ロダン | 還暦過ぎたピアニスト

還暦過ぎたピアニスト

青が好き。色も、響きも、そしてその意味も。若々しい躍動的なイメージがあり、未熟な初々しいイメージもある。「ヨーロッパの赤には、青が一滴」という発想も素敵だと思う。シニアになった今も、できれば青の近くで、楽しみたい・・。

ロダンが「Rodin」だと知った時は、ちょっとショックだったなあ。ステンレスが「stainless 」だと知った時、程ではないにしろ・・。

カタカナの向こうには、西洋という世界が広がっているんだ、というある種の実感だったのかも知れない。


上野の西洋美術館の前庭に、ロダンの「カレーの市民」の群像が、野ざらしで立っている。今も、多分・・。

若い頃、あそこの前を通ると時折、柵の外から暫く眺めたものだった。

先日、名古屋の山崎美術館の前を通った折に、玄関前に「カレーの市民」の一体が飾ってあるのを見て、突然思い出した。

依頼主の趣旨からは異なった作品、という点で、レンブラントの「夜警」とも共通するエピソードが、若かった私を惹きつけたのだと思う。

ロダンと言えば、やはり某大学のキャンパスに野ざらしで立っている、バルザック像も印象が強い。

これも、文豪を部屋着の姿で描いて、発注者の文芸家協会が受け取りを拒否したという、いわく付きのブロンズ像だ。

じっと眺めていると、製作者の意志が突き刺さってくる様である。

ブロンズに関してのレプリカの意味が、私はよく解っていないのだが、「地獄の門」にしても、「カレーの市民」や、「バルザック像」にしても、様々な場所、それも屋外でよく見かける。

絵画と違って、美術館の企画展で並ぶ必要も無く、それらを独り占めして眺める事ができるとは、何て素晴らしい事だろう。