前回の続きです。
中絶手術、当日の記録です。
あの日を忘れないように、
思い出しながら、心の整理をしながら
書いていこうとおもいます。
当日の朝、
快晴のキレイな空に元気をもらって、
旦那と病院へ向かった。
私「ねぇ、天気のいい日でよかったね
きっと天国にいけるよね...。」
旦那「うん。頑張ろうね!!」
時間よりだいぶ早く病院に着いたので、
時間まで病院の近くの公園に行った。
平日の朝。
サラリーマンたちが足早に
公園を横切って、駅に向かう中、
旦那と手を繋いで歩いたり、
公園の遊具で遊んだりした。笑
「あいつら朝っぱらから、何してんだろー」
って思われてるだろうね
とか話しながら、
ブランコに乗ったりシーソーに乗ったり、
楽しかったけど、なんか虚しい時間。
最後の最後の3人の時間。
元気に生まれてくれたら、
公園でいっぱい遊びたかったな。
楽しい思い出をいっぱい作りたかったな。
そんなことを思った。
病院の時間になったので、受付へ。
昨日の説明で、
「受付にこの紙を渡してください。」
と言われていた、用紙を提出した。
人工中絶手術を受けられる方へ
と書かれた紙。
自分で選んだことだけど、
本当に、その言葉にいちいち傷つく。
私、そんなことしたくないのに...。
受付では、
診察券と同意書を渡して、
保証金として費用を前払いした。
体温と体重と血圧を測って、
しばらく待った。
外来の診察室に呼ばれた。
先生「今回は残念ながら、胎児に異常が見つかった為、中絶手術を受けられるということでいいですか?」
みたいなことを聞かれたと思う。
私と旦那は「はい。」と答えた。
内診室へ移動した。
最後のエコー。最後の赤ちゃん。
先生は基本無言だったけど、
「あぁー体がねぇ...。」と呟いていた。
でも、赤ちゃんの心臓は、
今日もしっかり動いてた。
動いてる...
生きてるんだよね...
辛くなるから、一瞬しか見れなかった。
画面から目をそらして、感情を無にした。
ごめんね...。
今思えば...、
しっかり見ておけばよかったかもと思う。
一生忘れないくらい、
最後の姿を目に焼き付ければよかった。
エコー写真ももらえばよかったかな。
時間が経つにつれて、
失った実感が湧いてきて、
もぅ会いたくても、会えないんだなって。
エコーの後、
子宮口を広げる処置?をされた。
看護師さんが「痛くないー??」って、
心配して声をかけてくださったけど、
少しの痛みと違和感がある程度で、
全然平気なレベルだった。
先生「もし痛かったら、鎮痛剤を出すので言ってください。」
私「はい、大丈夫です。」
本当に全然痛くなかったけど、
どれだけ痛くなっても、絶対我慢する。
赤ちゃんの痛みに比べたら...?!
私が痛いなんて言う資格ない。
むしろ、
悶えるくらい痛くしてほしかった。
それでやっと赤ちゃんへの罪を
償える気がするから。
そんな気持ちだった。
外来で処置してもらった後、
入院の部屋に案内された。
「後ほど点滴に来るので、それまでにこの手術着に着替えて、自由に過ごしててください!」
と言われた。
旦那さんと、何気ない会話をして
時間を潰していた。
今のところ、笑顔で乗り切れてる

しばらくして、
さっきとは違う看護師さんが
点滴をしに来てくださった。
しかし!!!
この看護師さんがまじで反則

私は、人前で泣くまいと、
気丈に振る舞っているのに...。
完全に泣かせに来るのです
手を握って、肩を撫でながら、
優しく優しく話してくださるのです
そんなことされたら、泣いちゃうよ...。
術後の注意事項や薬の説明をして、
「できるだけ痛くないようにするからね。」って。
私、涙ポロポロでした。
泣かない約束が...
看護師さんが部屋から出て行ったら、
旦那が心配そうに近づいてきた。
旦那は、
この件で私が泣いてる姿を
初めて見ただろうからね...。
「痛いって言われたから、怖くなっちゃったよ」
って、笑顔を作って、適当に言った。
何にも言わずに、
ティッシュで涙を拭いてくれて、
手を握ってくれた。
私「ねぇ、今日の手術さ、どうやるんだろうって少し前に調べてたらね、どんな理由があっても中絶は人殺しだって書かれてたんだ。ねぇそうなの??私そんなことしたくないのに...。やだよー
」
中絶について調べてる時に書かれてた、
その言葉が、ずっと引っかかってて、
誰かに言いたいけど、誰にも言えなくて、
それをやっと人に話せた。
旦那は「それは違うよ。今回は仕方なかった。誰も悪くないから!!」
旦那に聞いたところで、
旦那が「うん、君は人殺しだよ」
なんて言うはずがないのはわかってても、
「ちがう」と言ってもらえて、
少し心が軽くなった。
やっと涙も止まって、
また旦那と話をしながら
手術の時を待った。
GWはどこへも行けなかったから、
落ち着いたら、旅行に行こう!!
って、話をしたかな。
遊園地で絶叫マシーンに
乗りまくりたいね!とか。
13時頃、いよいよ呼ばれた。
看護師さんが迎えに来た。
「そろそろ行きましょう!」
旦那とは、お部屋でお別れ。
笑顔で「行ってくるね!」って、
バイバイした。
点滴をカラカラ引っ張って、
自分で歩いて手術室へ向かった。
途中で、看護師さんが
「あれ?私ってナプキン預かったっけ?」
って、持ってくるの忘れてて、
2人で笑いながら部屋に一度戻った。笑
手術室に到着。
「よろしくお願いします。」
ニコニコの笑顔で言った。
悲しまない為の中絶だから、
笑顔でお別れする。
赤ちゃんと約束したからね!!
看護師さん達が慣れた手つきで
寝転がってる私の手や足に、
色々くっつけてく中で、
私は笑顔でボーッとしながら、
「ありがとう。ごめんね。」と
心の中で、繰り返し言っていた。
たぶん看護師さんから見たら、
中絶手術する人とは思えないくらい
晴れやかな表情をしていたと思う。
赤ちゃん、見ててくれたかな??
あなたの異常がわかってから、
たくさん泣いちゃったけど...
約束通り、最後は笑顔だよ??
笑顔でお別れしようね。
麻酔がはじまった。
看護師さんが
「眠くなったら寝ていいからね!」
と声をかけてくださったけど、
その言葉を最後まで聞く間も無く
意識が遠のいていった。
真っ暗闇の中にズーーーーーンって
落ちていくような感覚だった。
手術中はずっと夢を見ていた気がする。
けど、どんな夢だったかは思い出せない。
悲しい夢ではなかったとは思う。
泣きながらゲロゲロ吐いて、
看護師さんに背中をさすられている。
↑麻酔が覚めたら、この状況だった。笑
すぐには状況が把握できなくて、
10分くらいしか経ってないはずなのに、
5.6時間寝てたような感覚だった。
また意識が朦朧としてきて、
次に目覚めたら、部屋に戻っていた。
看護師さんが、
私を病室のベットに移していた。
めちゃめちゃ気持ち悪かった。
そして、なぜか大号泣していた。
麻酔までは、泣いてなかったのに???
ボヤーーーっとしてる意識の中で、
「なんで泣いてるの?なんで泣いてるの?」
って、何回も看護師さんに聞いてたと思う。
看護師さんは
「また30分後に様子を見にきます。何かあれば、ナースコールしてください。」
と言って出ていかれた。
旦那と2人になった。
旦那はまた私の涙を拭きながら
手を握ったり、頭を撫でたりしてくれた。
まだ意識がモヤモヤするなかで、
旦那にも「なんで泣いてるの?」
って、聞いていた気がする。
麻酔がかかってても涙って出るのかな?
麻酔が覚めてから泣いてるのかな??
でも、
泣きすぎて鼻が詰まってる感じからして
ずいぶん泣いてる気がする。
もちろん麻酔中のことだから
わかんないけど、私は
もしかしたら手術中泣いてたのかな?
悲しまずにお別れできたかな?
赤ちゃんは痛くなかったかな?
辛くなかったかな?
本当にいなくなっちゃったんだなー。
私の痛みは、全くなかった。
30分後に看護師さんがきてくれた後、
一回、嘔吐したけど、
それでだいぶ楽になって麻酔も抜けた。
意識がはっきりして、涙も止まった。
2時間後、4回目に看護師さんが来てくれて、
詰められてたガーゼと点滴がとられて、
回復室みたいな部屋から病室に戻った。
痛みは全くなかった。
出血も夜用ナプキンで足りるくらい。
2時間後にはすっかり元気で、
お腹が空いて仕方なかった。
看護師さんに
「夕飯は食べれますか?気分が悪かったり、食欲がなかったら、お粥も用意できるけど、普通の食事でいいですか??」と聞かれた。
迷わず「普通で!!」と答えた。
「お腹ペコペコなので、大盛りでお願いします!!」って言ったら、笑われました
笑
昨日の夜から何も食べてないから、
病院の夕飯がすごくおいしかった。
面会時間の20時まで、
旦那と一緒に過ごした。
いろんな話をしたけど、
お互い赤ちゃんの話には触れなかった。
20時に旦那が帰って、1人になった。
喉が乾いていたので、
病院の自販機コーナーまで歩いた。
小さな個人病院。
前に子宮鏡の検査で来たときには、
まだ分娩も扱っていたので、
赤ちゃんの泣き声とか聞こえてたけど、
最近、分娩をやめたらしくて
たぶん入院してる人も少ないし、
すごく静かな廊下だった。
分娩のない、赤ちゃんのいない病院で
本当に本当に本当によかったと思った。
この状況で、
お腹の大きな妊婦さんを見たくないし、
赤ちゃんの泣き声も聞きたくない。
廊下の吹き抜けから、空が見えた。
すっかり夜になってた。
長い一日だった。
空を見ながら、赤ちゃんに話しかけた。
「お母さんはもぅ元気だよ。いい子に天国に行ってくれてありがとう。ずっと忘れないからね。」