今日は、譜面から離れた話を 少し。


どうも最近気になることなのですが、
痩せた音を、やわらかくて優しい音と勘違いしている人が多い気がします。

やわらかくて優しくて、甘く切ない音にも、たっぷりと響きを持たせて次のフレーズへ繋げていくことを求めている作品・作曲家は、思っている以上に多い。

痩せた音で響きを失っていると、その度に完結させているようで、いちいちまた立ち上がって次のフレーズを重たそうに弾いている、そしてまた頷くように完結させる、終止していない箇所なのに撃沈している、というような、
聴く側は頷いてばかりたがら、逆になんか疲れちゃう、みたいな全体像になってしまいます。

また、次のセクションに入る出だしの音も、しっかりとした響きで弾き出したいところを、pをあまりにも意識しすぎるためか、細々としていて船酔い的な雰囲気が無きにしも非ず。

たぶん、「すごく綺麗に丁寧に弾いているけど、何か物足りないね。」と言われる謂れはそのせいではないでしょうか。

よーく観察するとやはり、5指にそれらが多く、腕(前腕)がうまく乗らないことが原因の一つであると思います。
また 1指も、鍵盤上にうまく乗せて音の変化を表したいところを、付け根の関節がヘナって引けてしまうと、柔らかいけども、痩せて伸びない。


実はfやffの部分でも、一見迫力あるように見えて、実際にそのように鳴ってはいるのですが、一曲の中で残念なことに色の多様性を持たない。
転調しても、durだろうがmollだろうが全部同じ質の音になってしまって、
そこで求められているffはどんな響きなのか?に対応できるまで至れない。


痩せた音と多様性を持たない強い音の差を、音楽的表現としてしまうのは、あまりにも単純な演奏と化してしまい危険です。

そうならない為には、日々奏法の研究でしかありません。
響きを求める聴覚を無限に広げて、重量奏法のための手や腕・身体の使い方、関節の動き、指先へのエネルギーの伝え方など、
その為の練習は、技術の中の技術・・・いわゆるネイガウスの言葉を借りれば、《触感技術》というものの獲得に至ります。


教師側としては、5指をきちんと見ていながら音を聴いてあげることはいつも忘れずにいたいところ。
私は普段、生徒の右側にいることが多いので、右手5指は意識しなくとも行き届ますが、
敢えて左側に移動して、じっくり左手の使い方・響きの違いも見て、そしてその違いを感じさせてあげることは意識的に行っています。
落ち着いてレッスンしようと思うと、どうしてもドッカリと椅子に座り込んでしまうのでね 笑、
狭いレッスン室ながらも、アクティブに、ピアノの周りを、生徒の周りを動きながら、色んな角度から見たり音を聴いたり。

これは実は自分のためにも良いのですよ。教える側の感性の開きもさることながら、
長時間のレッスンで、ずっと同じ方向に身体を向け続けることは、歪みに繋がってしまいますのでね、自分の演奏のためにも、
レッスン時は フットワークを軽く!
です!!








重量奏法とは、鉛直方向へ重さを伝えること。その量。
だから、少なくとも私は重力奏法とは決して言わない。
重さって、力によって現れるものではないでしょう?
それとも重さの力ってこと?重さのパワー?
ますます本筋から離れていくわ。

脱力というものも、今でこそやっといろんな人が「力」ではない と言うようになってきたが(力を脱いじゃったら(抜いたら)弾けない、いや弾けないどころか椅子にも座ってられないじゃん 笑)、これに代わる適切な言葉は、実は未だ、私は出会ってはいない。
しかし要するに、これも辿っていけば「鉛直」なのだ。鉛直方向へ重さを鍵盤に伝えることができて初めて実現する、その直後の、身体の中身の感覚を言うのだ。
だからこの脱力というものも、危険である。

痩せた音に対して「これが脱力した音の響き」という誤った固定観念に結びつきませぬよう・・・。











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東京都福生市の拙宅(マンション 一室)でピアノ・レッスンとピアノ・レンタルを始めております。

ヤマハグランドピアノ C3A・ヤマハアップライトピアノ U1H
1台ずつ入っているお部屋です。

今のところ暫くは仙台の教室がメインであるため、月に一度の上京の際 となりますが、
ご都合が合って希望される方がいらっしゃれば、ご予約いただきレッスンを行なっています。

また、個人での練習や お友達同士での弾き合い会(2〜4名ほど)、レッスン場をお探しの先生、受験のためや 発表会・コンサート・コンクール等のための練習ピアノが必要な方など、
私の限られた日程と時間帯ではありますが、
レッスンの空き時間・音出し可能時間内であれば、こちらも予めご予約いただき、お部屋をお貸ししております。





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