発表会では第1回目からがんばれる限り弾いていたものの、
生徒数が増えたり、生徒さんの曲が大きくなったりするにつれ自分が弾くどころではない…と言い訳して、自分がソロで弾くことから
何年も遠さがっていました。
誰かと連弾や伴奏はあって、
毎年何か弾きはするのですが
そのうち、
尋常じゃないほど緊張をするようになってしまいました。
弾く前に緊張するのは当たり前で、
今までなら弾いているうちに落ち着いてくるのが
さっぱり。
どんどん緊張が増し、
頭真っ白。どこが何の音だかわからなくなる感じ。
教え子との「大学祝典序曲」で大ショックを受け、
教え子のロッシーニの伴奏で、
再起不能になりました。
決して練習してない訳じゃないし、
レッスンだって行ってるんだから!と自分を擁護して甘やかして。
わかっていました、人前で弾くことからこそ逃げてはいけない。
でも言い訳ばかりしてました。
夏休みころ、ふとカフェのBGMが
昔与えらえたスカルラッティソナタK.380であることに気が付きました。
その曲は、周りがキラキラ星変奏曲だ子犬のワルツだと言っているのに、何で私の曲は地味で簡単そうなんだろうと、はじめからバカにしていました。
スカルラッティ?誰だよ?と。
そんなんだから理解できず、
弾かないから先生に怒られてばかり。
嫌いでたまりませんでした。
そんな思い出が35年ぶりに蘇ってきました。
2分くらいのバロック小曲。
講師演奏にだって地味だよな…
でもここで再会したのも何かの運命かもなぁ。
とりあえずレッスンに持って行くか…と練習を再開しました。
レッスンに持って行くと、これがあの曲か?というくらいの輝きを私に与えてくださいました。
それでも、どこか自分としてしっくりはこなかったのです。
輝いてるのに霞んでいる。
この曲はどこまでも私に理解させない、許さないものだとある意味感心するほどでした。
先生すごい曲を弾くと思っているであろう生徒ちゃんたち、ごめんなさい。
もっとうちの子が弾きたいと思うような憧れの曲を弾いてほしかった、ごもっともです。
でも、私はこの曲を発表会でみんなの前で弾くと決めました。
この瞬間だけは、
私はただ弾きたいと思う曲を弾こう!先生であることは忘れることにしました。ついでに言うと、暗譜も早々に諦めました。
こんな感じで、私は生徒・保護者の皆さんに甘えることにしました。
K.380が2分半くらいなのですが、短いので
レッスンに持って行くにあたってもう1曲用意したのがK.9でした。これが2分くらい。
これを思いのほか気入ってしまい、急遽これも弾くことにしてしまいました。急遽も急遽の直前でしたね。
380は好きじゃないけど、9は大好きです(笑)
卒業する高校3年生との連弾が2曲。
娘の伴奏2曲。
体力もないし器用でもないので、
たったこれだけのことをするでも家族に多大な迷惑をかけます。
特に長女は受験生。
それにしても、昔から、
お母さんが練習することを自然と受け入れてくれる子どもたち。
ありがたいです。