようにします。

 

 

⬆︎このたびシチリアで我々の足となってくれた黒いオペルリムジン後ろリムジン前

ラグーザ・イブラとスペリオーレの間あたりにあるパーキングに駐車して、ホテルに電話すると車で迎えに来てくれました。Googleの地図上では駐車場からホテルまでの距離はごくわずかでしたが、なんせ迷路のような街なのでたどり着ける気がせず、迎えに来てもらって大正解。

 

 

さすがにこの道は車で入れないので、手前で降り、あとは徒歩で。予想通りほっそい路地です。

 

 

到着乙女のトキメキこじんまりして可愛らしいホテルで、部屋からラグーザ・スペリオーレが一望できるんです。画像のホテル名で検索すればすぐに見つけられるのでホテル情報は割愛します。昼、夜、日の出前と景色を堪能しました。年のせいでぐっすり眠れずちょこちょこ目が冷めるので、目覚めたついでにその都度窓を開けて眺めていたわけです。夫から「ゴソゴソすなっ」と注意されながら見た景色はこんな感じ⬇︎

 

晴れ

 

 

星

 

 

そして最も怒られた明け方流れ星

 

 

ね?それぞれ素敵ですよねハート雰囲気が全く別物でこれを見ずにグーグー寝るなんてもったいない!と思うのですが価値観は人それぞれ。次の街でもぜったいにやると思うけど、出来る限りそおっと静かにします。

 

 

どのガイドブックにも書かれてますが「ラグーザの街はひょうたん型」。ひょうたんのくびれた辺りにある"Chiesa delle Santissime Anime del Purgatorio" から観光をスタートしました。

教会のすぐ隣にツーリストインフォメーションがあるので、地図をもらってお昼ご飯中にじっくり回る順番を思案したいと思います。

この教会は街の中心部にあるドゥオモ(街の一番重要な教会)ではありませんが、1693年のヴァル・ディ・ノート大地震にも耐えた数少ない教会のうちのひとつだそうです。

そうそう。イタリアの教会の名前で"purgatorio"(プルガトーリオ)ってよく見聞きしませんか?「煉獄」という意味なのでてっきり火炎地獄くらいに思っていましたが、ある時イタリア人に聞いてみたら「天国と地獄の間」と答えが返ってきました。ふーん。そうなのか。すかさず「仏教にも煉獄ってあんの?」と切り返され、情けなくも「...」答えられませんでした。勉強しよ。

 

さ、まずはラグーザ・イブラでお昼をすませたいのでここからドゥオモのある広場まで登ります。

 

どこもかしこもこんな狭小な道。ドゥオモのある広場といえば多少なりともひらけた場所であるでしょうに、ほんとにこんな道から急に目の前に広場がワッと現れるんでしょうか。

少し先に左折の看板が見えてますので、もうそろそろのはず。

 

 

左折の看板を曲がってすぐの階段。なんかものすごい「ワーワーキャーキャー」と人の声がする!間違いなく階段の上から聞こえてきてます。

登り切ると、冒頭の写真の広場に出ました。重複しますがこちら。⬇︎

 

 

声の正体は遠足らしき小学生くらいの団体さんが、この広場でお昼を食べていたのでした。

見てるこっちが疲れそうなくらい元気。さすがっす。ホテルの人に教えてもらったバールもすぐに見つかり、軽めのお昼にします。「バール」って言ってたけど思いっきりビストロって書いてますな。でも初志貫徹、ここで食す。

 

 

いろんな種類のアランチーノがあったので、ラグーザらしいものを食べてみたいと言ったら出てきたのがこの右のアランチーノ。名前はそのまんま"arancino ragusano" (ラグーザ風アランチーノ)でした。中身はサフランライスにひき肉、ゆで卵、プロシュット、モッツァレラチーズなどが入っていました。もう1個別の味も試してみたかったけど、ひとつ200グラム。巨大揚げオニギリといったサイズ感なので1個にしておきました。残念ながら夫が食べたパスタはなんだったか忘却のかなたへ。なぜならバールのお兄ちゃんに観光のレクチャーを受けていたのでそっちにばかり集中してしまって、食べ物への注意がおろそかになっていたから。ちゃんとメニューを見て注文すれば良かったんですが、「ラグーザっぽいやつどれですか?」と切り出してしまったせで、流れでおまかせっぽく注文した感じになってました。美味しかったから良かったけど。

 

キラキラDuomo di San Giorgioキラキラ

 

広場の正面にある大聖堂。もとは別の場所にあったけれどヴァル・ディ・ノート大地震で被害を受け、この場所に移されたとのこと。そう考えたら最初に見た教会"Chiesa delle Santissime Anime del Purgatorio"は地震にびくともしなかったというのが奇跡のように感じます。

 

 

正面の反対側から見たドゥオモ

このまま坂を下ってスタート地点に戻り、今度はの向かい側にあるスペリオーレに移動します。

 

 

散策をスタートしたChiesa delle Santissime Anime del Purgatorioの正面にあるこの階段からラグーザ・スペリオーレへ。

 

 

 

細い路地を両側から挟む建物を見上げると、あちらこちらにバロックの装飾が見られます。

 

 

階段を登り始めて少しすると右手に現れるPalazzo Della Cancelleria。

こじんまりしているけれど世界遺産に登録されています。

見切れていますが写真左側のアーチを挟んで二つの建物が合体しており片方は18世紀に、もう片方は19世紀の建築なのでどちらの例の地震の後に建てられたということになります。現在は車が通れるつづらおりの道路が整備されていますが、昔はこの建物の前の細い道が街の下部と上部をつなぐ唯一の道だったそうです。

 

 

Palazzo Della Cancelleriaを通り過ぎてラグーザの街が見渡せるところまで登ってきました。

手前にあるひときわ目立つ青いドームは何度となくガイドブックでお目にかかりました。やっと来たー!絶景だけあって三脚を立てて撮影している方もいらっしゃいます。

 

ここから更に新市街まで徒歩で行ってみました。

マンションなどが立ち並び、建物も旧市街より近代的です。

 

 

新市街の大聖堂 "Cattedrale di San Giovanni Battista"

もともと旧市街にあった教会でしたが、やはり地震で被害を受けてこちらに再建されたとの事。

さて。教会とえいば「塔に登ってみませんか」アトラクションの時間がやってまいりました。

おひとりさま2ユーロコイン、もれなく膝が笑うおまけつき。全ての教会の塔に登るのは不可能ですが、せっかくなのでラグーザ一発目の塔登りはここに決めましたキラキラ

 

 

登れば登るほど塔の先端が細くなっているので、それに比例して階段も細く急こう配に。

うむ。ここまでくればあともう少し、のはず。

 

 

やったー。登りきった!空が青いです、どこまでも乙女のトキメキ

さ、これで今日の予定はほぼ終了。いったんホテルに戻ります。

 

 

 

帰る道すがら世界遺産の建物"Palazzo Bertini"の前を通ったので、外壁にある3つの顔の彫刻を拝んでおきました。

 

 

拡大すると画像が粗くなって分かりにくいですが、

右=ターバンを巻いて口髭をたくわえた裕福な商人

中央=帽子を被った貴族

左=歯が欠けて舌を出した貧しい人

諸説あるそうですが、普遍的な人間の特徴を表しているとか。

結構歩いたわりにダメージが少なく済んでヨカッタあはは口笛の私に対して夫はもう疲れがピークの模様。夜は再びイブラのドゥオモのあたりまで徒歩で登るけど、大丈夫かの?

ワインのためならどんなに疲れていても歩くだろうけど、旅先で体調不良になられたらまっさきに車の運転が困るので明日は控えめに観光しようと思います。

 

 

午後8時。疲れた体に鞭打って本日2回目のラグーザ・イブラのドゥオモ前までやってきました。このすぐ近くにある I Banchiで晩ご飯を頂きます。

 

 

だめだー。全てがうろ覚え。とりあえず撮った写真はせんぶ載せます。

しっかり覚えているのは、ワインだけでして赤ワインキアラモンテ・グルフィを車で通過した時に高速から葡萄畑が見えました。その地域にあるワイナリー " Azienda Agricola Gulfi" の赤ワインCerasuolo di Vittoria (ネロ・ダーヴォラとフラッパート)、とても美味しかったです。

 

 

右ふたつはアンティパスト、左上は言わずもがなパスタで左下はシャーベット。

夫が食べたパスタは写真撮り忘れました。

 

 

これも何て言ってたっけな〜。たしか「ティラミジュ」だったような...。なんせティラミスの反対ということで、ジュ(giù )は直訳したら下ですが、イタリアの下といえば南部。南イタリアへようこそ的なシャレで作ったと言っていたような気がします。びっくりするくらいうろ覚えで、食事に関しては書いてあることが正確でないかもしれませんのでそのつもりでお読み頂けたら幸いです。

明日はニシェーミにあるワイナリーに宿泊します乙女のトキメキ