■餌を取られた時… 雌にふられた時…
いきなり二本足で立ち上がり、前足で頭を抱えてウオーン。こんなポーズをするマレーグマの雄が、周南市の徳山動物園で人気者になっている。なぜなのかは不明だが、同居する雌に餌を取られた際に多い。その姿は、まるで「ボク、クマ(こま)ったあ」?
雄は推定年齢十四歳のツヨシ君。五、六年前から、職員が投げ入れた好物のサツマイモなどを二十二歳の雌に取られると突然、すっくと起立。「ウオーン」と鳴きながら、前足で挟んだ頭を、上半身ごと激しく振り回す。飼育を担当する平岡大宙さん(23)は「クマの習性にはない動き。どうしてでしょうか」と困惑する。
雌との同居歴は十一年。じゃれ合おうと寄り添ってふられた際にも、このポーズが出る。「いじけているのを表現しているのかも」と平岡さん。
動物園には、マレーグマに餌をやる時間の問い合わせが増えている、という。ツヨシ君への餌やりが見られるのは、日曜日と祝日の「ぱくぱくタイム」。平岡さんは「いじけても餌はしっかり与えているので、お菓子を投げ入れたりしないで」と話している。
【写真説明】前足で頭を抱えて「ウオーン」。独特のポーズをするマレーグマの雄(撮影・高橋洋史)
クマの世界にもかかあ天下があるんだにゃ。