小学生男子のプライド

家の薬局には、あまり小児の患者様はいらっしゃらない。圧倒的に高齢者の方だ。
小学校5年の男の子が月に一回来てくれる。腎臓内科におかかりだ。
病名はハッキリとわからないけど、多分、IgA腎症(腎臓の中の組織のたんぱく質が多く沈着する炎症性の病気で尿にタンパクがでたり、血圧が高くなったりします)。
給食の後(昼食後)にタンパク尿改善の6錠の薬を飲む。
きちんと飲めてる?と聞いた。
うん。でも、その前、初めてトイレで落としちゃって…焦った…
え?トイレで?
聞いてみると、みんなの前でお薬を飲むのが嫌みたい。病弱と思われたくない。からかわれたくない。と心境を教えてくれた。微妙なお年頃である。
トイレでどうやって飲むの?
左手をお皿にして右指で錠剤を器用に押し出すらしい。その時に薬が転がって床に落ちてしまったと。
3秒ルール知ってる?探してさっと飲んだよ‼ ちょっと自慢気。3秒ルールって、しょうわのものじゃなかったんだ!まだ有効なんだ!
(´д`|||)
一緒に来ていたお母様が、落ちたの飲んだの?しかもトイレに!バカなんだから!ご存知なかったらしい。

私は、とっても切なくなった。
お友達にバレないように給食終わってそっとポケットにお薬入れてトイレでこっそり飲む。想像しただけで泣きそうだった。
お昼の分6錠ずつ分包するから少し待ってね。これで、錠剤を出す時のストレスは減らせるかもしれない。
お母様に、担任の先生に簡単でいいので腎臓の働き、病気の事、お薬の事をクラスのお友達に話して、給食の後に教室で落ち着いて飲めた方がいいのではないかと話した。もちろん本人が納得すればだけど。

その後、お母様は、息子さんと話され、担任の先生に事情を話した。すると、先生は、保健の先生と相談し、小学生にも分かる腎臓の働き、お薬で健康が保たれ、みんなと変わりなく遊べる事。きちんとクラスのお友達にお話されたそうだ。

お前、錠剤飲めるのすごいなぁ!しかもデッカイの6こも‼
って言われたと誇らしそうに教えてくれた。
そういえば、同じ歳の家の娘も小さい錠剤さえ飲めない。ドライシロップか粉薬希望だ。しかも‼私も、苦手だ。この年で、先生に粉でお願いします‼なんて絶対言えない。喉が細いからか引っ掛かり水だけ喉を通る。飲み込むのに毎回必死だ。
(今は飲み込みやすくするゼリーとかも売ってますよ)

男の子は、すばらしい先生と、お友達に囲まれている。
病気に限らず、きちんと勉強し、理解しあえれば、偏見や差別、いじめは起きないだろう。
小学生の素直さ柔軟さを見習うべきだ。

それと、もし、困った事があったら、親でも先生でもドクターでも、私達でも関係ない周りの大人にでもいいから早く伝えてね。子供を全力で守ってくれる大人はたくさんいるのだから。

もっと早く、一言、お薬で困ってることない?って聞いてあげられたらと反省。

次の処方箋には、コメントにお昼の分は分包お願いします。と書いてあった。
ほら!ドクターも素敵‼


なみに、一包化の加算はないのですが、サービスです。いい薬局にも恵まれています!