地震の後、いろんなところで励ましのメッセージを
目にします。
私は、「がんばって」という言葉はどうなのかと思います。
被災地の方は言葉にできないつらい体験をされた方が
たくさんいらっしゃって、もうすでに精いっぱい頑張って
いるところに、同じ経験をしていないものが言えないと思います。
今日の夕刊に、ボランティアの方たちは態度や言葉遣いに
十分な配慮が必要だと書いてありました。
被災者にかけないほうが良い言葉に
・いろいろあったけど命が助かってよかったじゃない
・早く元気になって
(被災者が失ったものを理解されていないと感じる)
・頑張って、などの直接的な激励の言葉
(力を出し尽くして疲れ切っている人には追い打ちをかけ
負担になる)
・早く忘れて前向きになろう
(一生忘れられない経験をしているひとには
かえって苦痛になる)
が挙げられていました。
助けたい気持ちが強いボランティアは多いが
その思いをぶつけるだけでは被災者に負担になるそうです。
「こちらの気持ちをぶつけるのではなく受け止めることが大切」
また、「かわいそう」と同情的な態度も
上からの視点と受け止められる場合があるそうです。
大規模災害時の心のケアに詳しい大正大学の
広川進・准教授は
「こんな時こそ人助けをして感謝されたい」
という強い気持ち(メサイア=救世主=コンプレックス)から
ボランティアが被災者の心に踏み込みすぎるケースを指摘。
「あなただけでも生き残ってよかったですね」
「めそめそしないで」
などと励ましてかえって被災者の心を傷つけて
しまう恐れがあるそうです。
善意の押しつけや気の利いた言葉をかけようとするのは
控えてほしいと話しています。
また、震災によるトラウマが大きすぎて
心を守るためにふたをしている状態の人も多いので
不用意に家族の安否や自宅の状況などを
尋ねないほうがいいとも書かれていました。
厳しい状況に置かれている被災者に対して
今できることは
「心配している、手伝いたいという思いを伝えること」
だそうです。