シーンとした部屋

ストーブの音だけが響く

✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼

振り返って・・初日

 

きくちゃんがやって来た

にこにこ笑顔と大きな紙袋

 

きくちゃん・・汗をかいている

ふぅ〜ん・・暑いんだ

 

バックを部屋に置き

手洗い&うがい

 

ついて歩く私

主人の写真の前・・お線香とおりん

合わせた手が・・若い!

一緒にお線香

 

お茶にする・・それとも冷たい麦茶

良いんですよぉ〜

お客様じゃぁないんですから

きくちゃんが台所

 

ふっと力が抜ける

そうか・・お客様じゃないんだ

 

甘えるのは大好き

ずっと甘えてきた

 

母に甘え・・主人を頼り

今は子供たちに任せている

 

きくちゃんが・・お茶を淹れる

私への熱いお茶

自分のための冷蔵庫の麦茶

 

きくちゃんからのお土産

 

途中で買ったというお菓子

 

何とか言うお店・・有名らしい

 

写真を写さないんですか?

きくちゃんが聞く

 

私が写真を写したい事を覚えていた

本当は写したかった私

 

あっ!イケナイ!忘れていた!!

思い出したふりをして・・カメラ

 

有名なお店の有名なお菓子

ブランデーの香りがした

 

主人が指に葉巻を挟んで

ブランデーの入ったグラス

揺らしていたっけ

 

思い出はこころの中に

口に出すのが惜しかった

 

う~ん・・良い香り

「お父さんにも食べていただきたかった」

きくちゃんが言う

 

きくちゃんは

私のこころを読むのが

得意なんだ・・きっとそうだ

 

疲れているんだから

早く寝れば良いわ♪

 

なんて言ったのに

次々とおしゃべり

ほらね・・また口だけ

 

興奮から・・沈静

沈静から・・居眠り

 

私の方が・・疲れていたみたい

しあわせ(^^♪