俺が初めて馬堀シェフの料理を食べたのは、「カラペティバトゥバ」(麻布十番)だった。前菜から香り高く絶妙なバランスの味わいに驚き、その後のメインやデザートに至るまで全く勢いを失うことなく素晴らしく美味しかった。これほど感動的な料理を連発できるシェフはそうそう居ないので、交代したと聞いた時は少なからず落胆した。

そんな馬堀氏がオーナーシェフとして始めたのが「ユヌパンセ」(東麻布)。

デザート以外の前菜・魚・肉は2人分の料金表示。1人分だと半額にしてくれる。基本的にアラカルト形式なので、早速前菜・メイン・デザートを選ぶ。

前菜はホロホロ鳥と里芋のテリーヌをチョイス。里芋のデリケートな味わいが寄り添うことで、ホロホロ鳥の旨味を見事に引き立たせてる!脇にちょっとだけ添えられたカシス風味のマスタードや付け合わせの林檎のマリネというのがまた面白く、良いアクセントをつけている。

別のお客がオーダーした魚料理が、マツカワガレイと帆立・赤ワインソースですと耳に入った時には、しまった!と後悔したけど、メインの肉は注文済みで順番的に変になると思い、魚の追加は断念。

で、肉料理は猪の赤ワイン煮込み。これがまた素晴らしい!ロール状に巻かれた猪肉から溢れる野趣たっぷりの風味は何事だよ〜!煮込むのに赤ワインの他、カシスと隠し味にカカオを使っているとの事。ま、それ自体はメチャ珍しい訳ではない。けど猪をここまでうまく際立たたせる、その技術は凄いと思う。

添えられてるマッシュポテトや別皿で供された月桂樹風味のサラダも隙無し。

デザートはカシスのソルベとモンブラン。酸味と甘味が絶妙に絡み合う!やはり流石じゃ!

そう言えば、今回選んだ料理には全てカシスを使用。こんな重なり方も内容が変幻自在だとそれはそれでまた楽しめる。

お店はカウンター主体でいたってカジュアルながら、どこか上品な雰囲気を併せ持っている。そしてこのクオリティで値段は格安。既にご近所らしき常連さんも掴んでいて、大人気!

いや〜、素晴らしい!お気に入りのフレンチが一つ増えました。