勤務する診療所で
食事指導を担当し始めた頃は
みなさんの「健康のため」のつもりでした。
けれど
クライアントさんの変化を目の当たりにし、
食を変えることは
人生を変えることだと
確信するに至りました。
そこでは
何か特別な食事法を押し付けるようなことはしません。
人によって必要な食は違うからです。
けれど一つだけ全ての人に
共通してお勧めすることがあります。
それは素材の味を味わうということ。
簡単で単純なことなんですが
食の知識や料理の腕に
自信がある人ほど
うまくいかなかったりするものなんです。
食の知識に自信を持つ人や
特定の食事法に傾倒している人は
自分の信じる食の哲学を
他人にまで押し付けてしまいがちですし、
お料理上手な人は
自慢の技を活かした「味付け」を食べる食事になりがちです。
でもね、よく覚えておいてください。
食べることを正しい正しくない、
上手、下手で判断するような人は
他人や自分のことも
正しい、間違い、良い悪いで判断する人なんです。
一方で
素材の味を解する人は、
自然の力を解する人。
そんな人は
自分を信じることもできるのです。
そして
素材の味を大切にできる人は
人の素材をも大切にできる人です。
素材の味を大事にした食卓で育った子どもは
他人の価値観に左右されることなく
自分の素材や他人の素材を大事にする生き方を実現できます。
それって簡単にいうと
地に足をつけて生きるということ。
このようにして
食は生き方を左右するのです。
