日本は、

幸せだと思っていない人が多いのだそうです。

 

実は日本人は、

不安を抑制したり

緊張性の高い脳の状態を抑制するための

セロトニントランスポーター

(神経伝達物質をやりとりするシナプス間隙において

神経伝達物質セロトニンの濃度調節を行っている蛋白質)

が非常に少なく、

世界一不安になりやすい国民である

ということがわかっています。

 

セロトニントランスポーターの少ない人は

セロトニン不足に陥りやすいので、

攻撃性が高まったり、

鬱やパニックなどの精神症状を発症したり、

満足感を得られず不安行動をとるといった

症状に結び付く傾向があります。

 

不安は、

「対象のない恐怖」と表現されたりもしますが、

一般的には

「大切なものが脅かされているような」、

または「危険にさらされているような」

恐れの感情のことをいいます。

 

不安や恐れを持った状態だと、

人は「幸せ」を感じることができません。

 

 

 

ある研究で、

「幸せ」を感じるために

まず最初に必要な能力というのは、

実は「回復力」だということが

わかったそうです。

 

どういうことかというと、

不安や恐れを感じたり

嫌な気持ちになったりする

情報などに触れた時に、

穏やかな気持ちや心地よさを

維持できるような脳内環境

作っていくことが重要だということです。

 

レジリエンスを高める、

というふうに言われたりもします。

 

レジリエンス(resilience)とは、

「回復力」「復元力」「耐久力」

「再起力」「弾力」

などと訳される言葉で、

もともとは心理学の世界で

困難や脅威に直面した時に

「うまく適応できる能力」

「うまく適応する過程」

「適応した結果」を意味する言葉として

使われてきました。

 

最近では

困難をしなやかに乗り越え回復する力

(精神的回復力)として、

ビジネスの現場でも注目が集まっています。

 

ショックを受けたり

困難な状況に直面しても柔軟に回復し、

立ち直る方向に

自身を導くことができる人は

レジリエンスが高いと言えます。

 

 

 

この研究では、

被験者に2週間、

毎日30分

慈悲や思いやりを感じる

瞑想を続けてもらったそうです。

 

その結果、

苦しみに対面した時の

回復力が非常に大きい、

ということがわかったそうです。

 

被験者たちは2週間瞑想をした後に

普通の写真と

火傷の被害者などの

苦しみを感じるような写真の

両方を見せられました。

 

その時に脳スキャンをとってみると、

瞑想を行なったグループは、

苦しみの写真を見せられている間

恐怖や不安を司っている扁桃体や

島皮質、眼窩前頭皮質の活動が非常に少なく、

さらに穏やかになっただけではなく、

写真に写っているものに対して

同情的であったということがわかっています。

 

つまり、慈悲の瞑想をすることによって

共感する能力が高まり、同時に

苦しみの写真を見た時に

過剰に反応せずに

感情を抑えながら、

批判的に見ることもなく、

ただただニュートラルに

その出来事を見ることが

できるようになった、ということです。

 

また別の研究で、

139人に7週間ほど

「慈悲の瞑想」を行なってもらったところ

幸福度や自尊心が上がって、さらに

人生の目的まで定まったとか。

 

最近では、アメリカ・テキサス大学の

クリスティン・ネフ氏が提唱した

セルフ・コンパッション

(=自分自身のことを慈しみ、大切に思うこと)

心身の健康に

良い影響を与えると言われていますが、

このセルフ・コンパッションを高めるのにも

慈悲の瞑想が役立つと言われています。

 

セルフ・コンパッションは

レジリエンスの基盤であり、

困難な現実と向き合う勇気を養うための

重要なスキルです。

 

慈悲の瞑想によって

セルフ・コンパッションとレジリエンスが

高まる、というのは

凄いことですよね。

 

 

幸せだと思っている人が少ない日本人ですが、

皆が求めているのは「幸せ」です。

 

でもその幸せを求めた時に、

嫌なことが起こるかもと想像して

恐怖心を抱えてしまうわけです。

 

もし、どんな出来事があっても

不安や恐怖を生み出さずに

穏やかな状態を

維持できるようになったとしたら、

きっともっと「幸せ」を感じる人が

増えていくはずです。

 

持って生まれた遺伝子は変えられないとしても、

レジリエンスや幸せ感を

高めていくことは可能です。

 

様々な研究で効果が確認された

慈悲の瞑想は

私もやっていますが、

とってもオススメな瞑想なので、

次回は慈悲の瞑想について

書いていきたいと思います。

 

今回もお読みいただき

ありがとうございました~昇天